2016年4月19日火曜日

安倍首相が南京記念館と南鮮独立記念館を訪問、オバマ大統領がハノイ戦争記念館を訪れから広島に行け!・・・

【時論】オバマは「元」大統領として広島訪問を(1)
中央日報(2016年04月18)

 広島出身の政治家の岸田文雄外相とジョン・ケリー米国務長官が合作演出した広島主要7カ国(G7)外相会合(4月10-11日)は徹頭徹尾、オバマ大統領の「広島平和記念公園」訪問への道を開くためのものだった。ケリー長官は予定時間を超えて資料館に50分間もいたし、計画になかった原爆ドーム視察を先に日本側に提案した。しかも記者会見でオバマ政権が推進する国際協力主義の重要性を訴えながら「オバマ大統領を含むすべての人が広島に来なければいけない」と力説した。5月のG7首脳会議のために伊勢志摩を訪問するオバマ大統領に対して広島を訪問してほしいと公開的に進言するものだ。 

  G7外相会合で採択した「広島宣言」は「広島および長崎の人々は、原爆投下による極めて甚大な壊滅と非人間的な苦難という結末を経験した」で始まる。人類最初の原子爆弾による犠牲という文明史的な災難は、人類の記憶、平和の祈願を触媒する重要な記録として残らなければいけない。広島・長崎の原爆投下で21万人が命を失い、40万人の被爆者を生んだ。その中には韓国人の死者3万人、被爆者4万人(推定)も含まれている。さらに66年後の2011年3月11日の福島原発爆発事故はもう一つの災難だった。日本はこうした点で「原子力」を媒介に近代のエネルギーと科学技術、政治と戦争と災難という完ぺきな文明史的実験場になった特殊な位置にいる。 

  我々は人類共同体、地球村社会の構成員として、広島・長崎・福島の悲劇は決して繰り返してはいけない人類史的な克服課題という事実認識に限りなく謙虚でなければいけない。原子力(科学)-原子力発電(エネルギー)-原子力武器(戦争)-大災難-非核化-平和にいたる政治社会的、そして生命的な存在論的脈絡にまで及ぶ総合的な視点で広島・長崎の惨劇と福島の災難を黙想しなければいけない。単純に戦争の反対概念としての平和だけでなく、歴史の平和、正義の平和にまでいたってこそ、日本の3回にわたる原子力災難から平和を祈り平和を築くことができる。

  日本はこの点で非常に背反的な記録を持ち、今でも保有している。こうした途方もない太平洋戦争(日本の表現で大東亜戦争)を起こしても公式的な戦争記念館がなく、戦争に敗れながらも敗戦を認めず終戦だけあると記録している靖国神社の遊就館が代表的な例だ。同じく広島平和公園の「平和」も非常に背反的だ。

【時論】オバマは「元」大統領として広島訪問を(2)
中央日報(2016年04月18)

ウィリアム・ペリー元米国防長官は広島を2回訪問した。ペリー氏はその所感を次のように書いている。「広島で原爆に関する展示物、説明を目にした時、その悲惨さを訴える文言や写真は数多かった半面、そのような惨劇がなぜ起こったかのかについての記述が一切なかったことに違和感を覚えた。どうして、原爆の投下という悲運に日本は見舞われなければならなかったのか。その原因について自問、自省する文言を広島で目にすることはできなかった。いろいろな事情があるとは思うが、そのことを私はとても残念に思っている」(経済新聞、2010年12月31日付)

  背反的だと強調するのは、このように惨憺たる原子力災難を経験しながらも、中曽根康弘-安倍晋三につながる日本の右翼本流は核兵器化を1950年代から着実に推進してきたというところにある。日本の原子力の父は科学者でなく政治家の中曽根だ。70年の防衛庁長官時代には「日本憲法も防御用核兵器は禁止していない」と主張し、2006年4月には「日米安保条約をやめさせられるなどの大変動がある場合に備えて核問題を研究する必要がある」とも述べた。当時、安倍首相は「核武装議論を封鎖するのは不可能」と加勢した。麻生太郎外相(現副総理)も同じだった。彼らはともに核兵器推進の発言を取り消したことがない。今でも生きている日本の権力だ。 

  オバマ大統領の2009年のプラハ宣言で始まった「核なき世界」に対する誠意、そして「非核・平和」のためのこれまでの努力は非常に印象的だ。オバマ大統領はノーベル平和賞受賞者として広島平和公園を訪問し、非核・平和メッセージを伝えたいという「個人的」な動機もあるだろう。 

  しかしオバマは米国大統領であり米軍最高司令官だ。アジアの地政学的な現実を考慮した広島訪問はケリー-岸田の演出で足りる。オバマは日本の中曽根と現首相・副総理に対し、過去の発言や日本の二律背反的な核兵器政策の真意について改めて尋ね、回答を得る手続きを踏んだ後、広島訪問を検討しなければならないだろう。 

  日本の首相が中国南京記念館と韓国独立記念館を訪問し、「正義の平和」を訴える時、そして米大統領がハノイの戦争記念館を訪問する時、米軍最高司令官は広島に行くことができる。今ではない。 

  2016年の広島訪問は中国・韓国・北朝鮮に向けたリアルポリティックスの演出になるかもしれないが、日本の背反的な原子力政策が消滅しない限り、ノーベル平和賞受賞者としての普遍的平和の演出はない。オバマは退任後に広島を訪問し、2人の娘に文明史的な課題を説明することが、よりいっそう非核・平和を訴える力として響くだろう。 
  (金鎮ヒョン(キム・ジンヒョン)世界平和フォーラム理事長・元科学技術処長官)