遠藤誉:
支那問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年支那生まれ。支那革命戦を経験し1953年に日本帰国。支那問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。支那社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『裏切りと陰謀の支那共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』(3月22日出版)、『ポストコロナの米支覇権とデジタル人民元』、『激突!遠藤vs田原 日支と習近平国賓』、『米支貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』,『「支那製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子 支那建国の残火』、『ネット大国支那 言論をめぐる攻防』など多数。
遠藤誉氏の小論文!〜、
■【バイデン政権の中国企業制裁はポーズだけ?】:
►米国商務省が制裁追加を発表:
7月9日、米商務省は支那共産党政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害に関わったとする支那企業14社を含む23社(22社+1人)を貿易の制裁リスト(エンティティ・リスト)に加えると発表した。これは、『アメリカの製品を、これらの企業に輸出してはならない』という決定である。
具体的な制裁対象リストはこちらにある。支那だけでなく、
カナダ:2社
支那:23社(22社+1人)
イラン:2社
レバノン:2社
オランダ:1社
パキスタン:1社
ロシア:6社
シンガポール:1社
北朝鮮:1社
台湾:1社
トルコ:1社
アラブ首長国連邦:1社
イギリス:1社
と、かなり多くの国に亘っているが、ロシアを除けば、基本的に支那企業の支社だったり、これまで米国が輸出を禁止していたイランなどへの輸出を、秘密裏に行っていたりする企業が多い。
そこで、当論文では、支那企業23社がいかなる生産活動を行っている企業なのか?、そして米国から何を輸入していたのかを徹底して分析してみる事にした
► 制裁を受けたのはアメリカから半導体を
輸入していない支那企業ばかり:
エンティティ・リストに載せるという形での制裁は!〜、
米国はこれらの(支那)企業にアメリカの半導体チップなどを
輸出してはならない事を意味している!・・・
制裁対象となった支那企米国半導体チップを輸入しているか否かを調べることは非常に重要となるは当然とである。
それを知るには、その会社で使っている半導体チップなどのハイテク部品が、いかなるレベルのものであるかを把握しなければならない。
それがわかれば、支那国内で調達可能か否かがわかるので、制裁を受けたときに痛手を受けるか否かが明確になるという論理だ。
それを軸に調べた結果が下記に示した!〜、
『制裁対象企業分析表』(分析表と略称)である!・・・
(表は表示の関係上、上下二分割にした)。
分析表
この分析表から明らかなように、『軍事利用』として制裁された企業は5社あり、輸出制限違反企業は4社で、そのうち1社は個人なので、正確には『3社+1人』が輸出制限違反である。これは、たとえばイランに輸出してはならないとされている製品を輸出したといった事例を指している。
最後の『ウイグル』と書いてあるのは、新疆ウイグル自治区のウイグル人(ウイグル族)の人権侵害に関与した企業のことで、14社ある。
分析してみた結果、たとえば軍事利用のトップにあるArmyflyは軍隊のIT製品を生産する会社で、もともと米国の半導体チップを基本的に使っていない。支那国内で生産されたものしか基本的に使わないので、制裁されても影響は受けない。
2番目にあるKylandは、Armyflyの親会社で、28nm(ナノメータ)の半導体チップ(KS2300X)を生産しており米国からの輸入は必要ない。なぜなら、28nm半導体チップは支那内で十分に生産できるサイクルが出来上がっているからだ。
従って制裁を受けても影響を受けない。
3番目にあるKindroidは2番目にあるKylandの半導体チップを使用しているので、たとえば上位3社は互いに『内循環』として作用し、国内でのサプライチェーンを形成している。
支那には今『内循環(内需)』と『外循環(外需)』の二つにより経済を成立させ、できるだけ『内循環』を増やすという方向に動いているが、… 特に軍事に関しては早くから『内循環』に依存するようにしているので、ここに制裁をかけても、あまり効果は期待出来ない。
『輸出制限違反』に関しては検討するまでもないので省略する。
問題は『ウイグル』という分類にある企業である。
この範疇では殆どが最後に纏めて列挙してある『ソフトウェア・システムの開発』をする企業なので、使うのは『頭脳』だから、制裁のしようがないと言っていいだろう。おまけに製品(ソフト)は支那共産党政府の官公庁に提供しているので、サプライチェーンにおける支障もきたさない。
他に、ハイクビジョンと関係する会社があるが、ハイクビジョンは2019年のトランプ政権時代に制裁を受けており、結果、制裁の影響をあまり受けなかった。
というのは、ハイクビジョンが使用している半導体の80%が支那国内産で、残り20%は米国以外の代替品で補うことができたからだ。分析表に書いた通り、その証拠に2020年における収益は落ちておらず、むしろ制裁後に増加している。
► バイデン政権の対支那強硬姿勢は擬態か?:結果、何が言えるかというと、バイデン大統領は『さあ、私はこんなに強く対支那強硬策を実施しているぞ!』と、米国の選挙民(トランプ支持者)に見せてはいるものの、実際は支那に大きな実害を与えていないという、実に狡猾な手段で米国民を欺いているのである。
これは6月7日のコラム<バイデン対中制裁59社の驚くべき「からくり」:新規はわずか3社!>と同じ構図である。
► ウイグル問題に関しては一定の効果:
もっとも、ウイグル問題に関しては、支那共産党政権/習近平に対して一定の効果は齎している!と評価はできるがこれはバイデン政権の実績ではなくて、前大統領。トランプの置き土産である事は衆目が認める処と言える。
日本のように、ウイグルの人権侵犯に対して制裁を与えることができる日本版マグニツキー法案(自民党の中谷議員らの呼びかけによって成立していた議員連盟により提唱された法案)を自民党の二階幹事長や公明党により菅政権は潰してしまったのだから、そういう国に比べれば、米国はよく頑張っているという評価はできるだろう。
対中包囲網に関して、あたかも日米が足並みを揃えているようなことを言っているが、ウイグル問題等に関しては、足並みは揃ってはいないのである。
参考文献:バイデン政権の支那企業制裁はポーズだけ?https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20210712-00247507/
日本政府、菅政権は党内の支那に共産党に籠絡され支那の佞人となり愛国心を失った議員どもへの斟酌は無用であり、… 世界情勢を見誤らないように、そして支那に対する警戒を、すなわち国体と経済の安全保障を怠る事が無いように注意を喚起したいものです。
バイデン大統領の本質!〜、虚言癖!、卑劣!、米国への忠誠心の欠如!、欲ボケ!・・・
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