★(1)花粉症は現代病、19世紀までは稀だった!〜、
花粉症の起源には諸説あって、古くは古代ギリシャの医師ヒポクラテスが花粉症と思われる病気について記録を残しているという話がある。ただ昔は、花粉症は非常に珍しい病気だったようです。
1819年にロンドンの医師ジョン・ボストックが、花粉症の研究論文を残している。初夏にまれに起きる季節性の症状で、急性の目の痒みみが起きるとか、くしゃみが猛烈な勢いで出るなど、まさに花粉症の症状と思われる症状が記録されている。
ただ、ここで一番重要な情報は、そのような症状の人がとても、稀だった。ボストックはこの論文を書くための患者28人を集めるのに、9年かかった。昔は、花粉症患者はほとんど存在しなかった。花粉症は現代病なのです。
はっきりとした因果関係を立証するのは簡単ではないのですが、状況証拠的には世の中が石油中心の社会に変わった時期と一致しています。この時代、石油化学工業が発達してプラスチックなどそれまでなかったさまざまな素材が世の中に登場し、ガソリンで走る自動車も劇的にその台数を増やしました。
「花粉の中のアレルゲンが大気汚染粒子のせいで破裂して体内に入りやすいサイズになる」という研究もあります。状況証拠的には、花粉症は大気汚染との関係が深そうです。
『沖縄と北海道に花粉症はない』は本当か:
さて、国策がそもそもの原因です。終戦直後、荒廃した国土を復興させるために木材の需要を増やす事が必要だった。
今、国は『花粉を飛ばしにくいように品種改良したスギ』に植え替える政策を進めようとしている。それは国民にとって喜ばしい事だが、いくら育つスピードが速いといってもスギが商品になるには50年も掛かる。スギ花粉が少ない世界で過ごすことができるのは、2070年代以降の世代になる。
★(4)スギ花粉症は山梨県から関東にかけて多い!〜、
ウェザーニュースの調査によれば、スギ花粉症になる人の割合が一番多い都道府県は山梨県。そして群馬、埼玉、東京、神奈川、静岡といった具合に山梨県に近接する都道府県も、それ以外の地域と比べると花粉症比率が多い傾向が見られる。
これはスギの木が多いかどうかに加えて、風で花粉が飛ぶ方角が関係している。ウェザーニュース社ではポールンロボという花粉観測機を全国に設置しているが、… その観測によれば、花粉の飛散数が多い地域と花粉症の自覚がある人の多いエリアは一致している。
因みに関西では奈良県が発症率全国6位と上位に来ており、奈良県も吉野杉の産地として知られている。
★(5)沖縄と北海道には花粉症はない?!〜
花粉症の季節になると、その時期だけ移住する人々がいる。
しかし、油断してはならない!。
北海道では春先はシラカバの花粉症患者数が増えている。
日本経済にも打撃:
さて、この季節、花粉症を持つ人にとっては仕事がはかどらないのが悩みとなるが、それをきちんと計算した人たちがいる。
日本経済への影響という観点で有名な調査が、パナソニックが2020年1月に発表した『社会人の花粉症に関する調査』で、それによれば花粉症でパフォーマンスが低下していると感じる時間は、1日平均で2.8時間になると言う。
パナソニックはそのような調査をもとに、花粉症による労働力低下がもたらす日本全体の経済損失は1日2215億円と推計していいる。
★(7)国民の4割が花粉症!〜、
さて花粉症の嫌な処は、ある日突然発症する事。
花粉症の人の割合は、計測方法によって異なります。医師の診断を受けた人の割合で見ると3割ぐらい、自己申告で花粉症の症状を自覚している人で見ると5割くらいまで幅がある。
その前の2008年の調査では26.5%だったので、この10年で患者数は約1.5倍に増えたわけです。自分とは無関係と油断するべからず。
★(8)花粉症患者は年間20万円も損をしている?!〜、
やはりこの時期、仕事の生産性は大幅に落ち込んでいる。
前述『花粉症は6兆円の経済損失』、これは花粉症にかかっている4割の人だけに集中する損失。その観点で概算すると、ひどい花粉症にかかっている20日間で個人の仕事の損失は約20万円になる。
サラリーマンならこの損失は会社がかぶってくれるが、フリーランスのビジネスパーソンの場合はまるまる個人の損になる。
花粉症がなくなる日は来るのか?:
★(9)第二世代の薬が登場!〜
さて、その何らかの対策の筆頭は花粉症の薬を飲むこと。そう言うと『花粉症の薬を飲むと確かに症状はぴたっと止まるけど、猛烈なのどの渇きと眠気が来て、結局仕事にならないよね』と体験談を語る人々も多いかも知れない。
たしかに以前はその通りで、結局仕事中は薬を飲めないという方も多かった!と考えられる。ただ最近は、この花粉症の薬に第二世代が登場しており、・・・ 花粉症で処方される第一世代の抗ヒスタミン薬は抗コリン作用によって眠気や口の渇きを引き起こしていたが、、その副作用が弱いのが第二世代の治療薬の特徴。
しばらくお医者さんにかかっていない読者の方、久しぶりに医師に相談をしてみてはどうでしょうか。
★(10)2~3年かけてアレルギー耐性を作るほうがいい?!〜、
最新のアレルギー治療では、時間をかけてアレルゲンへの耐性をつけるという方法を推奨する医師の方も増えている。
これは花粉症に限らず、さまざまなアレルギーを持っている子どもの治療でも取り入れられている。
いつまで続くのかなぁ!・・・
このように花粉症が現代病として話題になる昨今、花粉症の知られてはいない事実は沢山ある。記事の中で紹介した薬や治療法については、詳しくは専門の医師にご相談ください!。
参考文献:
■【花粉症にまつわる「10のトリビア」、へぇ~と思えばつらさも紛れる?】:
https://diamond.jp/articles/-/319176?utm_source=daily_dol&utm_medium=email&utm_campaign=20230310
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