2013年6月3日月曜日

焦点:相次ぐ素材の国内設備縮小、アベノミクスでも投資回復見込めず

アベノミクス効果による景気回復期待が高まりつつあるが、鉄鋼や化学など素材各社の国内生産設備の縮小が止まらない。内需の減退とアジア勢の増産による構造的な供給過剰への対応が急務となっているためだ。

国際競争力を強化するため国内設備の集約は今後も続く見通しで、「製造業のグローバル化で生じる穴を埋めるような新たな投資機会の創造が政府成長戦略の重要な役割」(日本総合研究所の湯元健治副理事長)になりそうだ。

鉄鋼業界では、新日鉄住金 <5401.T>が3月に君津製鉄所(千葉県君津市)の高炉1基を2015年度末に休止すると決めたのに続き、神戸製鋼所<5406.T>は先週、神戸製鉄所(神戸市)の高炉を17年度に休止すると発表した。
神戸鋼の川崎博也社長は、顧客である製造業の海外生産移管や国内の人口減で「鋼材の内需は足元の6000万トン強から2020年には5000万トン台前半に減少する。今決断しないと遅れると判断した」と説明。
コスト競争力に劣る高炉を止め、加古川製鉄所(兵庫県加古川市)に上工程を集約することで効率性を高め、2期連続赤字の鉄鋼事業を立て直す方針を示した。

12年度の国内粗鋼生産は1億0730万トン。リーマンショック前の07年度(1億2151万トン)を12%下回る。中国鉄鋼メーカーの増産でアジアの鋼材市況が冷え込むなか、日本の高炉は昨年末までの超円高で輸出採算が悪化。自動車などの海外生産シフトで内需が鈍化する一方、安価な輸入材が増え、減産を強いられた。

世界鉄鋼協会によれば、2000年の世界粗鋼生産は約8.5億トン、うち中国は1.3億トンだったが、2012年には世界生産が過去最高の15.5億トンに膨らみ、中国分は7.2億トンと全体の46%を占めるまでに拡大した。中国勢の増産は今年も続いており、アジアの供給過剰感は強まるばかり。15年以降には東アジアで新たな製鉄所の稼働が相次ぐ予定で、日本勢が国内設備のさらなる集約に動く可能性もある。

<エチレン設備も一段の集約へ>

国内設備の余剰問題を抱えるのは化学業界も同じ。経済産業省によると、石化基礎原料であるエチレンの国内生産能力は12年末で721万トン。輸出向けを含む12年の生産量(615万トン)を約100万トン上回る。プラントの新増設が続く中国や原料費が安い中東との競争激化に加え、16年以降は米国でシェールガス由来のエチレン生産も台頭する見通しで、輸出環境は厳しさを増す。「エチレン内需を500万トンとみて、何とか(需給を)バランスする必要がある」(三井化学<4183.T>の田中稔一社長)。

既に三菱ケミカルホールディングス<4188.T>傘下の三菱化学が鹿島事業所(茨城県神栖市)のエチレン1基を14年に廃止することを決め、住友化学<4005.T>も今年2月に千葉工場(千葉県市原市)のエチレン設備を15年9月までに停止すると発表した。

旭化成<3407.T>は三菱化学と共同運営する水島コンビナート(岡山県倉敷市)でエチレン設備を2基から1基に集約することを検討中で、藤原健嗣社長は先週、現時点での「最大の課題は国内石化事業の需要減退への対応。効率よく、タイムリーに行動できるようにしたい」と話した。

三井化学も丸善石油化学、住友化と共同運営する京葉エチレンから15年3月末に離脱することを決定済みだが、田中社長は先週、「もう一段踏み込んだ構造改革をやりたい」と指摘。千葉コンビナート(千葉県市原市)内のエチレン設備を共同運営する出光興産<5019.T>との交渉を通じてさらなる改革に取り組む意向で、業界全体で設備の集約が進む公算が大きい。

<製造業に頼らない投資喚起策を>

こうした動きは、安倍政権が成長戦略の一環として掲げる「民間の国内設備投資回復」の目標に逆行する。日本総研の湯元副理事長は「重厚長大型産業は、電力問題を含む6重苦解消に向けた政府の努力はわかるが、待っている余裕がない」と指摘する。為替が円安に振れても、国内で人口減と少子高齢化が進むなか「企業が生き残るには海外に出て競争力を高めるしかない」のが実態だ。

企業経営者からは「円高がもっと早く是正されていれば製造業の国内回帰もあったが、生産設備を一旦外に出したら戻るのは難しい」(東レ<3402.T>の日覚昭廣社長)、「長期的に製造業が海外に出ていく大きな流れはアベノミクスでも変わらない」(神戸鋼の川崎社長)との声が多い。日本鉱業協会の矢尾宏会長(三菱マテリアル<5711.T> 社長)も、銅の国内製錬能力は需要を上回っており、円安で各社の業績が上向いても「能力増強のために国内で設備投資を増やす状況にはない」と語る。

日本総研の湯元副理事長は「産業構造を変えないと日本の持続的成長は難しい」と主張する。政府の成長戦略は製造業に国内に残ってもらうための政策ではなく、グローバル化を支援するのが本来の役割」と話す。同時に、企業のグローバル化によってできる穴を埋めるため、再生エネルギー、医療・介護、教育など国内に潜在的需要がある分野で、内外の投資を喚起するしくみを整えることが重要とみている。
 
[東京 3日 ロイター]              (大林優香 編集 宮崎大)

                          

筆者考:

先週末金曜日のNY市場で起こったダウ平均の大幅下落Down 208.96=1,36%は!・・・はFRBがQE(Quantitative easing=金融緩和)の出口を模索しているとの憶測がな流れたからで、6月2日に【FRBの量的緩和縮小はいつか?インフレ退治の鬼ボルカー元議長は早期縮小を主張】が風船が上げられた事で現実味を帯びている。
此処、数年来のNY市場でのブル・マーケット(本格的な上げ相場)は★【人為的に誘導(金融緩和⇒輪転機フル稼働⇒FRB国債買い上げ⇒人為的に操作された低金利⇒金余り⇒飽くなき投資利益を求めて株式市場に余剰資金が集中】された、いわばFRB議長が奏でた壮大な演奏曲に依って投資家が踊らされた結果であり!・・・演奏曲(QE)が止まると、祭りが終焉を迎えるは当然である

先週末のダウ平均株価の大幅下げは、今後の株価(経済)の動向を示す予兆で、長年続いている「ブル・マーケット」が終焉を告げて!、⇒本格的なベア・マーケット(大暴落=本格的な下げ相場)の到来となるか?・・・筆者の水晶玉は来る!と映し出しているが、果たして?。
筆者は水晶玉が曇って間違った映像を映し出している!と願っている。水晶玉が正しければアベノミクスの前途に暗雲が広がり、参院選の結果に影響する可能性があるからです。

何故、今日の【相次ぐ素材の国内設備縮小、アベノミクスでも投資回復見込めず】の筆者考欄の冒頭に記事見出しとは関係のない文を述べたか?・・・折角、アベノミクスで上昇気運に乗った日本の株が、NY市場で起きる株式市場の動向(暴落)で水を差され例え一時的とはいえ、投資家がパニックに陥り投売りを始めて下げ足を早める。
此れがアベノミクスを声高に非難している反日分子『在日!/半島系帰化人!/逝かれ・サヨク!/特アの犬粗大ごみマスメディア!/帰化人が屯する野党!/紐付き半日評論家!』等々
の武器になり安倍政権への非難の礫が激しくなり、「相次ぐ素材の国内設備縮小」の真の理由が歪曲され安倍政権への攻撃材料となる、恐れがある事が原因です。

企業の投資回復は金融緩和、財政出動、成長戦略に先鞭を付けて!・・・株価回復(2007年に記録した市場最高値を更新)、先週までは記録更新の連続だった。この株高に似誘導されて漸く製造業が息を吹き返し、連れて雇用環境が改善、遅れて不動産業界が活況に成った現況の米国でも企業投資の回復は予想を遥かに下回っている。

<製造業に頼らない投資喚起策を>・・・此れがアベノミクスが成功する鍵を握っているが、言うがやすし、行なうは難し!である。
では何に頼れば良い!・・・金融緩和、財政出動、成長戦略を実践し経済構造を改造した米国は製造業を疾うの昔に片隅に追い遣り、英国は金融業界に経済を託したが、結果は?、雇用環境は一向に改善せず、英国などは不況の扉の前で佇んでいる有様である。

長年製造業で技術を練磨、蓄積して貿易立国として世界市場に重きを置いてきた日本国がおいそれと製造業を片隅に追い遣るわけにはいかぬは明白である!・・・ならば!、死中に活を求めすが良策である!と筆者は信じている。
米国、英国を眺め製造業の衰退は実態経済を無視した投資喚起策は金融業界、株式市場、不動産の焼太りでブーム/バストの繰り返しとなっている。此れを反面教師として日本政府は日本国の伝統、習慣、環境に整合した投資喚起策(米英の模倣=これは短期的な効果しか期待は出来ず)ではなくて経済構造の改革を推し進めなければ成らぬ。

日本総研の湯元副理事長は「重厚長大型産業は、電力問題を含む6重苦解消に向けた政府の努力はわかるが、待っている余裕がない」と指摘する。為替が円安に振れても、国内で人口減と少子高齢化が進むなか「企業が生き残るには海外に出て競争力を高めるしかない」のが実態だ】・・・

なんと悲観的で、日本人の資質を低評価していることか!、時間がないのは経済問題ではなくて特ア諸国による、日本国の主権、尊厳が侵されているいること!、自虐思考が齎した戦後体制からの脱却こそがアベノミクスが成功する鍵を握っている!と察知せよ!。

【参考記事】

【FRBの量的緩和縮小はいつか?インフレ退治の鬼ボルカー元議長は早期縮小を主張】

 http://news.kyokasho.biz/archives/13058


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