2013年12月10日火曜日

中国スパイ天国・カナダが腰を上げたTPP“安保戦略”の肝…「仮想敵は中国」に目を覚ませ







TPP首脳会合に出席した甘利TPP相(左端)と安倍首相(前列左から2人目)。TPPの〝仮想敵〟は中国だ=平成25年10月8日、インドネシア・バリ島(代表撮影・共同)







2千超える中国スパイ
 私が十数年を過ごしたカナダには、宗主国・英国譲りの情報・諜報管理体制が比較的完備されております。そのCSIS(連邦情報安全局)が明かした事実によれば、数年前の時点で、確実に把握しているカナダ国内在住のスパイ活動家が1500人を超え、うち半数以上が中国系だったといいます。最近では、さらに2千数百人を超え、中でも中国関連比率が加速度的に増加しており、情報流出量は米国の5倍以上という深刻な事態だそうです。
 軍事機器、IT関連技術の流出が多く、経済的損失は数千億ドルに上るという試算もあります。カナダ空軍機の部品として中国から高く買わされた機密部品が、諜報活動でもたらされたものだったという驚愕(きょうがく)すべき事実まで判明しております。
 カナダは、領土の広さに関しては世界第二という大国ですが、人口は3500万と極少で、多文化主義を標榜(ひょうぼう)して比較的「甘い」移民政策を取ってきました。前世紀末までは台湾と返還前後の香港からの移民が多く、今世紀に入ってからは、中国本土やアジアからの流入が急増しているようです。そうした背景から、昨年もカナダ外相の側近政治家をターゲットにした「ハニートラップ疑惑(中国新華社通信の女性記者)」が浮上したケースを重ね合わせて鑑(かんが)みますと、日本の外務省官僚へのハニートラップなど氷山の一角にすぎず、かつての某元首相以降も多くの大物政治家が餌食にされているのではないでしょうか。
カナダが重い腰を上げたワケ
 話をTPPからカナダに戻します。経済メリット志向から、中国に甘い姿勢できたカナダが、なぜ無関心だったTPPへの参加を決めたのか。その背景には、既述したような、移民に端を発するスパイ活動の深化に対する防御対策を講じる必要が生じたことが、まず一つあるでしょう。さらに、「太平洋国防」に絡めて経済大国の名を借りた軍事大国の様相を増進する中国が、周辺諸国の味方を失いつつ、四面楚歌に陥っている-との現状分析が、カナダの重い腰を動かせたことが垣間見えてきます。
 同じ観点から、日本も、対中経済関係維持発展だけにこだわりすぎ、民主党政権時のような軟弱大使を頂く低姿勢外交とか、スパイ天国ぶりが、膨大な国益を損ねている(一説に百兆円レベルの喪失)ことを早く自覚してほしいものです。
平和ボケから目を覚ませ
 TPPだけではありません。沖縄基地移転問題も、尖閣騒動も、日中韓FTA交渉も、さらには日米安保、憲法改正問題、あらゆる分野に及んでいる中韓朝露によるスパイ問題やパテント抗争、南京歴史論争、領土問題、韓国の慰安婦問題、地下・海洋資源抗争…。いずれもが単一で独立したテーマではありえません。それら全てが相互に強い関連性を帯びているのです。
 これらの問題が重要命題となってきたということをもっと肌感覚で捉え、対中、対米、対露、対南北朝鮮を含めたグローバル・対外戦略を、総合的関連性を重視しながら、われわれ個人個人が、複眼志向と冷静で賢明な視座を持つようにしなければなりません。そのためには、マスコミ報道やITメディアだけに情報依存する悪癖を捨て、雑誌や単行本を取捨選択しながら真実報道を求め、依拠・信頼でき得る論評にめぐりあう努力を継続する必要があると考えます。
 諸国家の興亡期に、国際政治の関心の核と成るのは「地政学的磁力」である-と昔から言われてきました。そのマグマは、貿易ルート、戦略的資源の偏在具合、隣接・近隣諸国との陸海国境紛争などの現実下にとぐろを巻いています。それに対する地政学的戦略を、最適・最善に適合させることができる国は栄え、失敗した国は衰退してゆく。それが歴史の常なのです。
 平和ボケ日本は、今こそ目を覚ますべきです。そして、すでに熱を帯びつつある米中覇権抗争の行方を冷静に見極め、両者の地政学的長短を見据えた上で、最適なるわが道を早急に選択すべきだと思量致します。(上田和男)
産経ニュース2013.12.8 07:00 

                                                        

筆者考:

【中国スパイ天国・カナダが腰を上げたTPP“安保戦略”の肝…「仮想敵は中国」に目を覚ませ】・・・

産経新聞の記事の読後の感想は!、・・・なぜか釈然としない物が残りました。
この記事(寄稿者:上田和男氏(コンサルティング会社、EKKの特別顧問)はカナダで跳梁跋扈している支那人スパイを取り上げて、読者の関心を引いて、真の目的である日本政府へTPP締結を促している!の底意が丸見えです。

TPPには反対の立場に身を置く筆者の勘ぐりかも知れませんが!、・・・上田和男氏は間違いなくTPP賛成、しかも強烈に締結を日本政府に求めている己の感情移入の論旨が随所に散りばめられている!と筆者は思わざるをえません!。筆者の心眼が多少は歪んでいる可能性がありますが。
7~8年前では、カナダ保守党政権・スティブン・ハーパー首相は支那の自治区(チベット、ウイグル)の少数民族や法輪功学習者などの弾圧、蹂躙、民族淘汰や法輪功学習者達の生きたまま臓器摘出を声だかに非難していましたが、支那の投資を呼び込む為に!、・・・近来は他の自由主義国家(米国、欧州、豪州)に右に習えで、支那に対する非難には封印して支那とは驚くべき程の密着振りの醜態をカナダ国民に曝け出しています。

✦【カナダ最大の都市トロント市が2012年12月13日に「南京虐殺記念宣言」を布告】

✦【慰安婦問題で日本に謝罪要求=カナダ下院が動議可決 2007/11/29】:
カナダ下院本会議は28日、第2次大戦中の従軍慰安婦問題で日本政府に公式謝罪を求める動議を全会一致で可決した。中国系カナダ人のオリビア・チャウ議員(野党の新民主党)らが提案した慰安婦問題に対して日本の謝罪と賠償を求める同決議案。

✦【中国海洋石油、カナダ大手を買収 1兆1800億円で 】:
【北京=多部田俊輔】中国国有石油大手の中国海洋石油総公司(CNOOC)は23日、カナダのエネルギー大手ネクセンを151億ドル(約1兆1800億円)で買収すると発表した。成立すれば中国企業の海外買収では過去最大となる。資金力が豊富な中国国有企業による欧米の資源会社の買収が加速しているが、巨額買収は関係国の議会などの反発を招く可能性もある。

✦【カナダ、中国企業による新たな買収案件を呼び込み】:
 カナダのエド・ファスト貿易相は、同国には中国のエネルギー企業による新たな買収案件を受け入れる用意があることを明らかにして!、・・・ネクセン買収時のように中国企業が将来、カナダ企業を全面買収する場合でも歓迎するかどうかあらためて尋ねられると、ファスト氏も「カナダは中国企業によるエネルギー分野などへの投資を歓迎している」と繰り返した。
 同氏は「私がここで中国指導部に伝えたメッセージは、カナダはエネルギー分野だけでなく、カナダ経済の幅広い分野で中国からの投資を引き続き歓迎しているということだ。オイルサンドについてなされた説明は極めて明快だ。オイルサンド以外のエネルギー分野への投資についてはまだ受け入れる用意がある」と述べた。

✦【ハスキー・エナジー(Husky Energy Inc.)は、カナダアルバータ州カルガリーを本社として石油と天然ガス大型会社である。カナダをはじめ世界で原油と天然ガスの探査、開発、生産など業務に従事している。香港を本社としてコングロマリットハチソン・ワンポアの子会社の一つ。    2008年、中国海洋石油は1億2500万ドルでハスキー・エナジーの子会社の株式50パーセントを取得した。翌年、ハスキー・エナジーは南シナ海で新たな大型ガス田を発見した】
出典(ウイキペデイア)

以上の様に、近来のカナダは既に米国同様にG2容認を暗黙の内に決めている、・・・このカナダが上田和男氏(コンサルティング会社、EKKの特別顧問)の寄稿文が指摘している話をTPPからカナダに戻します。経済メリット志向から、中国に甘い姿勢できたカナダが、なぜ無関心だったTPPへの参加を決めたのか。その背景には、既述したような、移民に端を発するスパイ活動の深化に対する防御対策を講じる必要が生じたことが、まず一つあるでしょう。さらに、「太平洋国防」に絡めて経済大国の名を借りた軍事大国の様相を増進する中国が、周辺諸国の味方を失いつつ、四面楚歌に陥っている-との現状分析が、カナダの重い腰を動かせたことが垣間見えてきます》などと一挙に飛躍して仕舞うのか!、筆者には理解出来ません。

TPPの真の目的は!・・・ここで話をTPPに転じます。TPPという用語は、アメリカ公文書に基づいて報道するメディアでは「Trans Pacific Strategic & Economic Partnership」 とフルスペルされているように、文字通り「安全保障戦略」込みの提携であって、国防・外交戦略まで含む極めて“政略的かつ経済的”連携と捉えるべきです。単なる貿易経済的得失だけを論評する多くの日本のメディアに、私は疑問を感じております】・・・
カナダで暗躍する支那人スパイを取り上げて、・・・これをTPPに結びつける。
読者に支那人スパイが齎す損害の大きさを知らしめる恐怖感を植えつけ、「目を覚ませ、日本人よ!」と巧妙にTPP賛同へと誘導するは、恐るべき知恵者です。

経済的でだけではなくて、真のTPPの目的は安全保障の次元で支那を封じ込む包囲網である!との見解はすでに、日本の保守派の論客などが主張しているが!、・・・これは初めにTPP賛成ありき!で誘導する為のすり替え詭弁です。

賛成の急先鋒はメディアでは産経、日経などで、経済界はこぞって賛成である。
政権与党内にも賛成派がごまんといるが!、例によって米国のポチと言われていた小泉首相(当時)の息子進次郎は大声を張り上げて賛成を叫んでいる。
野党も殆どは賛成しているTPPは反対./賛成で国論が真っ二つ!となっているは、民主党の最後っ屁!である唐突のTPP参加の表明は考え抜かれた国体破壊の深謀で在り、敵ななら天晴れ!と言えるかも知れません!。

結論!、・・・産経の記事は、とどの詰まりは産経新聞はTPP賛成側の大御所的存在でる事からして、【中国スパイ天国・カナダが腰を上げたTPP“安保戦略”の肝…「仮想敵は中国」に目を覚ませ】の記事は産経新聞の意向に沿った上田和男氏(コンサルティング会社、EKKの特別顧問)の提灯寄稿文だ!と筆者は皮肉な見方をしています。

因みに各国のTPP参加状況は!・・・

・シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヵ国は、もともとの原加盟国。
筆者註支那の「太平洋国防」などとは全く無関係!

・アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーは参加を表明し、拡大交渉会合に第1回から参加している。

筆者考TPP参加を表明している国々の中で最大の経済規模、軍事力を有する米国が「G2」論で支那に最も密着しているのでは「太平洋国防」への包囲網は空念仏となってしまう!。

・次いで、マレーシア、コロンビア、カナダも参加の意向を明らかにした。

以上、11ヶ国が参加を決めているか、前向きに参加に向けて調整を始めている。

日本とメキシコも、遅れて交渉参加意向を示している。

筆者考以上の国=国々の中で日本以外に支那「太平洋国防」に対する包囲網としてTPPを位置づけいる国などは見当たりません。如何に産経新聞の記事がこじ付けであるかが一目瞭然となるでしょう。

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