2015年12月25日金曜日

トヨタがミライに懸ける水素燃料車(FCV)・・・

水素か電気か:車の燃料の明日はどちらか?
Sputnik日本(2015年12月17日)  http://sptnkne.ws/ar3H

読売新聞によれば、トヨタの水素自動車「ミライ」納車は3~4年待ちとなっている。20年の歳月をかけて生み出したミライのシリーズ生産第一期販売は1年前、2014年12月に始まった。トヨタは当初、主な購入者は企業と政府機関だろうと見込んでいたが、結果的には購入者の半数が個人だった。ミライ人気は発売最初の1か月で期待を上回った。トヨタは年間400台の売り上げを目指したが、注文は1500件。現在は3000台を超える需要があるが、コンベアーで一日に生産できるのはわずか3台とあって、納車待ちは3~4年となっている。

寸評:
20年の歳月を費やして生み出した次世代FCV(Fuel cell vehicle⇔燃料電池車)!〜、トヨタが社運を掛けた車は見事に大輪の花を咲かせるか!?。
一年前(2014年12月)に販売開始後、販売数は期待(年間400見込み)を遥かに上回っているのは今後に未来が大きく発展することを暗示しており、喜ばしい限りです。
私的な願いとなりますが、是非ともトヨタが社運を掛けたプロジェクトが大成功で終わり、世界中の至る所で、トヨタのエンブレムを付けたFCVミライが颯爽と走行する事を、・・・ブログ管理人は脳裏に描いています。


自動車の心臓部はハイブリッド装置だ。化学反応で水素と酸素から電気が作られる。反応は燃焼をともなわない。また、有害物質を大気中に排出しない。開発者も環境にやさしいことを有力な利点として挙げている。価格は現在723万円。数年以内に燃料部の価格を最大限引き下げ、車本体の価格も低減させる目標という。

 それよりさらに重要かもしれない問題、消費者がより不安に思っているのが、安全の問題だ。水素混合物は空気中で爆発する可能性がある。もちろんガソリンと違い、水素は燃料部から漏出してもすぐに気化する。それに、安全のため、燃料部は何層もの特殊素材ガラスで覆われている。まさにその結果として、価格が上がり、消費者には重荷となっているのだ。ほかに、水素自動車の実用にはどのような困難がともなうのか。スプートニクは「アフトスタット」社の分析課長、アンドレイ・トプトゥン氏に話を聞いた。
「この種の自動車の利点は、環境にやさしいことと、高燃費だ。しかし、これとは別に、水素を手に入れ、保管し、輸送する必要がある。水素保管技術の開発のさいに解決するべき主要な問題は、2つある。安全と、利益性。ちなみに、最高度に経済的かつ効果的な水素保管方法を開発することは、自動車のみならず、水素エネルギー全体で、最も重要な技術的課題のひとつである。もうひとつ水素自動車の発展を妨げる要因となるのが、安全、保管、輸送、使用に関する統一的な基準がないことである。つまり、畑が未開墾だ、という問題があるのだ。排気ガスを全くともなわない電気自動車のほうが未来が明るいと私は思う」

寸評:
現在、価格は723万円では一般の購入者には手が届かない!〜、
安全と利益性は未だに不透明であるが、此れは先覚者の誰もが持つ悩みである。
トヨタは社運を掛けて総力を挙げて試行錯誤を重ねながらも、・・・・最終的には究極のFCV技術を確立するでしょう。
➤ ❮❮安全、保管、輸送、使用に関する統一的な基準がない❯❯・・・此れは当然でありトヨタは百も承知でFCVの分野を開拓する道に踏み入れており、何れは徐々にFCVインフラ整備を確立すると思います。勿論、国が支援する事が『成功の道!』となりますが。

開発者自ら認める最大の問題は、水素スタンドが足りないこと。この問題に取り組むために、日本の自動車製造大手三社、トヨタ、日産、ホンダが結集し、水素燃料車の発展に取り組むことにした。三社によれば、これは日本を「水素社会」とするための強力な一手である。日産の川口均・専務執行役員によれば、各メーカーは水素自動車などの製品については競争するであろうが、インフラの発展という目標に対しては協力する必要がある。補給スタンドは国の補助金を受けているが、それでもなお非常に高価で、赤字稼働である。メーカーの財政は出費の低減を目指している。各メーカーが計画している水素スタンド用の出費の総額は、およそ50-60億ドルと見積もられている。
トヨタの「ミライ」は自動車に新たな時代を開くのだろうか?トプトゥン氏は次のように語る。
「客観的な理由からも、メンタル的な理由からも、水素自動車には支持者も反対者も両方いる。現時点で、新型自動車の誕生に伴うあらゆる現象が歴然と認められる。インフラの不足や、高値もその一つだ。それに、ふつう消費者は、定評の確立している車を選ぶものだ。おそらくトヨタは商業的利益もさることながら、イメージアップを目指しているのでは。トヨタにとっては、処女地に旗を立てることが名誉なのだ。トヨタはハイブリッド車でも世界の先陣を切った。当初のモデルは完成されたものとは言い難かったが、それでも技術的基礎を築くことには成功し、その基礎をもって、いま外国や他の会社でハイブリッド車の組み立てを行っているのである。水素燃料車向けの技術が発展するかどうか、予想は難しい。しかしトヨタがこのプロジェクトに巨額の予算を割いていることは確かだ。



日本は世界に先駆けて水素社会の実現を目指している。それはエネルギー企業、自動車メーカー、政府の協力を要求するものだ。化石燃料の枯渇を危惧する声は世界の多くの国にある。とりわけ資源のとぼしい日本には重要な問題だ。また、グリーン技術は、地球温暖化防止についても重要な役割を果たす。また日本は、2020年の東京五輪の「顔」としても、クリーン燃料に期待をかけている。その一環として、完全水素モーターを擁する改良版Lexus LSの販売が目指されている。
水素車のライバルは電気自動車だ。これもメーカー、消費者を巻き込んで活発に開発がなされ、そして同様の欠点を抱えているものだ。どちらの技術が優位を占めるか。まだ分からない。しかし、環境にやさしい自動車のアクチュアリティには議論の余地がない。

寸評:

将来!〜、水素サービススタンドが現在のガソリン・スタンド並に建てられ、価格も大幅に下がると仮定して、・・・FCV技術が確立され価格の面でも、安全性の面でも、満足できるものになったら、画期的な事であり、・・・この燃料電池技術は車だけではなくて他の分野にも限りなく広がって行く事が考えられる。
家庭用として、移動用コンパクト型の発電機が開発され、消費が喚起されるでしょう!。

                                                  


ブログ管理人考:

FCV(燃料電池車)の問題点:

✦ 生産過程で発生するCO2が課題!〜、
 FCVは水素を燃やし(酸化させ)て走るため、走った後に出てくるのは水だけ。「究極のエコカー」と呼ばれるが、・・・水素を作る過程で二酸化炭素(CO2)が発生する。
水素はどうやって作るか!、水から酸素を取り除けば水素になるが、『水を水素と酸素に分解するには大きなエネルギー(電力)が必要』となる。
 水から水素を作れますが、・・・電解にかかる電力コストを加味すると、かなり割高になる為に現在、半導体の製造工程や金属の表面処理などで使う工業用水素はLPガスや石油、天然ガスといった化石燃料を分解して作る。しかし生産過程でCO2が発生し、化石燃料への依存度も低下しない欠点がある。

✦ 考えられる解決方法は大きく分けて2つ!〜、

1)『都市鉱山』の活用!・・・
 日本国内には『眠れる水素工場⇔高炉や化学プラント』が数多く存在する。
鉄鋼や化学品の製造過程で発生する排出ガスの中には大量の水素が含まれており、・・・高炉大手や化学品メーカーはこれらの一部を燃料として再利用しているが、大半は捨てられていて、その量は現在、水素工場で作られている工業用水素の100倍近いとも言われて1る。素材メーカーが排出ガスから水素を取り出して外販を始めれば、日本全体でCO2の排出量を増やさずに水素の供給量を引き上げることが可能です。

2)低品質の褐炭から水素を取り出す!・・・
火力発電所では使えない低品質の褐炭は現在、そのほとんどが使われずに放置されている。ここから水素を取り出し、液化して日本に輸入する。  水素の生産過程でCO2が発生する問題は残るが、十分な量の水素を確保するという意味では最も現実的でしょう。

✦ 燃料電池車の普及には水素ステーションの増設が欠かせない!〜



 此れは、殆どの専門家が主張している。
『究極の方法⇔洋上に水素工場を浮かべ、組み上げた海水を太陽光や風力で作った電気で分解』・・・水と太陽光、風力を使って無尽蔵に水素を作ることができる。
 コストを考えると今の時点では現実的な解決策とは言えないが、ここまで来ると水素は『電気の缶詰』になる。

拙ブログの訪問客の方々は既にご存知とは思いますが、・・・日本海、太平洋岸の日本の経済的水域(EEZ)にメタンハイグレード(凍ったメダンガス)が無尽蔵!と言われる量が海底で静かに眠っており、開発されるのを待っている。
 現時点ではご多分に漏れず、開発コストで経済性が伴わずになおざりにされてはいるが、何れ時期を見て、政府は開発着手するでしょう。

ブログ管理人の分析では、メタンガスが水素生産にもっとも向いているとの結論に達しています。
メタンガスは生産が簡単で、酪農家などが乳牛の排泄物を貯蔵し、・・・ある期間放置しておけば自然発生するので、生産コストは商業ベースにのる!との結果に行き着くと思われます。
政府はパイロット・プロジェクト立ち上げ、予算を大学に与え研究させる。
 または、トヨタが自社で可能性を追求する。トヨタの人的資源、資金を有効に使えば可能でしょう。
水素ステーションの問題が解決されれば、FCVはより「究極のエコカー」に近づく事は確実です。

 H2OをH2に分解するときに充電し、H2を燃やしてH2Oに戻す時に放電する。このサイクルを繰り返せば、・・・完全な「CO2フリー」が実現する。
 水素先進国のアイスランドでは地熱や水力で生み出した電気で水素を作り、自動車や船舶を動かす国家プロジェクトが進められているのだから、洋上水素工場もおとぎ話ではない。

✦ 燃料費はガソリン車の2倍以上!〜、

 経済性が試される価格を見ると、・・・現在、工業用水素の相場は1立方メートル当たり約150円。最新のFCVは水素1立方メートルで10キロメートル走るから、ガソリン車並みに満タンで500キロメートル走るには50立方メートル、7500円の燃料費がかかる。
 感覚的にはガソリン車とほぼ同等の燃費だが、・・・『税金や水素ステーションの設置コスト』など加味すると、2倍以上にはなる。
 水素ステーション整備は今年度でも全国で約40カ所足らずで、大都市の一部でしか設置されず。・・・3万カ所を超えるガソリンステーションに追い付くにはまだ時間がかかる。FCVを販売するディーラーが水素漏れ点検装置などの導入に1店あたり500万円以上を投じる必要があることも普及の妨げとなっている。

 政府は思い切って外国人留学生支援金の停止、ODA予算の削減、パチンコ店への課税、脱税者への追徴金の増額などを検討、・・・資金を発掘して水素ステーションの整備(助成金付与)を進めるべきです。

✦ 初代プリウスが登場したのは今から16年前!〜、
 
 当時に比べれば今の方が『消費者のエコカーへの関心は格段に高い』・・・水素インフラの整備にはかなりの時間とお金がかかるが、進む道は真っ暗闇ではなくて、明るい道筋が見えている。  あとは官民が一体となり、本気で『水素社会』を構築する取り組むかがどうか!?、成功の鍵となっているのは確かです。

参考文献:
◼︎【始動した燃料電池車 普及の鍵は「眠れる水素工場」】:





次はネット散策で発見した興味あるサイトの記事をご紹介させて頂きます
◼︎【An Inexpensive Fuel-Cell Generator】:
       technical advances could make fuel cells as cheap as grid power.

People could soon get cleaner energy from a compact fuel-cell generator in their backyards, at costs cheaper than power from the grid. At least, that’s the hope of Redox Power Systems, a startup based in Fulton, Maryland, which plans to offer a substantially cheaper fuel cell next year.


Redox is developing fuel cells that feed on natural gas, propane, or diesel. The cells, which generate electricity through electrochemical reactions rather than combustion, could allow businesses to continue operating through power outages like those caused by massive storms such as Hurricane Sandy, but they promise to be far cleaner and quieter than diesel generators. They can also provide continuous power, not just emergency backup power, so utilities could use them as distributed power sources that ease congestion on the grid, preventing blackouts and lowering the overall cost of electricity.


◼︎【低価格 燃料電池(Fuel-Cells=ヒュールセル)・発電機】:
『ヒュール・セル(fuel cells)』の技術的な進歩は、グリッド電源(高圧線配電)と同様な生産コストで発電が可能となる。

間もなく!〜クリーンで高圧配電よりも低い価格で発電できる『小型・燃料電池・発電機(コンパクト・ヒュールセル・ジェネレーター)』が、購入した人々の裏庭に設置されるかも知れません。 
少なくともこれは、 Redox Power Systems(レドックス・パワー・システム、フルトン・メリーランド州で設立され設立)』が抱いている将来の展望(低価格の燃料電池を市場に送り出す)です。

『Redox Power Systems』が開発中の『ヒュール・セル⇔燃料電池』は天然ガス、プロパンガス、またはデーゼルから取り出した水素を、燃焼ではなくて、電気化学反応で発電する。台風、大型ハリケーンなどの異常天候で齎される停電の際にも稼働し、且つデーゼル発電機よりは遥かに静かでクリーンなエネルギーが得られる。
 連続的な電力だけでなく、緊急時のバックアップ電源を供給する事が可能な特性は公共事業として、高圧配電電力の過剰消費でから誘発される停電などを防止する分散型の電力となり、電力料金も低く抑えられる。

 トヨタのFCV技術が確立され、安全性、経済性も満足の域に達すれば!〜、
此の技術が他分野に転用されて、新しい商品が生まれる可能性が限りなく高い。
またトヨタFCV其のものが、発電機に成る。此れは車が停止ている状態でコンバーターを外部から接続して電線をつなぐだけでいつでも何処でも電力が供給できる。
 例えばSUV で野外キャンプの際に電気で料理、ヒーターなどに利用できる。
更に、辺鄙な場所に別荘を建てても配電の心配がなく、ポータブル燃料電池があれば電気が使える、電信柱も必要なく環境、景観破壊の心配がない。結構尽くめとなるでしょう。

即ちトヨタFCVミライは!〜日本国のミライと言っても決して過言ではない!とブログ管理人は大きな!、大きな!期待を抱いています。

次世代の車は!〜、
EV(電気自動車)か!?・・・
FCV(燃料電池車)か!?・・・
時代が判断を下すでしょう。



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