2016年1月9日土曜日

『日露首脳会談』は実現するか!?・・・

なぜ今、日露首脳会談? 実現に意欲の安倍首相、大局的な狙いを海外メディアが考察
NewSphere(2016年1月8日)

 安倍首相は4日の年頭記者会見で、北方領土問題解決のためには日露首脳会談が必要だという認識を示した。この発言を受け、海外メディアは北方領土問題の今後の進展について考察している。

◆いまだに棚上げの日露平和条約
 1952年発効のサンフランシスコ平和条約により、日本と連合国諸国の戦争状態は終了したが、日本とロシア(当時はソ連)の間で平和条約は結ばれなかった。1956年の日ソ共同宣言により、戦争状態の終結、国交回復は実現したが、日本が北方領土と呼ぶ、国後、択捉、歯舞、色丹の4島を巡る領土問題で行き詰ったため、平和条約は棚上げとなり、締結後に歯舞、色丹を返還することを共同宣言に盛り込むことで終わった。

 テンプル大学日本キャンパスの国際関係の専門家、ジェームス・D・J・ブラウン氏によれば、北方領土は当時のソ連が第二次世界大戦の結果として合法的に占領したものというのが、ロシア側の見解だ。これに対し日本側は、終戦間際に「日和見的に」参戦したソ連が、すでに敗戦していた日本から奪った領土だと主張。平和条約締結に際し、善意で2島返還を行うというロシアの提案では不十分とした日本が、4島返還を求め続け、進展がなかったと同氏は説明している。ドイチェ・ヴェレ、以下DW

※ブログ管理人註:ドイチェ・ヴェレ、以下DW

ドイチェ・ヴェレ(ドイツ語:Deutsche Welle)は、ドイツ連邦共和国の国際放送事業体である。ラジオ、テレビ、インターネットでサービス提供を行っている。ラジオは29の言語でサービスを展開している。

◆北方領土返還は困難
 カーネギー国際平和財団のジェームス・ショフ氏は、日露両国の首脳の政治的リーダーシップが安定している今が、問題解決の時だと安倍首相は見ていると説明。しかしそのかじ取りは難しいと述べる(DW)。

 米ウェブ誌『Vice』 の編集者、ライアン・フェイス氏によれば、オホーツク海は、ロシアの原子力潜水艦にとっては軍事上の要所であり、北方領土を含む千島列島は太平洋との境界に位置するため、敵の侵入を困難にする天然の要塞となっている。そのため北方4島返還という選択肢はロシアにはないが、国後、択捉を保持し、その東側にはみ出した歯舞、色丹を返還すればオホーツク海の支配は保てるため、平和条約締結と引き換えに、ロシアはそこまでは譲歩すると同氏はみている。しかし、問題は一貫して4島返還を求める日本のナショナリストたちで、ロシア側の譲歩は受け入れられないだろうと述べている。

 また、『Observer Research Foundation』の研究員、ヴィンドゥ・マイ・チョタニ氏は、日露両国のナショナリズムが、解決を妨げると指摘。北方領土で譲歩することは、安倍首相にとって国内で面目を失うことになり、さらには尖閣、竹島問題にも影響すると述べる。また、ウクライナ問題やその制裁に直面するプーチン大統領にとってナショナリズムの維持は必要不可欠であり、穏やかとは言え日本がロシアに制裁を課している間は、日本との交渉はないだろうと述べている(DW)。

 テンプル大のブラウン氏は、ロシアは第二次大戦の戦利品である領土を手放すことはない、日本はもはやかつてのような強い経済力を持っていないとロシアは見ている、日本はアメリカの「厳しい管理下」に置かれているとロシアは思っている、すでに北方領土には多くのロシア人が定住している、という4つの理由から、日本の誘いにロシアは乗らないと見ている(DW)。

◆安倍首相の狙いは?
 このような厳しい状況にも関わらず、海外メディアは、なぜ今安倍首相が日露首脳会談を求めるのかに注目している。ブラウン氏は、安倍首相の狙いは、領土問題解決もあるが、間違いなくロシアを中国から遠ざけることだと述べ、緊密な中露関係こそが、中国を脅威とする日本にとっては障害になるとしている。そのため安倍首相は、できるだけプーチン大統領と会い、個人的信頼を築こうとしてきたと述べている(DW)。

『Vice』のフェイス氏は、本格的な戦争の際に、日本にとって北方で中露の両海軍と戦うことは困難だとし、ロシアと協力、または少なくともむき出しの敵意を避けることで、戦略的によいポジションを築くことが出来ると指摘する。日本にとって、ロシアと交渉を続けることは、有事の際の切り札にもなり、当座のコミュニケーションの窓を開いておくための言い訳にもなると述べている。

 一方APは、領土問題への安倍首相の言及は、7月の参院選対策の一環だと見る。経済回復のペースは遅く、インフレターゲット、賃金、消費とも低迷中だが、これまで安倍首相は外交面では大きな成果を見せており、選挙を前に外交で点を稼いで支持を集めるのが狙いだと読んでいる。


                                                  


ブログ管理人考:

◼︎【いまだに棚上げの日露平和条約】:

ジェームス・D・ブラウン
(James D. J. Brown)
 Temple University Japan, International Affairs, Faculty Member  
日本テンプル大学

国際情勢学部教授(日本外交政策)


スコットランド、エディンバラ出身。東京に居住してから3年以上になる。現在テンプル大学日本キャンパス、政治学科の准教授。ヨーク大学で学士号を取得した後、エディンバラ大学とアベルディン大学で修士号を取得。グラスゴー大学でロシア語専攻の大学院プログラムを修了後、アベルディン大学より国際交流専攻の博士号を取得。専門は日露関係、日本の外交政策と国際エネルギー政策である。これまでにInternational Politics, Politics, Asia Policy, Post-Soviet Affairs等のジャーナルに研究を発表してきた。現在は、今日の『日露関係についての著作』を執筆中である。

【Will Japan and Russia finally resolve their territorial dispute?】



➤ ❮❮平和条約締結に際し、善意で2島返還を行うというロシアの提案では不十分とした日本が、4島返還を求め続け、進展がなかった!/(1)ロシアは第二次大戦の戦利品である領土を手放すことはない、(2)日本はもはやかつてのような強い経済力を持っていないとロシアは見ている、(3)日本はアメリカの「厳しい管理下」に置かれているとロシアは思っている、(4)すでに北方領土には多くのロシア人が定住している、此等の4つの理由で、日本の誘いにロシアは乗らないと見ている❯❯・・・

いやはや!〜、不法に火事場泥棒的に強奪した物を、然も全部では無くて半分を返すのを『善意!』と言う神経に吃驚です。来日して3年間、日本テンプル大学で教鞭を振るって居るが、神経ががさつである事が記事の中で述べている表現で明白である。
ロシア側の見地からの北方領土問題に対して学徒に押し付けている可能性が高い!と思われる。
ロシアが欧米日の制裁や原油価格の大暴落で深刻な経済沈滞に陥って居ることは明らかであり、日本の経済力は嘗ての勢いが無いとは言え、・・・まだ世界第三位の経済規模は維持している。日本の技術力と資金力は健在です。にも拘らず『テンプル大学教授・ブラウン氏』は日露首脳会談では何らの成果を齎さない!と予想している。
日本に3年間も住んでいて何も学んでは居ないようです。


【日ソ国交回復の経緯】:

 朝鮮戦争の勃発を受けて、急遽進展した日本と連合国との講和会議の結果、1951年のサンフランシスコ平和条約が締結されたが、ソ連は同条約に参加せず、日本とは法的には戦争状態が継続する状態であった。日本では1955年に55年体制が始まり、保守合同して成立した自由民主党の鳩山一郎内閣が従来の吉田茂自由党内閣の親米一本槍外交に代わって日ソ国交回復を掲げ、ソ連では1956年2月にフルシチョフによるスターリン批判が行われて平和共存路線に転換が図られる日ソ交渉が行われることとなった。

【日ソ共同宣言】:

✦ 日ソ両国は戦争状態を終結し、外交関係を回復する。(サンフランシスコ条約で為し得なかった講和の成立)
✦ 日ソ両国はそれぞれの自衛権を尊重し、相互不干渉を確認する。
 ソ連は日本の国際連合加盟を支持する。
 ソ連は戦争犯罪容疑で有罪を宣告された日本人を釈放し、日本に帰還させる。
✦ ソ連は日本国に対し一切の賠償請求権を放棄する。
 日ソ両国は通商関係の交渉を開始する。(同日に通商航海条約を締結)
 日ソ両国は漁業分野での協力を行う。
 日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す。

1956年、平和共存の情勢下で実現した。しかし、平和条約には至らず領土問題は課題として残った。

 1956年10月、モスクワで調印された日本とソ連の戦争終結・国交回復の宣言。日本側代表は鳩山一郎・河野一郎ら、ソ連側はブルガーニン首相・フルシチョフ第一書記が署名した。双方が戦争終結を確認し、国交関係を樹立することをうたったが、平和条約には至らなかった。それは択促・国後・歯舞・色丹の北方領土問題が解決されず残ったからであり、「平和条約締結に関する交渉を継続する」という表現に留まった。しかしソ連は、この宣言の第9条で、平和条約締結後に歯舞・色丹については日本側に「引き渡す」ことを約束している。

【日ソ国交回復の影響と課題】:


 また、日ソ間の戦争状態が終結したことは、それまでソ連の拒否権行使で実現してこなかった懸案の日本の国際連合加盟を実現させることとなった。しかし北方4島をめぐる北方領土問題では交渉が難航し、国交回復はできたが領土問題については棚上げで終わったため、現在に至る課題を残したと言える。

◼︎【北方領土返還は困難】:


ジェームス・ショフJames L. Schoff):
SENIOR ASSOCIATE
Schoff is a senior associate in the Carnegie Asia Program. His research focuses on U.S.-Japanese relations and regional engagement, Japanese politics and security, and the private sector’s role in Japanese policymaking.


 James Schoff 国防総省上級顧問、外交政策分析研究所アジア太平洋研究部ディレクターなどを歴任。専門は日米関係、日本政治、安全保障。49歳。

➤ ❮❮カーネギー国際平和財団のジェームス・ショフ氏は、日露両国の首脳の政治的リーダーシップが安定している今が、問題解決の時だと安倍首相は見ていると説明。しかしそのかじ取りは難しいと述べる❯❯・・・

 舵取りが難しく更に北方領土問題の解決は困難なのは!〜、過去の経緯を鑑みれば当然である。 真の問題解決を図るなら、日本政府は重大な決意を、即ち日米関係をロシアが安心出来るようなものしなければならない事は子供でも分かる事です。
 米国オバマ大統領の感情丸出しのロシアに対しての敵意(オバマの対プーチン劣等感)が燃え盛っている現今では、日露首脳会談は例え和気藹々!、円滑にいったとしても、北方領土4島返還は無いことは容易に想像できる。
 ロシアから眺めれば日本は未だに米国の被占領国であり、米国の意向で対ロシア制裁を唯々諾々と課している。 詰まり『真の独立主権国家に成らなければ、北方領土問題は永久に解決されない!』がブログ管理人の独善的な見解です.


➤ ❮❮米ウェブ誌『Vice』 の編集者、ライアン・フェイス氏によれば、オホーツク海は、ロシアの原子力潜水艦にとっては軍事上の要所であり、北方領土を含む千島列島は太平洋との境界に位置するため、敵の侵入を困難にする天然の要塞となっている!〜国後、択捉を保持し、その東側にはみ出した歯舞、色丹を返還すればオホーツク海の支配は保てるため、平和条約締結と引き換えに、ロシアはそこまでは譲歩すると同氏はみている❯❯・・・

 歯舞、色丹【日ソ共同宣言】の際にロシアが返還すると表明しており、・・・此れを日本政府が4島全ての返還に固執した為に平和条約が結ばれなった経緯がある・
その後、長年間に亘り領土問題は棚上げにされてきた手前、・・・今更、62年前の提示を飲むわけには行かず、何らかの色を着けなければ安倍総理の面目が立たないでしょう。
この辺の調整がプーチンと安倍総理の力量にかかっている。

➤ ❮❮『Observer Research Foundation』の研究員、ヴィンドゥ・マイ・チョタニ氏は、日露両国のナショナリズムが、解決を妨げると指摘。北方領土で譲歩することは、安倍首相にとって国内で面目を失うことになり、さらには尖閣、竹島問題にも影響すると述べる。また、ウクライナ問題やその制裁に直面するプーチン大統領にとってナショナリズムの維持は必要不可欠であり、穏やかとは言え日本がロシアに制裁を課している間は、日本との交渉はないだろうと述べている❯❯・・・

 日本とロシアのナショナリズが障害になると!〜、なぜ簡単に片付ける。
 ナショナリズではなくロシアは国益、日本は『主権・尊厳』が懸かっており、此れを何故にナショナリズムと表現するのか!?。
 ヴィンドゥ・マイ・チョタニ氏の指摘!〜、『穏やかとは言え日本がロシアに制裁を課している間は、日本との交渉はないだろうと述べている』は日ロ首脳会談が行われる事で既に分析が間違っている事が露呈された。
 日露首脳会談は即ち交渉であり、北方領土問題が遡上に載ることは間違いないでしょう。交渉の成否は別問題となる。

◼︎【安倍首相の狙いは?】:

➤ ❮❮ブラウン氏は、安倍首相の狙いは、領土問題解決もあるが、間違いなくロシアを中国から遠ざけることだと述べ、緊密な中露関係こそが、中国を脅威とする日本にとっては障害になるとしている。そのため安倍首相は、できるだけプーチン大統領と会い、個人的信頼を築こうとしてきたと述べている❯❯・・・

 此の指摘は鋭く正鵠を射ており、ブログ管理人の見解と一致しています。
安倍総理が余りプーチンと親密になると!〜、米大統領オバマの劣等感が焼き餅となり、安倍総理に難題をふっかけてくるのが目に見えています。
 安倍総理はオバマの任期が切れるまではオバマの自尊心を擽りながら、・・・プーチンと秘密取引をして、北方領土問題は解決の兆しを演出するだけで良いのです。
 派手な兆しではなくて仄かな期待が持てる程度で良いのです。これだけでも前進となり参院選で有利な戦いを展開する事が可能となるでしょう。



 安倍首相は4日の年頭記者会見で、北方領土問題解決のためには日露首脳会談が必要だという認識を示した・・・

此の前哨戦と言える!〜


◼︎【自民党 高村氏のモスクワ訪問に関する報道を認める】:
 http://jp.sputniknews.com/politics/20160108/1410768.html#ixzz3wfaSPdVH


➤ ❮❮自民党の高村副総裁の事務所は、高村氏がモスクワを訪問し、ロシア下院(国家会議)のナルィシキン議長およびラヴロフ外相と会談する予定だとする報道が確かであることを、リア・ノーヴォスチ通信に認めた❯❯・・・

元外務大臣で高村正彦自民党副総裁のロシア訪問が決定されたが、此れは安倍総理とプーチン大統領の日露首脳会談のお膳立てであるのは間違いなしでしょう。
 高村正彦副総裁はプーチン大統領宛の安倍首相からの親書を携得ているのは確実で、・・・おそらく、ロシア外相との会談して日露首脳会談の日程などを協議する可能性が非常に高い。

もし!〜、日露首脳会談が実現したら、此れは国際社会、特に、EU、支那、米国の政界に激震が起こる事は確実です。
最も顔を青ざめるのは習近平とオバマ大統領で有ることは間違いなし!・・・

EUは米国オバマ大統領に押し付けられた対ロシア制裁を解除したくてウズウズしており、・・・日露首脳会談が引き金となり、制裁を解除する事が予想されます。

米オバマ大統領が日露首脳会談を妨害する可能性が非常に高く、安倍総理がオバマの要求(会談断念!)を跳ね除ける事ができるか!?。
出来たら!〜、日本にとっては、例え北方領土問題が進展しなくてもオバマの毒牙を跳返した事になり、安倍総理は一段と高い次元に日本国を引き上げる事に成功した事になります。

高村正彦副総裁が朗報を持って帰る事を、ブログ管理人は心待ちにしています。


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