11月1日午前、フジテレビがあるスクープを放った。
「旅行補助金やクーポンなどがもらえる『全国旅行支援』を受ける条件として、政府は2023年1月以降、オミクロン株対応のワクチン接種を必須にすることを検討している、と報じました。ワクチン接種率が伸び悩んでいることが背景にあります」(政治部記者)
しかし同日午後6時、岸田文雄首相らとの面会を終えた斉藤鉄夫国土交通相は、記者団の前でこう語った。
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「政府として、そういうことは考えていないということを確認してきたところです」
フジテレビのスクープを完全否定してみせたわけだが、ある内閣官房関係者は語る。
「じつは斉藤氏は、フジの報道どおり、オミクロン株対応ワクチン接種を旅行支援の条件にするつもりで、首相のもとを訪れていたのです。
しかし首相は『世論の反発が大きいだろう。ワクチンを強制したら支持率が下がるからダメだ』と案を一蹴しました。斉藤氏は、事前に木原誠二官房副長官にも相談し、了解を得ていたのですが……」
安倍晋三元首相の国葬開催以降、岸田首相の決断に、多くの国民から怒りの声が上がっている。そのひとつが、旧統一教会との関係を問われて10月24日に辞任した山際大志郎・前経済再生担当相が、その4日後に自民党の新型コロナ対策本部長に就任したことだ。山際氏が要職に返り咲いた理由を、自民党岸田派の議員が語る。
「予算委員会で、山際さんは旧統一教会との関係について集中砲火を浴びましたが、逆にこれが事実上、岸田さんの“盾”になったんです。岸田さんの答弁で批判されたのは、旧統一教会の解散請求要件に民法上の不法行為が含まれるかについて、一夜にして法解釈を変えたときくらい。その“恩”があって、山際さんをコロナ対策本部長に据えたんですよ」
政治部デスクはこう語る。
「この人事案を強く求めたのは、山際氏の後見人である甘利明前幹事長と麻生太郎副総裁だと聞いています」
また、山際氏の大臣辞任をめぐっては、これまで岸田首相の“唯一の相談相手”といわれてきた木原官房副長官との間に“スキマ風”が吹いていることもわかってきた。
「10月25日、山際氏の後任として、後藤茂之氏が経済再生相に選任されました。しかし後藤氏は、同じ日に国会の裁判官訴追委員会の委員にも就任したのです。
三権分立の原則から、閣僚が国会のポストに同時に就くことはありえません。この“珍事”の原因は、木原氏が党への根回しをできていなかったことです。岸田首相には苦情がいたるところから入り、木原氏に疑念を持っています。
木原氏は、首相の息子の翔太郎氏が秘書官になるということすら知らされていませんでした。首相の信頼を失いつつある状態なのです」(前出・内閣官房関係者)
岸田政権の空回りは続く。
10月28日、政府は総合経済対策を閣議決定し、その柱として電気、ガス料金の負担軽減策を盛り込んだのだが……。前出の政治部デスクが語る。
「当初、岸田首相は『電力会社への補助金ではなく、家計を直接支援する』と強調していましたが、財務省は『それはできない』と、結局は小売業者へ補助金を支給する形になりました。財源は、多くを赤字国債で賄う見通しです」
そんな補助金バラ撒きの裏で、国民の負担増は止まらない。10月15日には共同通信が、国民年金の保険料納付期間を現行の「59歳まで」から5年間延長する検討に入ったと報じた。
20日の政府の有識者会議では、防衛費の増額について「国民全体で広く薄く負担する」という意見が出た。さらに26日、政府税制調査会では「消費税を住民の負担感覚なく引き上げていくことが重要」との声も出ているのだ。
安倍派の議員が明かす。
「岸田さんは首相になるためだけに、この数年を耐え続けた。安倍さんは、よく『岸田さんは怖い人だよ。自分にも他人にも、痛みを感じない。落胆もしないから、絶対に諦めない』と、周囲に話していました」
岸田首相が、無自覚に発揮する国民を“怒らせる力”。では冒頭に登場した、面会の趣旨を岸田首相の意向で真逆に説明する羽目になった斉藤国交相は何を思うのか。事務所に胸の内を問い合わせると、以下の回答があった。
「全国旅行支援の利用条件として、オミクロン株対応ワクチン接種を『要件化する』との報道がされたことを受け、国交省として、要件化しない旨を総理に説明し、総理もその方針を了とされたものです」
だが、本誌が入手した岸田首相への説明内容を記した資料には、「支援要件を、来年1月から『オミクロン株対応ワクチン』を接種していることへ変更」と明記されている。
ここにもまた、スキマ風がピュ~。
岸田首相!と各閣僚!国民の間には!〜、
特大の冷たい隙間風が荒れ狂っている!・・・
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