2014年9月7日日曜日

火に油を注ぐNATO首脳会談⇒ロシアとの開戦も辞さずの姿勢を誇示!・・・


NATOをロシアの国境へ近づかせたウクライナ


© Photo: REUTERS/Larry Downing

  北大西洋条約機構(NATO)は15-26日、ウクライナで軍事演習「ラピッド・ トライデント」を行う。これに関する決定は、英ウェールズで4日に開幕したNATO首脳会議で発表された。NATOに加盟する15カ国がロシアの隣国ウクライナ領内へ入る。

  NATOの「準備行動計画」によると、東欧諸国にさらに約4000人の即応部隊を配置し、緊急展開部隊を強化する見込み。またNATOの地上基地を5ヶ所に設置する計画もある。NATOには、エストニアで航空部隊を拡大する意向もあるほか、黒海にはすでに米国の駆逐艦3隻が入っている。軍事専門家のヴィクトル・バラネツ氏は、これらの行動について、対立の強化を目的としたものであり、ロシアの安全保障への脅威を著しく高めているため、ロシアの報復措置を招かざるを得ないとの考えを表し、次のように語っている。
   「NATOは、ロシアがNATOにとって有利な行動を取るように、全面的な圧力を加えようとしている。NATOにとって有益なことの一つは、ウクライナがロシアではなく、NATOのシナリオに従って発展するために、ロシアがこれ以上ウクライナの発展にいかなる影響も与えないことだ。これら全てには、狡猾さ、偽善、嘘、そして挑発がたくさん存在している。今、地球規模の歴史的問題の解決に取り組まれている。世界は一極体制であってはならない。NATOは、自分たちのグローバルな優位性を主張し、ロシアが多極世界の一極になることを妨げるためにウクライナを利用している。」
  NATO首脳会議は、米国と欧州とロシアとの関係を明らかに悪化させた。同時に首脳会議では、ウクライナへの支援と軍事面での援助が約束された。これはウクライナの内戦の火に油を注ぐだけだ。なぜならNATOは今まで常に、軍事紛争当事者の一方に軍事支援を行うことに断固として反対していたからだ。加えてNATOがウクライナのポロシェンコ大統領に約束した軍事支援や資金援助は、ウクライナ南部・東部の義勇軍によって、ウクライナ政府による東部の軍事作戦を直接奨励するものとして受け取られ、義勇軍が、ウクライナ危機の沈静化を開始すると発表したポロシェンコ大統領の発言の真意に疑いを持つ可能性もある。
    ポロシェンコ大統領は、5日に停戦を命じると発表した。もしウクライナ軍が実際にウクライナ東部の町への砲撃を停止した場合、義勇軍側も 停戦に応じる用意がある。流血を止めるチャンスはある。しかし、NATOは首脳会議でウクライナへの軍事支援を約束した。これが戦いを支持するキエフの勢力を奮い立たせ、ウクライナ危機の沈静化プロセスを台無しにする恐れもある。

ロシアの声 (2014 年9 月5日)

http://japanese.ruvr.ru/2014_09_05/276909678/

                                            

筆者考:

◼︎【15-26日、ウクライナで軍事演習 「ラピッド・ トライデント」の遂行の為にNATO15カ国が今やロシアの敵国となったウクライナ領内に入る!】:

➤ 終にキエフ・ウクライナ政府に引きずり込まれたNATO15カ国!・・・

➤ NATO15カ国のGDPの2%の軍事予算の枠内ウクライナへの武器支援の為に20%を回す事を約束!・・・
BBCワールドニュース発

筆者註: ラピッド・ トライデント(Rapid Trident-2014)

➤ 9月15日から26日までウクライナ西部リヴォフ(リヴィウ)州のヤヴォリフスキイ演習場で、実施される軍事演習!・・・。
➤ ウクライナ、グルジア、ドイツ、英国、ラトヴィア、リトアニア、ポーランド、スペイン、米国など15カ国の軍人およそ1300人が参加する!・・・
➤   米国は、この演習にイタリアに駐留する第173歩兵師団の軍人200人を派遣する見込!・・・。

筆者が住んでいるカナダは『ラピッド・ トライデント軍事演習』に参加しなかった事には、筆者はほっと!としています。

英ウェールズで4日に開幕したNATO首脳会議では「開催国・英国のキャメロン首相」の独壇場で、好戦的な演説は、『既にNATO諸国はロシアと交戦しているのでは?』と錯覚する程でした。
 キャメロン首相は “英国単独でも数千人規模の軍隊を派遣する!”とまでに、息巻いていました。一瞬!、数世紀前に世界を席巻した『アングロサクソン・大英帝国』の偉容を彷彿させるのには十分なパフォーマンスと筆者の目には映りました。

 ウクライナはNATOには正式に加盟しておらず、非同盟国にこれほどまでに入れあげるのは、矢張り『NATO軍事費』の70%を負担している米国の圧力があったのと洞察できる。尤も米国は負担を軽減する交渉を続けており、此の結果が今回の英国のカメロン首相の声明と密接に繋がっている事は容易に推測できる。

NATO首脳会議の対ロシア強硬姿勢は政治的な駆け引きである事は間違いなく、ロシアが譲歩してウクライナへの干渉(親ロシア義勇軍への支援停止、兵器の供与)を一切停止する事を視野(望んでいる)に置いているのでしょうが、・・・果たしてロシアが簡単に譲歩するか?は甚だ疑問です。
キエフ・ウクライナ政府がNATOに掌握されると、・・・今までバッファーゾーン(緩衝地帯)として、直接NATO軍との対峙は避けられて来たのが、緩衝地帯は消滅して、今度は直接NATO軍との摩擦が起きる事は容易に想定出来る。此れはロシアに取っては死活問題となる!。事態の変化に依っては一触即発となり、危険な紛争が勃発する可能性は限りなく高い。

一応ロシアは譲歩した姿勢をしているが!・・・
⇓   ⇓   ⇓   
【停戦合意 ウクライナ応戦困難、受け入れ】:
2014.9.6 12:59
 【モスクワ=佐々木正明、ニューヨーク=黒沢潤】ウクライナのポロシェンコ政権にとって、親ロシア派武装勢力との停戦合意は、崩壊寸前の国内経済を回復基調に乗せる上で不可欠な条件だった。国内でも一定の評価の声が上がっているが、親露派は支配領域の「特別な地位」を要求しており、どこまで要求に応じるかが今後の焦点となりそうだ。

 ウクライナ国防当局によると、東部の親露派は8月下旬からのロシア軍の増派を受け、支配領域を拡大している。

 ウクライナの国連大使は4日、露軍部隊戦車4両などがアゾフ海沿いのマリウポリに向け移動したのを確認したと指摘した。軍事筋によると、政府軍は4月からの戦闘ですでに大きな被害を受けており、勢いを回復した親露派への応戦は困難で、ポロシェンコ政権にとっても停戦受け入れは待ったなしの状況にあった。

 停戦はまた、10月26日に予定されるウクライナ最高会議(議会)選挙を安全に実施する上でも意義がある。11月には東部の復興に向けた国際会議も予定されているが、親露派がどう出るかは予断を許さず、双方の交渉は曲折も予想される

⇓   ⇓    ⇓

【OSCE、ウクライナ危機解決と欧州の安定奪還はロシアぬきでは無理】:

  ウクライナの危機を解決し、欧州に安定を取り戻すことはロシアの参加なしにはありえない。欧州安全保障協力機構の議長を務めるスイスのブルカルテール大統領は、5日、ウェールズで開催のNATOサミットで演説した中で確信を込めてこう語った。

  ブルカルテール大統領は、違憲の相違を克服するため、対話と協力の可能性の空間を残す必要性を主張し、単にロシアを孤立させることでは問題は何一つ解決せず、欧州およびそれ以外の諸国に新たな問題を呼ぶだけだと指摘した。 タス通信(2014年9 月5日)


英ウェールズで4日に開幕したNATO(北大西洋条約機⇔加盟国28首脳会議で見せた各国の首脳の好戦的な姿勢の中でOSCE(欧州安全保障協力機構⇔加盟国57)の議長を務めるスイスのブルカルテール大統領は!、・・・

✦ ❝ウクライナの危機を解決し、欧州に安定を取り戻すことはロシアの参加なしにはありえない!と確信を持って言明した。
スイスのブルカルテール大統領の言葉はキラキラ!と眩いばかりに輝いています!・・・。

流石は日頃から国の安全保障を最優先としてしているスイスの大統領で、…第二次世界大戦中は再三に亘るナチス・ドイツの侵略を跳ね退けた、加えて今も尚冊子『民間防衛』冊子を全家庭に配布して防衛意識を高めている国のスイスの最高指導者らしい風格の有る言葉です。言葉の重みはキャメロン英首相や米国オバマ大統領などを色褪せて見窄らしく映し出す。


➤ OSCE(欧州安全保障協力機構⇔加盟国57)・・・


➤ NATO(北大西洋条約機⇔加盟国28)・・・

OSCE の方がNATOよりも加盟国が多く地形的にも欧州全域を網羅しているだけに大局的な視点を備えているOSCE(欧州安全保障協力機構)の議長を務めるスイスのブルカルテール大統領です。
此のバランスの取れたブルカルテール大統領と比して、米国大統領オバマを眺めると!・・・ 
【オバマ氏はウクライナのポロシェンコ大統領から合意内容の概略について説明を受けたとしたうえで、その合意は履行に時間がかかるだろうと述べた。
オバマ大統領はさらに「この段階で停戦協定ができた唯一の理由は、既に実施された制裁と追加制裁の危険性があったからだ。制裁はロシア経済に実質的な影響を与える一方、久しくなかったほどロシアを孤立させている」と述べた
『ウオールストリート・ジャーナル(2014年9月6日)』

恰も米国主導で為された対ロシア制裁の効果でロシアを孤立化に追い遣っている!ガキの如く誇らしげに胸を張っている世紀の無能大統領のオバマ!・・・。

ウクライナ問題はロシアの死活問題であり、簡単にはロシアは譲歩はしません。
9月15日から26日までウクライナ西部リヴォフ(リヴィウ)州のヤヴォリフスキイ演習場で、実施される軍事演習『ラピッド・ トライデント(Rapid Trident-2014⟹ウクライナ、グルジア、ドイツ、英国、ラトヴィア、リトアニア、ポーランド、スペイン、米国など15カ国の軍人およそ1300人が参加するの結果次第ではロシア・プーチン大統領は重大な決意を米国やEU諸国に示すでしょう。

ウクライナが米国、EUの傀儡政権になったら、ロシアに取っては『喉元に突き刺さる刺!』となるは必至であり!、・・・これは半世紀前(52年前)にキューバ危機で米国がケネディ大統領がロシア大統領のフルシチョフ(当時)に示した『開戦も辞さず!の海上封鎖』で、ロシアの貨物船団(核ミサイルを搬送)阻止したのと同じ状況になり、プーチンにはケネディ大統領(当時)の決断と同様な選択肢しか残されてはいません。

いつの世も、洋の東西を問わずして、歴史に疎く判断力が欠如している人物が最高権力者になると、世の中が乱れ世界的規模の紛争が勃発するは歴史の常といえるでしょう。
日本の悲劇は『無能の衣!』を纏い国際社会を闊歩する米大統領オバマの掌から抜け出す事は出来ずに常に振り回される事です。暗澹たる思いです。