ブルームバーグがこの件に詳しい関係者の
キャノピー(操縦席(コックピット)を覆う透明な窓や覆い)は!〜、
参考文献:
■【World’s Largest Fighter Program Suffers Major Setback as China Obtains Key F-35 Stealth Airframe Parts for Study】:
https://militarywatchmagazine.com/article/f35-major-setback-china-key-parts-stealth-study
はい。この件は2026年9月に明らかになった、かなり異例のF-35部品輸送問題です。調べると、ご質問の「なぜ中国当局が他国の貨物を持っていけるのか?」には、少し注意が必要です。
まず結論
- 貨物船ではなく、航空輸送だったと報じられています。
- オーストラリアから米国へ送られていたF-35Aの部品が、途中で韓国を経由して香港へ予期せず変更されたとされています。
- 輸送業者は UPS だったとの報道があります。
- 部品は、F-35のコックピット・キャノピーと兵器庫ドア(weapons-bay door)。
- その後、Bloombergなどが「中国政府が部品を取得した」と報じていますが、米国防総省は中国政府が取得したことを公式には確認していません。
では、なぜ中国側が「撤収」できたのか?
ここが重要です。
「中国政府が香港に到着した外国貨物を合法的に自由に接収できる」という意味ではありません。
香港は中国の一部ですが、香港には独自の税関・港湾・法執行制度があります。そのため、通常なら外国企業の貨物が香港に誤って到着したからといって、中国政府が勝手に持っていく、という単純な仕組みではありません。
今回の報道で問題になっているのは、
なぜ米国向けの軍事関連貨物が、そもそも香港に送られ、そこで誰が貨物を取り扱い、その後どういう経緯で中国側の管理下に入ったのか
という点です。
現時点では、「中国当局が香港で強制的に押収した」のか、「輸送業者・税関などを通じて中国側の管理下に入った」のか、その具体的な経緯は公表されていません。 Bloombergは「中国政府が取得した」と報じていますが、香港政府は個別案件についてコメントしておらず、中国外務省も「その状況を把握していない」としています。
つまり、
「中国が外国の軍用部品を堂々と合法的に没収した」
と現段階で断定するのは早いです。
そして「なぜ香港へ行ったのか」が最大の謎
報道によると、この部品はオーストラリアから米国へ送られていました。
途中、
オーストラリア →(航空輸送)→ 韓国 → 香港
という経路になったとされています。
しかも、本来の目的地は米国でした。
さらに、部品は「故障・使用不能(unserviceable)」とされ、検査、修理または廃棄のため米国へ戻されるところだったとされています。
米国防総省のF-35 Joint Program Officeも、
“a shipment issue of unserviceable F-35 Lightning II components”
と認め、現在、米当局・企業とともに部品の回収、原因調査、再発防止策を進めているとしています。
「貨物船ではない」と考えてよい理由
Bloombergの報道では明確に、
UPS was shipping
とされ、韓国から香港へ「routed」されたと報じられています。
したがって、現在出ている情報では航空貨物と考えるのが自然です。
ただし、ここにも一つ注意があります。
一部報道では「輸送手段の詳細は当初不明」とされていました。その後BloombergがUPSによる輸送と報じています。したがって、私は現時点では、
「UPSによる航空輸送だったとBloombergが報じている」
と表現するのが一番正確だと思います。
さらに興味深いのは「キャノピー」です
この事件が単なる「紛失貨物」では済まない理由がここにあります。
F-35のキャノピーには、ステルス性に関係する**レーダー吸収材料(radar-absorbing material)**が使われています。兵器庫ドアにもステルス設計上の技術が関係しています。
ただし、オーストラリアのマルレス国防相は、今回の部品について**「sensitive equipment」や「sensitive parts」ではないとの認識を示しています。またLockheed Martin側も、問題の部品は使用不能で、「low risk for exploitation」**としています。
したがって現段階では、
「中国がF-35の秘密技術を入手した」
とは言えません。
一方で、
「なぜ米国行きのF-35部品が、なぜか香港へ方向転換し、その後中国側の管理下に入ったのか」
という点については、米国防総省・米議会が調査している、というのが現在確認できる事実です。
この事件、実は**「中国がF-35の部品を盗んだ事件」なのか、「F-35国際物流システムの重大な事故」なのか、それとも第三の事情なのかがまだ分かっていない**のです。
もしよろしければ次に、**「なぜUPSの貨物が韓国から香港へ変更されたのか」「誰が配送先変更を指示できたのか」「CEVA Logisticsという会社が関係しているという報道は本当なのか」**まで掘り下げると、かなり面白いところが見えてきます。