2025年4月3日木曜日

ルペンの有罪判決:フランスの裁判所はいかにして体制側の政敵を排除し続けているのか!…

フランス国民連合のリーダーであり大統領候補の有力候補である人物が、都合よく将来の投票用紙から外されたのは、長いパターンの一部である。

今週初め、もし明日投票が行われれば、あらゆる世論調査で大統領選に楽勝すると予想されていた反体制派のフランス政治指導者が、5年間の選挙出馬を禁じられた。なんと都合のいいことだろう。

        マリーヌ・ル・ペン
1968年8月5日(56歳)
国会における国民連合グループの代表
保守派

右派の国民連合党首マリーヌ・ル・ペン氏は!〜、
パリの裁判所で欧州連合資金横領の罪で有罪判決を受けた!・・・
ブリュッセルで雇われた補佐官が党の為に働く事になる制度を悪用したとして、同氏は罰金刑に加え、電子監視下での2年間の自宅拘禁刑も言い渡された。ル・ペン氏に対する告発は少なくとも2014年に遡り、あまりにも古いため、フランスの年金受給資格を得ることができた。しかし、今回の判決により、同氏は都合よく2027年の選挙サイクルから除外された。

ル・ペン氏の党への支持を急上昇させる確実な方法を探していたのなら、おめでとう、フランス司法当局、見事に成功した。
国民の民主的選択肢に干渉しているように見える国家の殉教者に党首を仕立て上げる事ほど、政治運動を盛り上げるのに良い方法はない。
 

      カラン・ジョルジェスク:

1962年3月26日生まれ(63歳)

ルーマニア右派政治家、農学者

2024年のルーマニア大統領選挙に無所属で立候補し、その見解は親ロシア、反NATO、極右と評され、右翼ポピュリスト、超国家主義者、陰謀論者と評された。

当初は5%前後の得票率で泡沫候補と見なされていたに

拘らずもか、最終的には23%を獲得し、第1回投票で最多得票を得た。

彼の選挙運動は100万ユーロを超える未申告の資金を使用し、選挙インフラは『国家的行為者』から発信されたと考えられるサイバー攻撃を受けた。その結果、ルーマニア憲法裁判所は12月6日に第1ラウンドの結果を無効とした。

2025年2月26日、ゲオルゲスクは警察に拘束され、『憲法秩序に反する行動の扇動』を含む一連の罪で起訴された。ゲオルゲスクはその後、2025年のルーマニア大統領選挙に立候補を届け出たが、3月9日に中央選挙局によって出馬を禁止された。


ルーマニアのカラン・ジョルジェスクに聞いてみればわかる。
彼は勝利に向かっていたが、政治的にシステム(政権に武器化された司法当局)によって足を引っ張られた。
逮捕され、外国からの資金提供で告発され、最終的には書類上の技術的な問題で解雇された。
 そしてその後どうなったか? 彼の後任のジョルジュ・シミオンが今や世論調査で急上昇している。誰がこんなことになると予想できただろうか?(ネタバレ:誰もが予想できた。)

フランスでは、汚職、詐欺、選挙違反などの犯罪で候補者を失格にする事は自動ではなかった。エマニュエル・マクロンの政党が2017年に都合よくそうするまでは。タイミングが全てだ。
その法律が施行されたのは、ブリュッセルがル・ペンを捜査対象にしてからおよそ3年後だった。きっと単なる偶然だろう。

       フランソワ・バイルー:

1951年5月25日生まれ(73歳)

2024年12月よりフランス首相。2004年から欧州民主党(EDP)、2007年から民主運動(MoDem)を率いる。中道派で、2002年、2007年、2012年の大統領選挙では候補者だった。


法の最大の応援団は?マクロンの盟友で中道派のリーダー、フランソワ・バイルーだ。彼は法の擁護者だったが、ルペンと全く同じEUの金儲け計画で告発されるまでは。気まずい。彼はマクロンの法務大臣を1か月務めた後、解任された。
 しかし心配はいらない。彼は立ち直った。昨年無罪となった彼は、何の選挙にも出馬しなかったにもかかわらず、後にマクロンの首相に抜擢された。あの選挙で実際に勝ったのは誰かご存じだろうか?ルペンの政党が最多票を獲得し、反体制左派が最多議席を獲得した。
どうやら、どちらもフランスを実際に統治する資格をもう与えていないようだ。一方、左派のリーダー、ジャン=リュック・メランションも、ご想像のとおり、ルペンと全く同じ種類のEU資金に関する失格罪で捜査を受けている。

トランプがこの混乱を見て、自分もルペンと同じ状況にあると考えるのも不思議ではない。 《彼女は5年間出馬禁止処分を受けていたが、有力候補だった》とトランプ氏は語った。
『この国はそういう国だ』。トランプ氏がフランス人で、ジョージア州のような選挙関連の罪で有罪判決を受けていたなら、大統領選に出馬することもできなかっただろう。
世界のファッションの中心地が、この件でトレンドを作らないことを願う。勿論、誰かを有罪にするのはいい事だが。
だが、有罪判決を受けた方が選挙でより良い選択肢かどうかは、国民に決めさせよう。民主主義とは、国民に選択を任せることだ。
例え、彼らの第一候補に選挙対策本部長ではなく仮釈放担当官が必要だったとしても。

ここに明確なパターンがある。候補者が体制にとって本当の脅威になり始めるたびに、法制度は突然ブレーキをかける理由を見つけるのだ。まるでフランスに非公式の『現職者保護法』があるかのようだ。

      ドミニク・ストロスカーン:

1945年4月25日生まれ(75歳)

国際通貨基金(IMF)の第10代専務理事を務めたフランスの経済学者、政治家。いくつかのセックス・スキャンダルで悪名を馳せた。


ドミニク・ストロスカーンを覚えているだろうか?
2011年、IMF総裁として、彼は間もなく入居するエリゼ宮のカーテンの寸法を測っていたところだった。すると突然、ニューヨークのホテルメイドが彼を性的暴行で告発した。キャリアは終わった。
 念の為、フランス当局は後に彼をポン引きの罪で告発した。
そう、ポン引きだ。彼は無罪となったが、『IMF総裁』と『ポン引き容疑者』の両方が履歴書に載っている状態で立候補するのは大変(不可能)だろう。

       フランソワ・フィヨン:
1954年3月4日生まれ(71歳)
ニコラ・サルコジ大統領の下、2007年から2012年までフランス首相を務めたフランスの引退した政治家。2017年の大統領選挙では、同国最大の中道右派政党である共和党(旧称:大衆運動連合)の候補者となり、第1回投票で3位となった。


2017年へジャンプ: 元首相のフランソワ・フィヨンは!〜
当時のフランソワ・オランド大統領の後任をめぐる選挙戦でトップに立っていた!・・・
そして、ちょうどいいタイミングで、調査報道機関が、フィヨンが妻と子供たちに偽の国会議員補佐官の職を与えて金を支払っていたという情報を入手した。
 彼の選挙運動は崩壊し、突然、比較的無名の政治の天才、エマニュエル・マクロンが勝利した。なんて幸運なのでしょう!

多くの人から愛されたジャック・シラク元大統領でさえ、このパターンから逃れることは出来なかった。
彼は、1977年から1995年までのパリ市長時代に遡る横領罪 で2011年に有罪判決を受けた。
彼らが(司法当局)もっと早く彼を逮捕しなかった唯一の理由は? 
彼は2007年まで大統領免責特権を持っていたからでる。
彼らは、長年の宿敵であるニコラ・サルコジが大統領に就任するまで、借金取りのように彼を待っていた。
 2人の大統領の世界観の対比を示す例として、シラク大統領はイラクにおけるアメリカによる政権転覆計画からフランスを遠ざけ、サルコジ大統領はリビアに侵攻し、シャルル・ド・ゴール大統領が国家主権を理由に拒否したあと、フランスをNATOの指揮下に復帰させる責任を単独で担った。
シラク大統領が実際に有罪判決を受けた時には、彼はもはやサルコジ陣営にとって選挙上の脅威ではなかった。なぜなら、その時点では政治的不正行為よりもアルツハイマー病の噂を否定することが多くなっていたからだ。

ルペン氏の有罪判決は!〜、
彼女の政治的同盟者から即座に反応を引き起こした!・・・
ハンガリーのビクトル・オルバン首相は、ジハーディスト(イスラム聖戦主義者)らがパリの風刺雑誌『シャルリー・エブド』編集部を銃撃した後に生まれた『私は海兵隊員』というスローガンに敬意を表して『私は海兵隊員』とツイートした。

       ヘルト・ウィルダース:

1963年9月6日生まれ(61歳)

2006年に自由党(PVV)を創設して以来、右派から極右派までを率いてきたオランダの政治家。 また、下院における党のリーダーでもある。ウィルダースは、右翼ポピュリズム、反移民、イスラム教反対、欧州懐疑主義で最もよく知られている。彼の考え方は、オランダ国内外で物議を醸す人物となっている。2004年以来、彼は常に武装警察に護衛されている。

2023年総選挙では大躍進、37議席を獲得。


オランダの右派ヘルト・ウィルダース氏は!〜、
判決を『信じられないほど厳しい』と呼び、彼女が控訴で勝訴し、フランス大統領選に勝つだろうと予測した!・・・

彼女が実際に控訴で勝訴すればの話だが。そしてそれが2027年までに実現すればの話だが。そしてよくあることだが、EUの助けを借りてフランスの司法制度が突然別の障害を『発見』しなければの話だが。
何故なら、歴史が教えてくれるのは、フランスの選挙は投票箱で勝敗が決まるだけでなく、法廷でも決まるという事だ。そしてどういう訳けか、与党が裁かれることは決してないように思える。


                                            



先日、ミュンヘンで開催された
 安全保障会議で米国のヴァンス副大統領が!~、
ルーマニアではロシアとの協力を呼びかける候補者が
勝利した大統領選の結果が無効になる事を例に取り、
民主主義の価値観を改めて見直すよう欧州各国に迫った!・・・これ核心を抉ったようです。

フランスの選挙は投票で決まるのではなくて、裁判できまるようです。

現在、米国で反トランプ勢力(民主党、DS,大手反トランプメデイア) が次々と連邦地裁、控訴裁で左翼判事を武器化してトランプさんの大統領令を差止めしているのは、欧州の例からヒントを得たのでしょう。

トランプさんの政策が大輪の花を咲かせるに司法闘争に勝ち抜かねばなりません!。
見事左翼判事どもを蹴散らして欲しい!と願わざるをえません。


参考文献:

■【Le Pen conviction: How France’s courts keep sidelining the establishment’s political rivals】:

https://www.rt.com/news/615084-le-pen-conviction-pattern/?utm_source=Newsletter&utm_medium=Email&utm_campaign=Email