2019年3月1日金曜日

トランプ大統領のシリアから米軍撤退考:疲弊を齎しただけの米国の紛争地域への介入、戦争!・・・


■【なぜワシントンは紛争地域から軍隊を撤退させねばならないのか!?】:
ドナルドトランプ大統領は!~、
後世の米国人に歴代米政権とは大きく異なる遺産(紛争地域の武力介入の終結)を残す可能性が非常に高い!・・・
最終的には『此れ以上の紛争地域へ武力介入はもう!、たくさんだ!』との決断を下すであろう。


❝偉大なる国々は終わりなき戦争はしない!❞、… と、ドナルド・トランプ大統領は
一般教書演説で唱えたが、此れは正しい喧伝である。
 確かに、終わりなき戦争に直面している国々は永劫に偉大な国であり続ける事は不可能であり、…これは、米国の政策立案者(下院議会)に強烈な警告となる筈である。

 悲しいかな、ワシントンの汚点!~、
何年もの間、アメリカを戦争で保ってきた超党派外交政策エリートは、
        何も学ばなかったようである!・・・
 実際、議会議員たちは、大統領の発言『シリアからの米軍撤退』に熱狂的な拍手でもって迎えなかった。 議員たちはシリアとアフガニスタンからアメリカ軍を撤退させるというトランプ大統領の計画に反対票を投じ、…  同時に南朝鮮からの米軍撤退を仄めかした事に対しても拒否の姿勢を示した。
 米国の戦争遂行を承認する憲法上の責任は厭わないが、… トランプ大統領が戦争を終わらす可能性を忌避している。
 実際、一部のワシントンの政策決定者(恐らく下院議長)は説明責任を拒否している。


 5年前、サマンサ・パワーズ(人権を守る為の人道的な軍事介入を積極的に擁護する)は、ほとんどのアメリカ人が何年間もの悲惨な戦争であると認識している事を反映し、… これが武力介入が齎したものであり、過ちを繰り返さない事を肝に銘じるべきであると反省している。故に、米軍はシリアから撤退せざるを得ない。


※ サマンサ・パワー(Samantha Power、1970年9月21日 - 48歳):
アイルランド生まれの、アメリカ合衆国のジャーナリスト、作家、ハーバード大学ケネディスクール教授。2013年2月までオバマ政権のアメリカ国家安全保障会議多国間問題・人権担当上級部長および大統領上級顧問、2017年1月まで同政権のアメリカ合衆国国際連合大使である

■【アメリカの最近の数十年間の介入と
     戦争からの教訓は虚しいものである】:


ロナルド・レーガン大統領(当時)は!〜、
アメリカをレバノンの厳しい内戦に巻き込んだ!・・・
僅か首都ベイルートの中心を支配下に置いているだけのレバノン政府を支援した。米国人は戦闘員になり、死に値するなにものも得られなかった。
所謂、❝犬死!❞と言えるものだった。



オサマ・ビンラディンとアルカイダ武装集団は!〜
米国の国内施設、機関には全く興味は持っていなかった!・・・
彼らは中東でのアメリカの介入と戦争に対応して、存立に為にテロ作戦を始めた。

ブッシュ政権の国防長官ポール・ウォルフォウィッツは!~、
イラク戦争の際立つ恩恵は、『ビンラディンが不満をもっていた米軍サウジアラビア占領部隊の撤収である』と主張した!・・・

米軍の将兵は17年以上にわたってアフガニスタンで戦っており、…米国史上で最長の戦争となっている。
 ワシントン(ホワイトハウス)は即座にアルカイダを攻撃し、タリバンを追放する初期の目的を達成した。
  それ以来、戦争の明らかな目的は、アフガニスタンに西洋の民主主義を植え付ける事であり、… それは、戦争の価値も合理的なコストでも達成できない努力とも言えるものであった。
現今の米国民は!〜、
米軍の紛争地域からの撤退を望んでおり、…これを大統領に託している。
イラク侵攻は非常に悲惨なものだった!。

ブッシュ政権は!~、
 イラク国家を破壊!・・・
 恐怖を拡散させ!・・・
 宗派間の戦争と宗教的粛清を引き起こし!・・・
 数十万人の民間人を殺戮!・・・
 少数先住民族の宗教共同体を破壊!・・・
 イラクでアルカイダを生み出し、それがイスラム国家へと変貌し、周辺諸国に影響力を拡大、枚挙にいとまがない!・・・


リビアでの介入は!~、
周辺諸国の政情を不安定にした!・・・
地域全体に武器が拡散し、そしてイスラム国家が増幅する致命的な真空を作りだした。
シリアへの中途半端な関与は交渉を妨げ、内戦を拡大し、それによって民間人の犠牲者と苦難を増大させた。

イエメンでは!〜、
ワシントンは米国に対して何もしなかった一般人の大量殺人を黙認し続け、…その一方で、米国を攻撃目標としたアルカイダ加入者に公的な権限を与えている。
事実、成果のなかった今までの紛争地域への介入を継承するは何を意味するのか?。

ブラウン大学のワトソン研究所は!~、
911後のテロとの戦いに費やした最新の見積もりを提示!・・・
米国民が正しい将来の見通しを持つ事の手助けをしている。


作家でボストン大学教授のネタ・クロフォード (57歳)は!~、
イラク戦争での民間人の犠牲者の数が曖昧で
    正確な数値は発表されていないと語っている!・・・。
 さらに、次のように説明している。
『何万人もの民間人が、モスルや他の都市をISISから奪還する戦闘で命を落とした!、と考察できるが、… 遺体はおそらく回収されてはいないだろう』。
戦争で食糧、水、医療施設、電気、またはその他のインフラ破壊され、人々の健康に長期的に影響して間接的な死亡がもたらされる。集計には『間接的な死亡』は含まれてはいない。しかし、限られた集計数からでも、深刻な教訓を学ぶ事が出来る。

昨年11月の時点で、クロフォード氏は!~、
 戦争継続予算見積もりが5.9兆ドル !・・・
すでに4.9兆ドルを費やされたと推定している - さらに1兆ドルが退役軍人への保証(社会福祉)する義務があり、此れに1兆ドルが費される。と見積もっている。
 48万人から50万7000人の総死亡者数を推計!・・・

総死者・内訳は!~、
✦ 米軍将兵:                    6,951人!・・・  
 アメリカの請負業者:               7,841人!・・・   
 有志連合軍将兵:                1,4641人!・・・
 地元の保安要員:              109,154人!・・・     
 敵対勢力   :             109,396~114,471人!・・・
✦ ジャーナリストと人道奉仕者 : 約1000人!・・・

表面に現れない他の人的損失!〜、
約629万人の難民と615万人の国内避難民がいる!・・・ 
最新情報は、17年間の戦争による人的影響の表面をなぞっただけ、詰まり氷山の一角である。 あまりにも多くの場合、武力介入の実像を掴もうとする立法者、NGO、および報道機関は、完璧な執行と進捗のバラ色の絵を描くことを決心した政府によって妨げられている。
 それとは対照的に、難民を支援しようとの動きがあれば、政府関係者は援助する事には吝かではない!、とクロフォード氏は語っている。

■【米国は透明性を高めるために
          一定の努力を払ってきた】:
透明性を高まれば、説明責任が増し多くの分野!~
 殺され負傷した民間人の数!・・・
 米軍およびベテランの自殺の数 !・・・
などの説明責任が増幅して、此れがより良い政策につながる。
 しかし、権力(政府)が明らかにしているように、民主党員と共和党員、自由主義者と保守派などの当局者は責任を問われることを望まず、… 関係者筋は政策を改善しようする気は全くない。

勿論、ワシントンの政策決定者たちが、常的に引き起こしている破壊、死、そして混乱を意図している訳ではないが、… 国を爆破し、宗派間の対立を引き起こせば、大いに責任がある。 それから、ワシントンの政策決定者たちは、過ちを処理する口実で改めて介入する。 それによって新しい問題を生み出され、…  さらに別の爆撃、侵攻、占領などの新たな段階へと移行する。

そうすることで、米国はサダムフセイン、オサマビンラディン、アルカイダ、タリバン、ムアマルエルカダフィ、イスラム国家などのような多くの非道な指導者を排除(殺戮)した。此れ等の非道な指導者たちの運命には、悲しみの涙はを流す必要はないが!、…
 然し、米国が当初、排除した指導者たちよりも、その後は遥かに悪く、残忍非道な指導者たちに米国は頻繁に、軽率に置き換えて仕舞い、新たに大きな問題が齎された。

そして新たな武力介入は!~、
大きな犠牲すなわち、愛国心、忠誠心に溢れる米軍将兵を、民間人を、失う大きな負債を支払う羽目になった!・・・
他国で、紛争地域の住民の命を、普通の生活を守ろうとした事が、…多くの無辜な人々の命を奪う結果となった。膨大な富が失われ、… そして新たな危機が発生した。

それは、おそらく、パワーズ氏が主張したように、『介入せざるを得ない!』が最悪の結果となる。 そして、なぜ彼女の懸念とは対照的に、アメリカの無差別介入からの教訓を引き出す事は困難で、いや、おそらく不可能であり、…  ワシントンの果てしない戦争は大惨事を齎しただけだった。
 アンクル・サム(米国)の一貫した失敗と流血の外交政策が繰り返されなかったら、
現在、米国が直面している問題の多くは存在しなかったであろう。

■【新しい反乱とテロ組織】:
 米国の標的、民間人および軍に対する新たな攻撃!・・・
 他国での大量殺人、奴隷化、および民族浄化!・・・
 地域の不安定性、抑圧、そして紛争!・・・

敵対勢力の進撃!~、
最悪の場合、恐らく9/11よりも、更に多くのテロリストがアメリカやアメリカ人を
            標的にしている!・・・
勝利は、それが何を意味するものであろうと、実際にはさらに遠ざかっていくであろう。
現地の司令官が新たな攻撃命令を下す度に、良い結果が約束されているように思えるが、…しかし実際はそうではない。
 より多くのアメリカ人の命が失われる!・・・
 より罪のない現地人が殺戮される!・・・
● より多額の資金が浪費される!・・・
最終的には、より多くの敵が生み出されるこの過程は、…過去に置いて、何度も、何度も繰り返されている。

■【トランプ大統領にやりたい事をさせよ!】:
 トランプ大統領は!~
 正統派ではなく!・・・
 予測不可能であり!・・・
 良質な情報に乏しい!・・・
そして、彼の政策の多くは確固たるものではなくて、サウジアラビアのイエメンに対する戦闘を容認するなど、異様とも思える程の見当違いなどの欠点がみられる、…
それにもかかわらず、荒唐無稽の言動からは考えられない常識を備えている。

    米国は何年もの長い間!〜、
  紛争地域で不必要で
  愚かな戦争(介入)をし続けてきた!・・・

❝❝ 偉大な国々は果てしない戦争はしない!❞❞ とトランプ大統領が言うように、…トランプ大統領は米国民に、歴代大統領とは全く異なる遺産を残す可能性を否定は出来ない。

ブログ記事は『National Interest誌』にダグ・バンドウ(Doug Bandow)氏が寄稿した文献を和訳したものです。

ダグ・バンドウ(Doug Bandow):

1957年4月15日生まれ(61歳)、米国・ワシントンDC出身、 スタンフォード大学で法学博士号を取得。
Cato Institute(カトー・インスティテュート)の上級研究員を努めたが不祥事で辞職、外交政策と市民の自由を専門、。ロナルド・レーガン大統領と政治雑誌Inquiryの編集者の特別補佐を務めた。フォーチュン 誌、  ナショナル・インタレスト誌、  ウォールストリートジャーナル、  ワシントンタイムズなどの主要メデイアに定期的に寄稿。

学術会議、大学のキャンパス、およびビジネスグループで頻繁に講演。ABC、CBS、NBC、CNN、Fox News Channel、およびMSNBCに関する定期的なコメンテーターである。スタンフォード大学で法学博士号を取得。

参考文献:
War Weary: Why Washington Needs to Bring Its Troops Home


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