新国立競技場の新デザイン案、日本らしくて良い? 海外紙はハディド案とどちらを評価したか
NewSphere(2015年12月20日)
2020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の新たなデザイン候補2案が、14日、日本スポーツ振興センター(JSC)のウェブサイトで公開された。どちらの案も、寺社など日本の伝統的な木造建築を想起させるかたちで木材を多用している。また、周辺の環境との調和を重視したデザインとなっている。廃案となったザハ・ハディド氏のデザインとは対照的な面が多いようだ。新デザイン案のアプローチについて、海外メディアでは賛否それぞれの意見が紹介されている。
◆「ハンバーガー」「重ねられたサラダ皿」「火の通っていない目玉焼き」
新国立競技場の事業主体であるJSCは、公募に応じた2つのグループの計画案を公開した。最終決定前の公開は極めて異例だ。応募者の名は明かさず「A案」「B案」としている。朝日新聞によると、両案とも日本らしさを打ち出し、周辺環境と調和する「杜(もり)のスタジアム」というコンセプトを掲げている。
A案では、屋根の大ひさしの下に、3層の軒ひさしが張り出している。それぞれの軒ひさしの上には植栽ユニットが並べられ、最上層には木を植えるスペースもある。横から見たイメージ図では緑が目立っている。周辺の緑との調和を志向したものである。また観客席を覆う屋根には木材と鉄骨を使用するが、下からは主に木材が目に入る設計になっている。「木と緑のスタジアム」というテーマがある。
B案は、白磁の器のようなスタンドと屋根を、外部に露出した72本の木柱が支えている。柱は一本木ではなく集成材の角柱で、高さが約19メートル、面幅が1.3~1.5メートルある。横からのイメージ図では、この列柱が大きな存在感を見せている。また、屋根が波打っていることも特徴である。
以下略
ブログ管理人考:
先に政府が公開した新国立競技場の海外からの評価は賛否交々!〜、
賛美するもの!・・・
辛辣な評価をするもの!・・・
イマイチな反応です。
A案:イメージ図!〜、
コンセプトは“木と緑のスタジアム”で、スタジアムを取り囲む階層式のテラスにふんだんに緑を取り入れ、屋根にも多くの木材を用いられている。上限が1550億円と設定されている総工費は、1489億円余りです。工期については、2019年(平成31年)11月30日に完成させ引き渡すとなっている。
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B案:イメージ図!〜、
木製の大きな柱を使った白磁の器のようなスタジアムです。上限が1550億円と設定されている総工費は1496億円余り、工期については、こちらも2019年(平成31年)11月30日に完成させるとしています。
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海外紙の反応:
◼︎【ガーディアン紙電子版の建築・デザインブログ】:
ザハ・ハディド氏のデザインは、自転車用ヘルメットから「おまる」まで、あらゆるものになぞらえられていた。建築家の磯崎新氏は、新国立競技場のデザインについて、「当初のダイナミズムがうせ、列島の水没を待つ亀のような鈍重な姿」と評価。
2つの新案からは何を連想するか!?〜
✦ A案は、『誰かが食べ終わらないうちに片づけられて重ねられたサラダの皿を連想し、重なった皿の間からレタスのかけらがはみ出している!』・・・
✦ B案は、『上空からのイメージ図をもとに、十分火の通っていない目玉焼きに見える、とした。まっすぐでない白い屋根に、どろどろの卵白っぽい中央部がある!』・・・
A案、B案とも辛辣な評価を下している。
◼︎【サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙(SCMP)】:
✦ A案は、❝ハンバーガーを連想させるものだ!❞と評価!・・・
◼︎【新提案とハディド氏の旧案を対比する記述が海外メディアで多く見られる!】:
環境に溶け込むアプローチとしては理想的との評価!〜
➤ ❮❮ガーディアン紙は、新デザインのどちらも、ハディド氏のデザインより周囲の環境に溶け込みやすいものだという点を強調している。
ハディド氏の未来的なデザインは、もし作られていたら、歴史ある神宮外苑でつやつや光る白い「ストーム・トルーパー」(映画『スター・ウォーズ』に登場する白い歩兵)のようにふんぞり返っていただろう、地域独特の建設の慣例を破り、東京に高価な持て余しものを残していただろう、と同紙は語る。
ハディド氏の目くるめくビジョンの後では、新デザイン2案は、少し安物に見えるかもしれない。しかしどちらも、ハディド氏のデザインより著しくスリムで安価だ。それにそれらは、神宮外苑の緑地の背景によりふさわしいものとなる、より軽量級で控えめなアプローチの模範のように見える、と同紙は語っている。設計者とされる人物の名前を挙げて、彼らは東京の背景を理解している、と語っている❯❯・・・
寸評:
全般的に、同紙は、ハディド氏の旧案から新案への移行をプラスに評価しているようで、・・・木材を前面に出したデザインについても好意的に見ており、日本の伝統的な建築を想起させるという狙いは、海外メディアにも十分に伝わっているようです。
SCMPはB案の木柱について!〜、伝統的な日本建築で使用されている柱を思い起こさせる、と語っている。テレグラフ紙は、新デザイン2案には、寺院のようなタッチが見受けられる、と語っている。A案について、天然素材と形態の面で、伝統的な寺院の設計のなごりがあると語っている。
未来志向ではなく伝統回帰を図ったことに不満を持つ人も!〜
✦ 日本で20年近く建築家として活動しているイタリア系オーストラリア人のリカルド・トッサーニ氏の評価『ザハ・ハディド氏は言うなればひどい目に遭った。彼女のビジョンは日本の平凡なデザインに取って代わられた』「彼女は、あらゆる実用的な性質を備えた、非常に素晴らしいデザインを提案した――さらにいえば、そのデザインはこれらの妥協案よりはるかに優れている!・・・
✦ 新案がいわば伝統回帰するものであることに不満を抱き、個人的な感性が突出している。「ザハ・ハディド氏が提案したデザインは、21世紀に属するもので、22世紀に突入していくものだったが、この2案は19世紀に逆戻りしつつある20世紀のものだ!・・・と語っている。
✦ ハディド氏のデザインは『非常に時間を超越し、わくわくさせ、ふさわしいものだと東京の建築家と住民が感じるような東京のあらゆる特質を捉えていた』・・・
✦ 新案については!〜、『政治家が日本固有のものだとみなすものについての、国家主義的な幼稚な見方に迎合している』とバッサリ切り捨てる!・・・
✦ トッサーニ氏は、新案が木材を使用していることについても懐疑的だ。特にこれほど大規模な建築物での木材の使用は、木柱の太陽光、風雨による劣化や、カビの発生を防ぐため、5年ごとの保護塗装を計画は費用が掛かり過ぎて馬鹿げている!・・・
因みにトッサーニ氏が絶賛している『ザハ・ハディド氏のデザイン!』は、
周囲には溶け込んではおらず、景観は醜悪!・・・
明治神宮、新宿御苑などの由緒ある風景を破壊!〜、日本人の感性には合わず。
寸評:
トッサーニ氏は、日本人の感性を持ってはおらず、西洋的な感覚で新国立競技場のデザイン評価をしている。日本は『奈良・平安朝時代』から巨大木造建築を手掛けている歴史がある。
それを全く考慮には入れず、辛辣な評価をしている。
日本人の職人芸、木造建築の伝統を全く理解、または出来ないようです。
✦ 『政治家が日本固有のものだとみなすものについての、国家主義的な幼稚な見方に迎合している!』・・・いやはや!〜、『逝かれ・ブサヨ』では無いかと思えるほどに悪意が篭っている見解です。自然との調和を大切にする日本人の感性を国民を思いっきり冒涜している。
こんな蛇蝎のような建築家の意見などは一顧だにする必要はないでしょう。
◼︎人はオリンピックスタジアムに何を期待するか!〜、
➤ ❮❮ガーディアン紙は、人々がオリンピックスタジアムに要求するものは多様で、時には矛盾するものであり、・・・オリンピックスタジアムに、息をのむほどに特徴的であること、テレビを通して開会式で世界中の観客を魅了できるような国の誇りとなることを期待する。
国民は『スタジアムは可能なかぎり背景への影響が少なく、加えて特価(建設費用を低く抑える)で建設されなければならない!』と主張するが、これらが両立することはまれだ、と語る。
新デザイン案はハディド氏のデザインとは異なった方向を目指していると言えるだろう❯❯・・・
寸評:
最後の最後までハディド氏のデザインを持ち上げ、拘っている様子が窺える、ガーディアン紙です。
確かに競技場の背景(環境)を考慮して、建設予算を目標内に収めるのは困難ですが、・・・ハディド氏のデザインは『背景に背景に溶け込む!』、『建設費用を目標内に収める』両方を満足させてはおらず、廃案となったのは当然です。
驚くことには!〜、ことごとく安倍政権の遣ること、為すこと、箸の上げ下げまでにもケチを付ける朝日新聞は、2案について、JSCが示した『周辺環境と調和し、我が国の気候、風土、伝統を現代的に表現するという新競技場建設への考え方を反映していることを説明している!』と評価しているのには驚きで・・・首相官邸から朝日に機密費用が渡されたのでは、勘ぐって仕舞います。
大野秀敏・東京大名誉教授は、毎日新聞で、「鳥瞰(ちょうかん)図を見て前より地味などの意見が出るかもしれないが、目線の高さで周囲の環境に溶け込んでいるかを議論していくべきだ」と語っているが、此れは当然です。周囲の荘厳な環境(明治神宮、御苑)を破壊する醜悪な国立競技場は建設すべきではないでしょう。
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