2015年6月7日日曜日

❝南シナ海危機は日本の存立の危機ではない!❞⇔軍事サスペンス作家らしからぬスペンス不足の分析!・・・

南シナ海危機は日本の存立危機事態ではない
日米共同パトロールはリスクが大きすぎる(大石 英司 :軍事サスペンス作家)
東洋経済オンライン (2015年06月06日


6月4日、安倍首相はフィリピン首脳と会談。安全保障面での協力強化を約束した(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

オフレコという条件で聞いた話なので、相手の肩書きも場所も秘さなければならない点をお許し願いたい。最近、国会で審議が続いている安保法制に関して、それを作った側のある省庁の担当者からブリーフィングを受ける機会があった。その時、出席者から、「南シナ海で、もし何か起こったら、これは周辺事態や存立危機事態に該当するのか」という極めて微妙な質問が飛んだ。

その時の説明は、「政府としては、公式には具体的なシナリオは想定しない。しかしオフレコとしては、もちろんそのケースこそ日本の存立危機事態である」という話だった。それを聞いて私は、別に南シナ海の迂回路はいくらでもあるのに……、とは思ったものの、議論する場ではなかったので、反論は控えた。

そこで、この機会に、南シナ海の日米共同パトロールを巡る論点をいくつか整理したい。結論から言えば、これは技術的にも政治的にも、極めてハードルが高く、リスクを抱え込むことになるものだ。

寸評:
別に南シナ海の迂回路はいくらでもあるのに』・・・此の言には驚きの余り愕然として仕舞いました。軍事サスペンス作家と思えぬ程の発想の貧しさです。
東洋経済は一応は経済紙であり、南シナ海危機は東シナ海と関連があり、南シナ海が支那に完全支配になる事はシナ海全域が支那の内海と成る事と同然である。
❝迂回路がはいくらでもあるのに!❞・・・例えあったとしても迂回路航行に依って今までの航路よりは距離が長くなり、経費も懸かる、此れは日本経済にとっては命取りになる。
東洋経済も経済紙なら、もっとも真っ当で経済を解する言論人を登用して良質な記事を発信しろ!と言いたいものです。

✦ 日米共同パトロールの技術的ハードル:

まず技術的なハードルである。海上自衛隊に、それをこなすだけの戦力があるのか、という論点だ。この問題に一般的な関心しか持たない人々は、わが海自は、遠くインド洋での海賊対処パトロールすら行っているのだから、それよりもはるかに近い南シナ海でのパトロールは簡単ではないか、と思われるかも知れない。

ソマリア沖の海賊対処のために編制された第151合同任務部隊というものがあるが、これは事実上、外洋型海軍を有する全世界が参加した多国籍部隊である。リーダーはもちろん米海軍。韓国も時々参加し、この艦隊にこそ加わっていないが、実は中露海軍も密接な情報交換を行いつつパロトール活動に参加している。

海自は、このパロトール活動に常時2隻の護衛艦と2機のP-3C哨戒機を派遣している。今月初めて、海自の海将補が、その多国籍部隊の司令官を務めることになった。海自部隊は、この任務に於いて重要な役割を担ってはいるが、しかしそれでもワンオブゼムの存在であり、海自の護衛艦が抜けても任務に致命的な支障を来すことは無い。

では南シナ海での共同パトロールなるものは、いったいどのような形になるだろうか。国民の大多数はきっと、アメリカ第7艦隊が主体となり、海自艦艇はそのサポートに回るものだと推測するだろう。だがしかし、そこに第7艦隊はいない。恐らくそこに、アメリカ海軍の艦艇は、陰も形もないと断言してよい。

寸評:
噴飯物の記事を東洋経済紙に寄稿した軍事サスペンス作家の大石 英司 は日米共同パトロールを海上戦を目的とした軍事行動と混同しているのか?!、・・・日米は支那の南シナ海海上権益の拡大の戦略の一環としてスプラトリー諸島で支那が建設中の人工島の進行速度が余りにも迅速なので警戒を強め共同で偵察するとの声明を出している。
海上戦闘に主眼を置いているのでは無くて、警戒を強めているだです。
日米共同パトロールは技術的な問題は何一つ有りません。
余りにも日米の海軍、空軍の能力を過小評価しているきらいがある!と筆者は言わざるをえません。

✦ 第7艦隊の戦力にも懸念点:

第7艦隊は、確かに世界最強の艦隊であるが、その戦力に往時の面影はない。水上艦艇に限るなら、平時は50隻前後しかない。兵員も僅か2万名である。固定翼部隊もいるとはいえ、海自は4万を超える兵員を持っている。

一般的に平時の海軍では、保有する艦艇の3分の1は常に港にいて乗組員が上陸中か、艦艇そのものがドック入りして整備中である。実際に作戦行動中の第7艦隊の水上艦は、従って30数隻に満たず、この数は、わが海自の主力護衛艦艇の数とたいして変わらない。それだけの数で、ハワイから西、南はマラッカ海峡を超えて南半球、西は更にインド洋までカバーしているのである。南シナ海のパトロールに割くような戦力は存在しない。現に、該当海域に一番近い港であるシンガポールのチャンギ軍港には、たった一隻、沿海域戦闘艦(LCS)がローテーション配備されているだけである。

報道では、先頃そのLCS「フォートワース」が南沙で1週間のパトロールを行ったと喧伝されたが、逆に言えば、あの第7艦隊が、南沙でできる示威行動はその程度に過ぎない。LCSはしばしば「米海軍の最新鋭戦闘艦」と表されるが、沿海域戦闘艦の名が示すように、本来は沿岸部での行動を念頭に開発された軍艦であり、実は武装も貧弱で、正規海軍を相手に暴れ回るようなタイプの軍艦ではない。米海軍は将来的に、このチャンギ軍港への配備数を増やす予定ではいるらしいが、いずれにせよ、そこに世界最強の空母機動部隊がいるわけではない。

しかも、ソマリアの海賊対処では、各国海軍の参加があったが、南シナ海では、他国海軍の参加はほとんど見込めない。あの辺りで、まともな海軍を持っているのはシンガポールくらいだが、彼らは参加してくれるだろうか。共同パトロールと聞いて出かけてみたら、呼びかけた米艦隊すら居ず、海上自衛隊ひとりぼっちだったという事態になりかねない。

実際のパトロール作業を想定してみる。2隻で一つの艦隊を編制してパトロールするとしよう。中国が今、基地を建設中の南沙、及び西沙諸島は、実は日本海と同じくらいの広さがある。とても2隻ではカバーし切れないから、この2隻のパトロール艦隊を最低二つは動かす必要がある。常時4隻がこの海域にいるとして、4隻が日本の母港とを往復中、そして4隻が港で休暇もしくは補給及び補修中となる。最低でも12隻がこの任務のために割かれることになる。

現在、ソマリア沖にも常時2隻派遣しているので、海上自衛隊が保有する半分もの護衛艦が、海外での国際貢献任務のために割かれることになる。尖閣警備や、北朝鮮のミサイル警戒という任務もあるのに、そんなことが可能だろうか。もし共同パトロールを実施すれば、乗組員の負担も苛酷なものになるだろう。

台風避難など、臨時の補給や避難場所も必要になる。フィリピンの協力が得られるだろうが、港湾整備や補給拠点の整備に、それなりの資金を出す必要があろう。洋上監視には哨戒機も不可欠であり、その基地も借りる必要がある。

寸評:
重箱の底を突くような戦力分析である!・・・いざ有事の際は空母が派遣できなくても迅速なイージス艦(米国は現在84隻が就役中)とグアム、沖縄からステルス戦闘(ラプターF22)、B52 爆撃機の出動で急場を凌ぐ事が可能である。
➤❮台風避難など、臨時の補給や避難場所も必要になる。フィリピンの協力が得られるだろうが、港湾整備や補給拠点の整備に、それなりの資金を出す必要があろう。洋上監視には哨戒機も不可欠であり、その基地も借りる必要がある❯・・・大石 英司は近来、米国とフィリッピンが同盟を新たに結んだことを知らぬらしい。
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◼︎【米軍、22年ぶりフィリピン駐留 新軍事協定に署名 】:
日本経済新聞 (2014/4/28 )

米国とフィリピンは28日、米軍のフィリピン展開強化を柱とする新軍事協定に署名した。かつてフィリピンに駐留していた米軍は1992年までに撤退していたが、今回の協定で22年ぶりに復帰し、事実上再駐留することになる。米比両国には、米軍のフィリピン派遣を拡大することで、南シナ海への進出を強める中国をけん制する狙いがある。

 新協定により、米軍はフィリピン軍の基地を利用できるようになる。南シナ海に面するルソン島スービックなども含まれる。物資補給のための施設の建設、航空機や艦船の派遣も可能となる。核の持ち込みは禁じる。

大石英司は所詮は軍事サスペンス作家であり軍事専門家ではありません、脳内は現実から逃避した想念だけに包まれているようです。

次に政治的なハードルがある。中国は今、アジアに於いては軍事的覇権を、世界に於いては経済覇権を達成しつつある。南沙の権益を主張する関係各国を含めて、一通りの非難はするが、いざ行動を起こすとなると躊躇されるだろう。

東南アジア各国はいずこも華僑経済を持ち、「中国との深い関係を、たかが無人の岩礁ごときで損ねたくない」というのが本音だろう。この問題で先日大統領が来日し、中国をナチス呼ばわりしたフィリピンにした所で、バナナの輸入規制を巡っては惨めな思いを強いられた。

オーストラリアやニュージーランドは、毅然として中国を非難しているが、いざ南沙でのパトロールとなった時に、オーストラリア海軍が参加してくれるかどうかは全く未知数である。ニュージーランド海軍に至っては事実上存在しないも同様で、彼らの協力を当てにすることは出来ない。同じシーレーンを利用する韓国にとっても、この問題は重要だが、残念ながら現在の日韓関係では、南沙での共同パトロールは望めない。台湾も参加しないだろう。

寸評:
政治的なハードル?!』・・・意味不明です。
一通りの非難はするが、いざ行動を起こすとなると躊躇されるだろう!❞・・・インドネシア、フィリッピン、ベトナムは米国との関係を深化させており、米国の軍事力を背景に結束を固めている。勿論日本国、インド、及び豪州を含めて。
非難だけでは無くて実際に行動に移しています。何処に政治的なハードルがあるのか?を可能なら大石英司に具体的に説明して貰いたいものです。
東南アジア諸国、日本を含めて支那海上権益拡大主義で齎される南シナ海の危機は其々の国の存立に深く関わると認識している。
日本の危機ではない!❞・・・何処からこんな軍事サスペンス作家らしくない貧弱でノーテンキな言葉が出てくるのか?不可解です。
恐らく東洋経済紙ともども、支那から工作資金をタップリと掴まされたのでしょう。

✦ 米国の狙いはどこにあるのか:

ところで、日本に共同パトロールを呼びかけるアメリカの真の狙いは何だろうか。台湾南部から南沙へ掛けての広大な海域は、深さ3000メートル級の、戦略原潜が潜むには絶好の海域である。戦略ミサイル原潜の整備を急ぐ中国は、実はそれを隠す深い海を自国周辺に持っていない。

黄海は、それこそ潜航すら危険ほど浅すぎ、東シナ海も浅い大陸棚のため、ミサイル原潜が潜むには適さない。巨大なミサイル原潜が浅い海を航行すると、様々な痕跡を水面に残し、それは軍事衛星から丸見えになる。広大で深い海は、アメリカ本土を狙うミサイル原潜を潜ませるために、中国がどうしても内海化したい場所である。その遠大な計画の第一歩として、中国は長年、南シナ海に突き出た海南島の海軍基地を整備してきた。

アメリカ海軍が本当に海上自衛隊にやらせたいのは、この海域での対潜活動に他ならない。実際、ソヴィエト海軍の潜水艦狩りを目的として成長してきた海上自衛隊は、その能力を有している。こと対潜作戦に関しては、米海軍より能力が高い、すなわち世界一と言っても過言ではない。

逆に言えば、中国が一番恐れているのは、海上自衛隊に、この海域で対潜活動を繰り広げられることである。

もし海自艦艇が南シナ海域で活動を始めたなら、中国海軍は、海南島基地から立ち所に倍の数の水上艦艇を繰り出して威圧し、空からも戦闘機を飛ばして嫌がらせし、最終的には、そっちがこちらの領土を脅かすならと、今度こそ尖閣諸島に海軍艦艇を派遣してしっぺ返ししてくるだろう。

私は、このパトロールに関して、やるべきか否かの意見は持ち合わせない。相当に困難で、覚悟の要る任務だからだ。しかし我々の判断如何に関わらず、対米協力の名の下に出撃することになるのだろう。アメリカのリバランス政策は、予算不足のせいで巧く進んでいない。アメリカ海軍は、今後とも徐々に縮小し続ける。その隙間を埋めるように、中国海軍が進出してくるだろう。日本は、その縮小する第7艦隊の埋め合わせをすべきだとは個人的に思うが、日本には、憲法上の制約があり、また防衛予算も決して青天井では無い。

そして、肝心なことだが、アメリカは中国と国境を接しているわけではない。彼らはいつでも逃げ出せる。尖閣でそうしたように、いざとなれば、優柔不断な態度でお茶を濁すことができるのだ。その結果が今日の南沙の事態であることは、言うまでも無い。オバマ政権の腰が引けた尖閣問題へのアプローチが、中国への誘い水になったことは疑いようが無い。中国は今、対中政策が不透明になる米大統領選挙の前に既成事実を完成させようと必死である。

寸評:
敵国支那の軍事力を過小評価も、過大評価も危険であり、怜悧に状況を把握して分析、判断するのが重要である。大石英司は支那を過大評価し過ぎて、へっぴり腰であり、対応策に見るべきものが全くない!と言える。
➤❮海自艦艇が南シナ海域で活動を始めたなら、中国海軍は、海南島基地から立ち所に倍の数の水上艦艇を繰り出して威圧し、空からも戦闘機を飛ばして嫌がらせし、最終的には、そっちがこちらの領土を脅かすならと、今度こそ尖閣諸島に海軍艦艇を派遣してしっぺ返ししてくるだろう❯・・・凄まじい程に短絡的で飛躍が甚だしい。
まるで、シナ海は全域は既に支那は支配している如きの印象を受ける。米国は定期的に支那設定した対防空識別圏を事も無げに侵入して偵察、警戒飛行を続けている。
日本も哨戒機を飛行させる事を既に決定している。航海、国際領空で活動するのに支那が尖閣に海軍艦艇を集結させるなどは狂気の沙汰であり。国際社会を敵に回すようなものである。其処まで習近平は愚かではないでしょう。
要するには!・・・大石英司は ❝支那を刺激するな!❞と言いたいのでしょう。何処の国の人間なのか?と?符が付き、『支那政府の広報員』の観を呈している。

✦ 封鎖があったとしても迂回できる:

最初の命題に戻ろう。「南沙を巡る状況は、我が国の存立危機事態にエスカレートする危険がある」との命題だ。私の考えでは、この命題は真ではない。たとえ最悪の事態を迎えて、中国が南沙一帯を封鎖しても、船舶はフィリピン東側へ迂回すれば済むのだ。そのコスト増は、こと原油に関しては、価格に上乗せしても末端のガソリン価格にはたいして影響しないレベルに留まるだろう。

しかし、海域を封鎖するとなれば、自国に向かっている船舶も影響を受ける。中国船ばかりが中国の港へ向かっているわけではないし、海事保険料の上昇は全ての船主にのし掛かる。中国もまた損害を被るから、そう簡単にできる話ではない。

さらに最悪の最悪のケースを想定するなら、南沙の基地から飛び立った中国の戦闘機が、フィリピン東側へと迂回した日本の船舶をミサイル攻撃するという事態も考えられるが、これはいささかナンセンスだろう。なぜなら、瀬戸際政策と戦争は全く別のフェーズである。

中国の指導部は傲慢で、瀬戸際政策に秀でているが、戦争を起こすほど愚かではないと信じたい。もしそんな事態を招いたら、より大きな犠牲を払うことになるのは中国の方である。なぜなら日本は、中国の太平洋航路を完璧に封鎖できるからだ。いずれにせよ、それはもうホット・ウォー。戦争である。

封鎖まで行かなくとも、偶発的事故を契機に、タンカーが該当海域を回避して遠回りを強いられるという事態は十分ありうる。南沙での中国の傍若無人な振る舞いは決して許されることでもないし、こうした事態への国際貢献、対米貢献は大いに結構なことだ。

しかし、思い出して欲しい。尖閣を巡って、日本がもっともアメリカのバックアップを欲していた当時、アメリカがどのように振る舞ったかを。彼らは、尖閣に射爆場まで設定していながら、徹頭徹尾、領土紛争不介入の立場を貫き、中国国内で日本車が焼き討ちに遭っているすきにGM車を売りまくったのである。

アメリカはいざとなれば、汚れ仕事を日本に押しつけ、梯子を外すくらいのことは平気でする可能性がある。「国家に友なし、国益のみ」。同盟関係と言えども、それが国際政治の現実である。

寸評:
確かにオバマ政権は頼りにならぬが、可といって信ぜずに支那に阿る外交政策を続けるのか?、・・・此方の方が依りも危険であり、支那の増長に輪を掛けるこのになるは自明の理である。
支那は戦争を起こすほど愚かではない!❞・・・と大石英司は説くが、驚き程に危機感が欠如しています。
オバマ大統領は既にレームダック(死に体)であり、任期も2年を切っている。大統領が変われば風向きも変わる、悲観的になる必要はありません。
例え風向きが変わらなくても日本国が米国の軍事力必要とせずに自国を守れる自衛力を付けるのが先決問題です。此れは憲法問題が絡み、至難の業ですが、最終的には日本人は英断を下し解決へと歩を進む事を信じています。


筆者考:

『南沙を巡る状況は、我が国の存立危機事態にエスカレートする危険がある』との命題だ。私の考えでは、この命題は真ではない。たとえ最悪の事態を迎えて、中国が南沙一帯を封鎖しても、船舶はフィリピン東側へ迂回すれば済むのだ。そのコスト増は、こと原油に関しては、価格に上乗せしても末端のガソリン価格にはたいして影響しないレベルに留まるだろう!・・・

此れが経済新聞なのか!、と開いた口が閉まらぬ程の駄文で焦点がずれた『東洋経済新聞・記事』で駄文の連続です。


南シナ海危機(支那に乗っ取られる)海域の周辺国だけの危機では無くて、日本国にも及ぶ事は必定である!・・・



現在、ペルシャ湾からホルムズ海峡を出た中東の石油は、インド洋を通り、マラッカ海峡、バシー海峡を通過して日本に搬送される。その距離12000km。



迂回路と考慮される!・・・パナマ運河経由だと、南アフリカの喜望峰、大西洋、パナマ運河、太平洋を通って日本となり、輸送コストはとんでもなく跳ね上がるは経済学者でなくとも理解できる。これは、日本での原油価格を直撃することになり、選択肢とするのは難しい。 何も喜望峰を回らなくても、スエズ運河経由で地中海を抜けて、大西洋または北極航路という手も考えらるが、・・・大西洋を通過する限り、距離は長くなる。加えて、北極航路も通過できるのは夏の間くらいで、一年を通して安定した航路にはなり難い。要するに、現在のシーレーンを使わない航路だと、輸送コストが今よりも驚く程に高くなる。

➤大石英司は❮中国が南沙一帯を封鎖しても、船舶はフィリピン東側へ迂回すれば済むのだ❯・・・楽観的な分析をしているが、支那が南シナ海を封鎖している状態になった時は、既にシナ海全域が支那が支配、即ち内海同然になっている事であり、簡単にフィリッピンの東を迂回すればよい!とはならないでしょう。

現在、原油タンカーは、16~32万トン級のVLCC(Very Large Crude Carrier)と、32万トン以上のULCC(Ultra Large Crude Carrier)が主に利用されている。
 マラッカ海峡は、水深が非常に浅い箇所がいくつかあって、例えば、シンガポールセントーサ島から8km南方のBatuBerhantiというところは水深22.5mしかありません。
 ところが、32万トン級のULCCタンカーの喫水は満載で22.3mあり、事実上通過で不可能である。したがって、ULCCタンカーはマラッカ海峡は通過できず、南に迂回して、スンダ海峡やロンボク海峡を航行している。尤もVLCCクラスでも満載時の喫水は21mありますから、マラッカ海峡を通過できるとはいえ、危険が伴う。
 こうした航路上の制約や原油の積出港と受入港の施設の問題もあって、現在はVLCCが主流となっている。

因みにマラッカ海峡経由とロンボク海峡経由それぞれの航路差は約1700kmあり、船足15ノット換算で日数にして3日、運搬費では1000万円以上の差になる。それを考えると、危険とコストを天秤にかけた上で、現在は各船舶会社はギリギリの輸送をしている、というのが実情なのかもしれません。



◼︎さて!〜、南シナ海が支那の手に落ち、"北京の海"となったらどうなるか:

✦ 一番簡単なのは、マラッカ海峡を封鎖する!・・・これだけで、石油の輸送コストが上がり、日本での石油価格が上昇し、日本経済にダメージを与えることが出来る。

✦ これ見よがしに支那海軍が出張って、海峡封鎖なんかしたら、世界中から非難を浴びるで事に、本当にやるとすれば、もっとセコイ方法になるとかんがえられる。例えば、夜陰に紛れて、マラッカ海峡の水深の浅いところに、大き目のテトラポッドを何十個か沈めてやるか、そこらから岩を集めて大量に流し込んで、水深20mを切るくらいまで浅くしてやればいい。それだけで、今海峡を通過しているVLCCも航行不可となる。

✦ 便衣兵ならぬ"便衣海賊"を仕立てて、タンカーを襲撃させて、何隻か沈没させる。そうすれば、もう「この海峡は危険だ」となって通れなくなってしまう。

まぁ、支那は、サンゴ礁を勝手に埋め立てて、滑走路を作るような国であり国際常識では計る事が出来ずで、これくらいは、平然と為しても決して不思議ではないでしょう。


こうしてみると「蟻の一穴」ではないが、・・・南シナ海を支那に獲られるということは、中国の日本工作(侵略)が進むということであり、属国化への道にも繋がってしまう可能性は非常に高い。
 やはり、日本は今のシーレーンを護るべく、「法の支配」を全面に出して支那を牽制し、・・・米国とアメリカと協力してASEAN諸国をこちらの陣営に引き込む努力をする。此れが最上の戦略です。
大石英司の発想(南シナ海危機は日本の存立危機事態ではない)は如何に緊迫した南シナ海の危機の危険性に目をそむけているか!、が一目瞭然です。