中国の反日プロパガンダに日本は早くも日清戦争の際に悩まされた。
明治27(1894)年11月、大山巌司令官率いる第2軍に属する第1師団・混成第12旅団が、わずか百余人の死傷者を出して旅順を陥落させた。ところが、この件を当時台頭していた米国のイエロージャーナリズムの新聞『ワールド』が「日本兵が民間人を殺害し、手足を切断するなどして略奪も行った」と報じた。
続報として「日本軍大虐殺」との見出しの下に「3日間におよび殺人」「無防備・非武装の住民が自宅で殺害される」「死体は表現できないほど切り刻まれている」の小見出しを付け、「これは文明社会にとって戦慄すべき行為である」と断じた。
後に起こったとされる「南京事件」(1937年)を彷彿させる内容だが、情報の出処が清国側であることは明らかだった。
この記事に他の新聞・雑誌も追随し、大きな騒ぎとなった。その結果、同年11月22日に調印したばかりの日米通商航海条約が批准されなくなる可能性を、米国務長官から示唆されるほどの苦境に日本政府は立たされることになった。
しかし、当時の日本政府は、直ちに5項目の弁明を英紙『タイムズ』に掲載し、陸奥宗光外相も「旅順で殺害された平服を着た者は、大部分が姿を変えた兵士であった。住民は交戦前に立ち去っており、日本軍は軍規を遵守していた」との声明を発表し沈静化に努めた。その結果、「日本人=野蛮」との印象が世界に広がることを防いだ。
この記事に他の新聞・雑誌も追随し、大きな騒ぎとなった。その結果、同年11月22日に調印したばかりの日米通商航海条約が批准されなくなる可能性を、米国務長官から示唆されるほどの苦境に日本政府は立たされることになった。
しかし、当時の日本政府は、直ちに5項目の弁明を英紙『タイムズ』に掲載し、陸奥宗光外相も「旅順で殺害された平服を着た者は、大部分が姿を変えた兵士であった。住民は交戦前に立ち去っており、日本軍は軍規を遵守していた」との声明を発表し沈静化に努めた。その結果、「日本人=野蛮」との印象が世界に広がることを防いだ。
以上は明治学院大学の川上和久教授の近著『「反日プロパガンダ」の読み解き方』(PHP研究所)が紹介している事例だが、構造は100年以上前から何も変わっていないことに戦慄する思いだ。
相手は隙あらば“事件”を捏造して「日本は残虐だ。卑怯だ」と国際社会に悪宣伝する。“事件”は現在のものでも過去のものでもよい。自らを“被害者”として日本の加害性を宣伝し、日本に非難の矛先が向けばよいからだ。
明治政府はこの相手の“罠”から見事に抜け出した。迅速に対応し、英国の一流紙を利用して真正面から弁明した。その結果、誤解が解けたのだ。それにしても危なかったと言わざるを得ない。
今日の日本政府に必要なのは、この明治政府の、相手の悪宣伝には真正面から弁明するという気概だ。言われっぱなし、「金持ちケンカせず」では相手の狡智(=悪知恵)には勝てない。「言われたら言い返す」-“倍返し”の弁明が必要だ。
■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。第2回正論新風賞受賞。現在、高崎経済大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に「国民の思想」(産経新聞社)、「日本を愛する者が自覚すべきこと」(PHP研究所)など多数。
相手は隙あらば“事件”を捏造して「日本は残虐だ。卑怯だ」と国際社会に悪宣伝する。“事件”は現在のものでも過去のものでもよい。自らを“被害者”として日本の加害性を宣伝し、日本に非難の矛先が向けばよいからだ。
明治政府はこの相手の“罠”から見事に抜け出した。迅速に対応し、英国の一流紙を利用して真正面から弁明した。その結果、誤解が解けたのだ。それにしても危なかったと言わざるを得ない。
今日の日本政府に必要なのは、この明治政府の、相手の悪宣伝には真正面から弁明するという気概だ。言われっぱなし、「金持ちケンカせず」では相手の狡智(=悪知恵)には勝てない。「言われたら言い返す」-“倍返し”の弁明が必要だ。
■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。第2回正論新風賞受賞。現在、高崎経済大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に「国民の思想」(産経新聞社)、「日本を愛する者が自覚すべきこと」(PHP研究所)など多数。
ZakZak(2013.09.27)
筆者考;
日清戦争時代(明治27(1894)年11月)、米国のイエロージャーナリズムの新聞『ワールド』が「日本兵が民間人を殺害し、手足を切断するなどして略奪も行った」と報じた!・・・120年近くも前から支那のプロパガンは峻烈を極め、加えて米国政府を含めてメディアも買収され反日姿勢が強かった事になります。
いみじくも彼の“狂惨支那の建国の父!”と尊称される毛沢東が!・・・“一メディアは百万人の兵力に等しい!”喝破して此のメディアを最大限に活用して支那大陸を制覇して共産党国家を打ち立てた。メディアの重要性をもっとも認識して活用して目標を具現化させる手腕は近代歴史上に出現した偉大な指導者達に共通した資質と言えると筆者思います。
安倍普三首相にこの資質が備わっているか?は残念ながら、筆者は定かではありません!。
※筆者註 “イエロージャーナリズム(英: Yellow Journalism)”⇔新聞の発行部数等を伸ばすために、「事実報道」よりも「扇情的である事」を売り物とする形態のジャーナリズムのこと。『ニューヨーク・ワールド』紙とウィリアム・ランドルフ・ハーストの『ニューヨーク・ジャーナル・アメリカン』紙が、漫画『イエロー・キッド』を奪い合って載せた事に由来する。共に「黄色新聞(イエロー・ペーパー)」として知られた。
【米国のイエロージャーナリズムの新聞『ワールド』の扇動的な報道は米世間の耳目を集めて物議を醸し出した結果!・・・調印したばかりの日米通商航海条約が批准されなくなる可能性を、米国務長官から示唆されるほどの苦境に日本政府は立たされることになった】⇔ 《日本政府の反応は素早く直ちに陸奥宗光外相(当時)は《旅順で殺害された平服を着た者は、大部分が姿を変えた兵士であった。住民は交戦前に立ち去っており、日本軍は軍規を遵守していた」との声明を発表し沈静化に努めた。その結果、「日本人=野蛮」との印象が世界に広がることを防いだ》・・・惚れ惚れ!とする程の鮮やかな対応で、戦後の「政・官」が、毛沢東や陸奥宗光外相の「爪の垢!」でも煎じて飲み、メディアの重要性を認識して近年来の特亜諸国の激烈なプロパガンダを跳ね除けて、胆力のある外交を是非とも展開して欲しい!と筆者は祈らざるを得ません。
軟体生物クラゲの如しでくにゃく、くにゃ!と背筋をぴーん!と張ることも出来ず「金持ちケンカせにず」なのか、それとも、戦後に米国占領政策で刷り込まれた✥《WGIP(War Guilt Information Program⇔ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム》によって自虐思考の呪縛から解放さえれず、事勿れ主義にどっぷり!とつかり無作為の世界に身を置いているのか?、・・・これでは特亜の狡知(悪知恵の塊のプロパガンダ)には絶対勝てないでしょう!。
記事の通りに《言われたら言い返す!》・・・まさに現今の「政・官」には“倍返し”の弁明が必要!と言えるでしょう!!!。