ロシアによるウクライナ南部クリミア半島併合を受け、日本政府は対露制裁に加わるとともに、ウクライナ暫定政権の側に立つ姿勢を鮮明にしている。だが、ウクライナはこれまで、沖縄県・尖閣諸島強奪を狙う中国の軍近代化に協力してきた対中友好国だ。米国やEUが支援する新政権が親中政策を見直す保証はなく、日本は悩ましい状況に置かれている。
「ウクライナを支援することは、中国を支援することにもつながりかねない。複雑な心境だ…」
安倍晋三首相が3月24日に発表した、ウクライナ暫定政権に対する15億ドル(約1500億円)規模の経済支援について、日本の防衛省関係者は表情を曇らせた。
なぜ、ウクライナ支援が中国支援につながるのか。
「ウクライナを支援することは、中国を支援することにもつながりかねない。複雑な心境だ…」
安倍晋三首相が3月24日に発表した、ウクライナ暫定政権に対する15億ドル(約1500億円)規模の経済支援について、日本の防衛省関係者は表情を曇らせた。
なぜ、ウクライナ支援が中国支援につながるのか。
ウクライナは、旧ソ連の軍需産業の約35%を引き継いでおり、中国軍にとっては戦闘機や艦艇などの有力な輸入先なのだ。軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「中国が勝手にライセンス生産するので、ロシアは対中兵器輸出を減らしている。中国が輸入する兵器のうち、ウクライナからの輸入は約60%に上る」と解説する。
中国が2012年9月に就役させた初の空母「遼寧」は、ウクライナから輸入した「ワリヤーグ」を改修したものだ。最新鋭53クッション型揚陸艦「野牛」2隻が近く、ウクライナから引き渡されるが、尖閣を含む東シナ海や南シナ海の脅威となるのは間違いない。これら約30分野で兵器輸入が行われているという。
中国が2012年9月に就役させた初の空母「遼寧」は、ウクライナから輸入した「ワリヤーグ」を改修したものだ。最新鋭53クッション型揚陸艦「野牛」2隻が近く、ウクライナから引き渡されるが、尖閣を含む東シナ海や南シナ海の脅威となるのは間違いない。これら約30分野で兵器輸入が行われているという。
軍事協力だけではない。食糧難に備える中国はウクライナ東部などで300万ヘクタールの農地を租借する方向でヤヌコビッチ前政権と交渉を重ねていたほか、石炭ガス化工場の建設や、航空機の共同開発も計画している。
とりわけ、ウクライナ政府は債務が国内総生産(GDP)の約40%に上る財政危機にあり、中国は魅力的な外貨調達先といえる。前出の世良氏は「ウクライナの前政権はロシアに遠慮して対中輸出を抑制してきた。暫定政権は違う。今後はさらに増えるのではないか」と予測する。
日本政府としては、対露制裁への同調を求める米国に配慮し、中国による「力による現状変更」を牽制するためにも、ウクライナ暫定政権支援に回るほかない。しかし、中国の強引な海洋進出を阻止したい日本にとって、ウクライナは「敵の味方」ともいえる。
対ウクライナ支援をするとしても、「対中兵器輸出の見直し」を条件に入れるよう関係国に働きかけるなど、細心の注意が必要といえそうだ。
とりわけ、ウクライナ政府は債務が国内総生産(GDP)の約40%に上る財政危機にあり、中国は魅力的な外貨調達先といえる。前出の世良氏は「ウクライナの前政権はロシアに遠慮して対中輸出を抑制してきた。暫定政権は違う。今後はさらに増えるのではないか」と予測する。
日本政府としては、対露制裁への同調を求める米国に配慮し、中国による「力による現状変更」を牽制するためにも、ウクライナ暫定政権支援に回るほかない。しかし、中国の強引な海洋進出を阻止したい日本にとって、ウクライナは「敵の味方」ともいえる。
対ウクライナ支援をするとしても、「対中兵器輸出の見直し」を条件に入れるよう関係国に働きかけるなど、細心の注意が必要といえそうだ。
ZakZak(2014.04.08)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140408/frn1404081536005-n1.htm
時期 | データ | 単位 | ウクライナ 計 | 西部 | 東部 | うち クリミア 半島 |
2014年当初人口 | 現在人口 | 万人 | 4,543 | 2,405 | 2,138 | 235 |
〃 | 人口シェア | % | 100.0 | 52.9 | 47.1 | 5.2 |
〃 | 都市人口 | 万人 | 3,134 | 1,448 | 1,686 | 160 |
〃 | 農村人口 | 万人 | 1,409 | 957 | 452 | 76 |
〃 | 都市人口比率 | % | 69.0 | 60.2 | 78.8 | 67.8 |
2014年1月 | 工業製品販売額シェア | % | 100.0 | 37.6 | 62.1 | 2.2 |
2013年 | 穀物(*)生産量 | 千トン | 62,997 | 40,549 | 22,448 | 766 |
〃 | 穀物(*)生産量シェア | % | 100.0 | 64.4 | 35.6 | 1.2 |
2001年センサス | ロシア人 | 万人 | 833 | 135 | 698 | 145 |
〃 | 同比率 | % | 17.3 | 5.4 | 30.3 | 60.4 |
〃 | クリミア・タタール人 | 万人 | 25 | 0 | 25 | 25 |
〃 | 同比率 | % | 0.5 | 0.0 | 1.1 | 10.2 |
1999年 | 1人当たりGDP | PPP米ドル | 3,213 | 3,050 | 3,395 | 2,273 |
(注)*豆類を含む。東西区分は上記参考図の多数派政党によった。
(資料)State Statistics Service of Ukraine、UNDPウクライナ報告書2001(所得水準)
人口は、4,543万人のうち、西部が2,405万人、東部が2,138万人(うちクリミア半島235万人)であり、東西ほぼ同規模である。27区分別には、ドネツク州が434万人で最大となっているが、首都キエフ市とキエフ州を合計すると460万人であり、これを上回っている。中心都市としてもほぼ東西同規模と見てよいであろう。州別の人口は東部は100万人台が多く、200~300万人台が多い西部と比べ総じて規模が小さくなっている。
民族構成としては、ロシア人の比率がまず問題となる。西部の各地区では、首都キエフが13.1%とややロシア人比率が1割を越えているのを除くと、いずれの州も1割以下であり、ロシア人は少ない。これとは対照的に、東部諸州ではクリミア半島(クリミア自治共和国とセヴァストポリ市)の60.4%、ドネツク州の38.2%をはじめ、どの地域でもかなりロシア人が多くなっている。西部と東部のロシア人比率はそれぞれ5.4%、30.3%と大きく異なっているのである。
次に産業配置を、工業製品の販売額分布と穀物生産量の分布とから見ると、前者は東部、特にドネツク州とドニエプロペトロフスク州に集中しているのに対して、後者は全国的に分布している点が目立っている。
2013年6~7月に行われたギャラップ調査(Gallup Poll)によると、理想の政治体制として、ウクライナ国民の28%は西欧スタイルの民主共和制を望んでいるが、他方、以前ののソビエト体制およびソビエトに近いが民主的市場主義的な体制が、それぞれ、19%、29%と合計して48%となっており、国内に異なる政治意識が並存していたことが分かる。
(ウイキペディ引用)
ウクライナは人種的、宗教、人口構成、地勢、産業構造などが複雑にいり込んでいる。
これが原因で東部ウクライナはロシアへの帰属を求めて過激なテロ行為ともいえるロシア派の分子が政府関係の建物を占領し立て篭もるなどの行動が多発している。
親ロ派「共和国」宣言 ウクライナ東部ドネツク :
日本経済新聞(2014/4/8 1:41)
これを避ける為に既に、米国を筆頭にEU、日本国がウクライナに多大な経済援助を発表をしている。
加えてIFMも!・・・
IMF、ウクライナ支援で合意―最大1.8兆円:
ウォールストリート・ジャーナル(2914年4月9日)
【キエフ】国際通貨基金(IMF)は27日、経済改革計画に基づき140億〜180億ドル(約1兆4300億〜1兆8400億円)を支援することでウクライナと合意した。
ウクライナの主要工業(軍事産業)は東部、クリミヤ半島に集中しており、・・・クリミヤは既にロシアに併合されて、東部は新ロシア派の住民がロシア編入を求めて不穏は動きが日増しに高まっている時勢に加えて、ウクライナの勝手な支那への武器輸出などは米国、EUの手綱の手前(武器輸出大国と競合)出来る筈がない。
たとえ可能でもEUの支那への武器輸出規制に、経済援助を受けている以上は必然的に従がわずに得ずとなる。
以上の理由で!・・・
【軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「支那が勝手にライセンス生産するので、ロシアは対中兵器輸出を減らしているが、・・・支那が輸入する兵器のうち、ウクライナからの輸入は約60%に上る」と解説】:
✦ 世良氏は「ウクライナの前政権はロシアに遠慮して対中輸出を抑制してきた。暫定政権は違う。今後はさらに増えるのではないか」と予測!・・・
✦ 日本政府としては、対露制裁への同調を求める米国に配慮し、中国による「力による現状変更」を牽制するためにも、ウクライナ暫定政権支援に回るほかないが、・・・中国の強引な海洋進出を阻止したい日本にとって、ウクライナは「敵の味方」ともいえる!・・・
✦ 対ウクライナ支援をするとしても、「対中兵器輸出の見直し」を条件に入れるよう関係国に働きかけるなど、細心の注意が必要!・・・
これ等は、筆者のウクライナ考察では、取り越し苦労ではないか!の結論に至る。
日本国の対ウクライナ経済支援、1500億円は時間稼ぎ(米国の圧力を交わし日米同盟の再確認)である。
この間、“日本国の自衛力を増強できる可能性がある!”と思えば支援金額以上の物を日本国は得られる事になり、苦にはならないでしょう。