水域を越えて人々の生活範囲を大きく広げてくれる橋は!〜、
今も昔もなくてはならない重要な施設だ!・・・
日本でも、里山の清流を越える丸太橋から、人工島へと続く連絡橋まで、大小さまざまな橋が私たちの生活を支えている。
世界に目を向けると、渡るのをためらうような橋梁が存在する。勇気と引き換えに雄大な景色を見られる橋など、世界の珍しい橋をご紹介致します。
「カカム・キャノピー・ウォーク」: ⬇︎
観光客に人気のアトラクションだ!・・・
全長300メートル以上にわたってロープの吊り橋が渡され、地上40メートルの空中散歩を楽しむことができる。しかしそのチャレンジには勇気が必要だ。
両側はロープで編んだ壁であり、足元が丸見えになっているうえ、足場には両足がやっと乗る程度の幅の板があるのみ。大自然の森のなか、木々の梢枝をこえ、7つの吊り橋を渡る大冒険が待っている。
ほかのビジターたちが歩むにつれ、橋は大きくうねる。本来は鳥のさえずりに耳を傾け、あるいは野生の猿を観察する場だが、その余裕があるかどうかはあなたの度胸次第かもしれない。
2)世界一危険な「フセイニ吊り橋」: ⬇︎
パキスタン北部のボリス湖に架けられたこの歩行者専用橋は、肝心のロープも足場の板も腐食し、一歩進むたびに不気味に軋む。
氷に覆われた湖と周囲の山並みは美しい限りだが、多くの人々は景色を楽しむゆとりを持てないだろう。
古くは地元の集落を結ぶ重要なルートとして機能していたが、2011年のモンスーンで大きく劣化が進んだ。現在でもなお、ハイキング愛好者や観光客たちの度胸試しの場として人気だ。
いつも安心して渡れるとは限らない!・・・
その橋は、独特の山肌と山林が広がり、映画『アバター』のモデルとしても知られる支那・湖南省の張家界(ちょうかかい)市にある。
同市の渓谷に架けられた「大峡谷玻璃橋」はガラスでできており、橋上からそのまま谷底を見下ろせる。高さはたっぷり地上400メートルあり、足下にスリリングな光景が広がる。橋を設計した建築家は、景観に極力溶け込ませたかったため透明な橋にしたという。景観への配慮が思わぬ名所の誕生につながった。
その絶景で旅行客を惹きつけている!・・・
フランス・アルプスの一角をなすエギーユ・デュ・ミディの山頂付近に架けられた短い橋で、中央に立てばアルプスの絶景を360度見晴らすことができる。ふもとの街からケーブル・カーに乗って20分ほどで到達できるため、本格的な登山装備がなくても気軽に訪問できるのが嬉しい。ちなみに山頂の小屋には、足元も含めて全面ガラス張りの展望台が。アルプスの山中で宙吊りにされたかのような体験となり、こちらも胆力が試される。
支那・山東省、道教の聖地である泰山の山頂には、その名も「仙人橋」という天然の橋がある。岩肌の間にまるで誰かが置いたかのように巨大な岩が挟まったまま、不思議なバランスを保っている。科学者の調査により、少なくとも氷河期からこの状態が続いていることが判っている。
ミャンマーの「ウー・ベイン橋」は!〜、
160年以上も前に架けられた木造橋!・・・
タウタマン湖の湖上およそ1.9キロにも渡り、木材だけでシンプルに組み上げられた橋桁が延々と続く。油分を多く含み、腐食に強いとされるチーク材で構成されるが、さすがに年月には勝てず。いまではすっかり腐敗が進み、床版に一歩踏み出すたびに軋みが響く。
橋桁の基礎はところどころ洗い流されており、隣の桁に支えられて浮いているだけの状態だ。水面下の状態はあまり考えないほうが、幸せに渡れるかもしれない。
メキシコ北部、マピミの町の郊外には、閉山した金鉱山がある。
金が出尽くした後は人が寄りつかず不気味なゴーストタウンとなっていたが、往時使われていた巨大な木製の「オジュエラ橋」が観光名所として1991年に復活し、人気の観光スポットとなった。たわむ吊り橋で渓谷を越えるスリルはなかなかのもの。復活にあたっては鋼鉄で強化を図り、安全性はしっかりと確保されている。
スケールはぐっと変わって、手作りの木造橋というのも味わい深い。
ベトナムには「モンキー・ブリッジ」と呼ばれる橋がいくつも存在し、人々の日常生活を支えている。
ベトナムには「モンキー・ブリッジ」と呼ばれる橋がいくつも存在し、人々の日常生活を支えている。
近年ではコンクリート製のものも登場しているが、多くは支柱の間に細い木を渡しただけの簡素な造りで、たわみも激しい。地元の人々のように自由に行き来できるようになるまでには、それなりのトレーニングが求められそうだ。
日本にも存在する!・・・
その一つが徳島県の秘境・祖谷渓(いやだに)に眠る「祖谷のかずら橋」だ。
平家の伝説が伝わる祖谷の渓谷を、総重量6トンのシラクチカズラのツルでできた
橋が結ぶ。国の重要有形民俗文化財に指定されている由緒ある橋で、隙間だらけの床版に勇気を試される。目下の清流を望みながら、長さ45メートルの味わいのある橋梁を楽しもう。
国内ではダイハツ・タントカスタムのCMに「ベタ踏み坂」として登場し、一躍有名となった。下部を船がくぐれるようにするため、海抜ほぼ0メートルから45メートルの最高地点までを急勾配で結ぶ。
望遠レンズで撮影すると、距離感を感じづらくなる「圧縮効果」がかかり、まるでジェットコースターのような恐怖の急斜面に感じられる。