ウォルドロン米ペンシルベニア大教授基調講演 「日本は最小限核抑止戦略を」
産経ニュース (2015.2.24 )
戦後の日本の役割について講演する米ペンシルベニア大学のアーサー・ウォルドロン教授=東京都千代田区(蔵賢斗撮影)
Arthur Nelson Waldron(アーサー・ネルソン・アーサー・ウォルドロン):
(born December 13, 1948) is an American historian. Since 1997 he has been the Lauder Professor of International Relations in the Department of History at the University of Pennsylvania. He works chiefly on Asia, China in particular, often with a focus on the origins and development of nationalism, and the study of war and violence in general. He has published numerous scholarly papers and reviews, and written, edited, or contributed to more than twenty books, including two in Chinese only.
残念ながら日本は現実的な戦争の可能性に直面しているのではないか。その戦争をどうやって回避するかについて話したい。
講演内容:
1971年、当時のニクソン米大統領は世界をあっと驚かせた。中国共産党が中国を支配して以来、疎遠になっていた中国を訪問すると発表したのだ。当時の米国人は「冷戦が終わり、米中という2大国が再び友人になり、平和裏に共存できるのではないか」と希望を感じた。
だが、現実は大いに違った!・・・
中国は巨大で強力な軍を有し、2010年ごろから非常に強い態度で領土・領海の主権を主張するようになり、周辺国はおびえるという残念な状況だ。私は小さな軍事的衝突が起き、誰も予期しない深刻な戦争に発展する事態を心配している。アジア全体を巻き込むような、壊滅的な戦争に発展する可能性さえある。
現在の米中は相互依存度が非常に高い。13年の2国間の貿易総額は5620億ドル。中国政府は米国債を1・3兆ドル保有している。13年から14年にかけて、米国への留学生は88万6千人だったが、その4分の1が中国から来た。
筆者寸評:
支那の増長は民主党ビル・クリントンの凄まじい日本バッシングに乗じて米国内でのロビー活動、特に政治資金でクリント夫妻と隠れた密接な関係を築いたのが発端となっている。ブッシュ・ジュニア大統領の時は米国はアフガン、イラク、侵略で米国の軍事的、人的資源がいたずらに浪費されて国力が衰退する間に、驚異の年間15〜20%の軍拡、経済成長で米国に対向する国力が構築された。
オバマ大統領の出現は支那とっては『福の神!」で日本国を筆頭に特亜を除いた東南、南アジアや欧州、豪州にには『疫病神!』となって支那の増長、増上慢はとどまる処を知らぬ!。
実際の米中両政府の関係は決して緊密ではない!・・・
国連で米国が推す政策に関し、中国は必ずと言ってよいほど反対する。中国の軍備増強は明らかに米国を標的としている。中国メディアにはほぼ連日、事実と異なる下品な誹謗(ひぼう)中傷記事を掲載している。米中はいつか大変な衝突を起こすのではないかと感じている。
中国は非常に広範な地域で主権を主張している。インド北東のアルナチャルプラデシュ州から大きな弧を描いてインドネシア、フィリピン、日本など各国と係争地を抱え、韓国の離於島(イオド)や南沙諸島も自分の領土・領海だと主張している。
このような主張に歴史的な根拠はないが、中国は「記憶にないほど太古から中国の領土・領海であったから、その主権を主張するのは当然だ」と言っている。困ったことに多くの中国人はそう信じている。
1994年、長年中国の外相を務めた黄華氏と話した際、彼は「南シナ海に大きな岩とか環礁が点在しているが、いずれ中国は1つずつ拾っていきますよ」と言っていた。
特に2010年以降、中国は軍事力で領土を獲得しようという意図を示している。ベトナム、インド、フィリピンと衝突し、定期的に日本を脅かしている。米国の通常の合法的な軍事行動にも介入し、妨害しようとしたりする。
中国が戦略的な核保有国であることも忘れてはならない。300~3000の核弾頭を有しているといわれており、周辺諸国だけではなく米国にも弾頭を送り込む能力を持っている。
では、なぜ中国はこのような歴史的神話に基づく危険な政策を進めるのか。
中国は独裁政権が支配する。国内の不満を押さえ込むため、領土拡大プロジェクトを進めることにより、国民の怒りを米国や日本、その他の国に向かせようとしているのではないか。
中国の核の脅威にさらされても平和主義と戦争回避を貫く日本の政策はもはや現実的ではない。
筆者寸評:
『支那は300〜3000の核弾頭を保有』⇒⇒『平和主義を貫く日本の政策は時代にそぐわず、現実的はなく現実逃避と諸外国は映る』・・・これは日本国の行く末を憂いる識者の方がは重々承知しているが、何しろ日本人は戦後の教育で牙を抜かれ国を守るための戦いを放棄しており、加えて広島、長崎に原爆投下のトラウマ(心的外傷)から癒やされておらずして、70年間の長期に渡り、核アレルギー症状が大方の日本人の見られるのではどうにもなりません。
米政府は表向き、日本が攻撃されたら必ず守ると公言してきたが、私はこの言葉を信じない。嘘だと思う。東京が攻撃されたら米国は核ミサイルを本当に発射するか。米本土が攻撃されていないにもかかわらず、大統領が核兵器を使うことはまず絶対にない。米国は「核の拡大抑止」「核の傘」という言葉を使ってきたが、これは神話だ。
つまり各国は自分の核を持たない限り、最終的に1国だけで侵略国に立ち向かう状態になってしまう。
英国とフランスは米国の同盟国だが、最終的に米国が守ってくれるとは思っていないので「最小限核抑止戦略」をとっている。少数の原子力潜水艦が核ミサイルを搭載し、もし自国に攻撃があれば、何千マイル離れていても核弾頭を相手国に発射する態勢を整えている。
英仏の核抑止力は自ら戦争を始めるには小規模すぎるが、自国への攻撃を抑止するには十分だ。
私が日本人であれば、英仏のような最小限核抑止戦略をとるべきだと思うだろう。そうすれば侵略から自国を守ることができ、日本自身が侵略国になることもない。日本が核を保有することに米国は反対するかもしれないが、アジアと世界の平和は強化される。
逆に最小限の核を持たなければ、他国に攻撃された時、日本は完全に孤立してしまうであろう。
筆者寸評:
『米政府は表向き、日本が攻撃されたら必ず守ると公言してきたが、私はこの言葉を信じない』・・・筆者も同様な考えを持っています。『米国の核の傘で日本は守られる!』は間違いなく神話の範疇に入り気休め以外のなにものではありません。
英仏の核抑止力!、・・・自ら戦端を開くのは力不足だが、他国からの核攻撃抑止するには十分の核兵器配備が、日本国に最も適しています。
米国の反対を押し切って日本国がよく資格を保有すれば、・・・米国はいざ有事の際(支那の尖閣、沖縄侵略)で日本軍が動けば米国は核戦争阻止の為に日米同盟を発動せざるを得ないでしょう。
日本国はインドやオーストラリアとの関係が強化されて孤立は絶対にしないと筆者は言い切ります。
昨年2014年7月7日の日経新聞の記事でアーサー・ウォルドロン ペンシルベニア大学教授の秀逸な論説が寄稿されているので如何に記述致します・
◼︎【米国との同盟、過信は禁物 】:
アーサー・ウォルドロン ペンシルベニア大学教授
[日経新聞2014年7月7日朝刊P.31]
<ポイント>
○中国は太平洋への確かな出口を求めている
○日本は自衛隊の能力増強と日米同盟で対応
○現在の日本の備えが有効性保てるのは10年
中国が紛れもなく軍事大国化しつつあり、その力を領土拡張のために行使する意欲を示していることから、日本は国家安全保障上の二つの問題に直面する。もはや過去数十年のようにこれらの問題を無視することはできない。
最初の問題は短期的なもので、尖閣諸島(中国は釣魚島と呼ぶ)の領有権を積極的に主張する中国の新しい政策によって引き起こされた。その動機は尖閣諸島周辺のエネルギー資源だとみる向きもあるが、私は中国が長期的戦略を優先していると考えている。
拡張を続ける中国海軍は現在、日本の領海または近海を通してしか太平洋にうまく出られない。尖閣諸島を奪取し、軍隊を駐留させることができれば、中国は周辺海域を軍事的に支配し、中国海軍の艦隊が沖縄と宮古島の間の広い海域を容易に航行できるようになる。
中国軍がこうした能力を持てば、台湾から約110キロの位置にある与那国島までの列島の日本による支配を無効にはできなくても、脅かすことができ、また沖縄本島にも脅威となる。
中国軍の活動が宮古島の北方の海域に焦点を合わせているのは、中国が太平洋への確かな出口を必要としているためだ。米太平洋艦隊の情報部門を統括するジェームズ・ファネル大佐が、中国軍の演習は、尖閣諸島またはそれ以上を奪取するための「短期集中作戦」に備えていると警告したのもこれが理由だ。
そんなことはあり得ないように思われるかもしれないが、ファネル大佐は正しい。現在の中国は、電撃作戦によってベトナムやフィリピンなどから小規模な領土を奪取することを想定している。こうした作戦は大規模な戦争にエスカレートする可能性があるため危険で無責任だが、それでも中国が想定していることは事実だ。
日本はこうした脅威に対応するために二つのことをしている。まず中国による日本領土奪取を阻止するのに十分な程度まで自衛隊の能力を緩やかに増強している。中国と全面戦争をするのではなく、局地的な「アクセスを拒否する」戦術だ。第二に、日本は同盟国である米国が日本に不足している軍事力を提供することを期待している。
私は米国人として、日本の自衛隊の対応が知性的に計画されていることに敬意を払う。限定的で、どこにも挑発的な要素はみられず、少なくとも短期的には成功する確率が高い。
ただ私は、日本と米国との同盟関係をそれほど信頼していない。私はニクソン元大統領による対中関係改善以降について、機密指定が解除された公文書を詳しく研究してきた。少なくとも当時の米政権は、米国のアジアにおける将来の主要な対話相手は中国と考えており、日本の立場は明確に定義されていなかった。
筆者寸評:
当時は超弩級の親中派で反日の国務長官のユダヤ系米国人ヘンリー・キッシンジャーの絶頂期で有ったことが原因です。
予断ですが!・・・アーサー・ウォルドロン ペンシルベニア大学教授の伴侶は支那系米国人です。それだけに支那人の気質、資質には知悉しており、支那語も堪能です。
対抗する軍事力がなく、信頼できる同盟国もない日本が、将来のいつかの時点で、日本より大きく、核兵器を保有する侵略国との紛争に直面する可能性が限りなく高い!・・・日本にとって此れは、悪夢以外の何物でもない。
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