2023年3月5日日曜日

ボルドー葡萄 根こそぎ伐採フランスワインの危機!・・・

 切っても切れない関係にあるのが!〜、
    フランスとワイン!・・・

処が、そのフランスのワイン製造業は!〜、
今かつてないほどの危機に面している!・・・
 というのも、現在国内で3億リットルのワインが余剰分となっているのが原因。
 過剰なワイン生産を調整するには、ブドウの木を20~30%根こそぎにする必要があるという見積もりすら出されている。
この危機の理由は何か?!〜、
       対策法はあるのだろうか?!・・・



■ 売れ残りの理由:

ワイン生産量が過剰となっている理由!〜、
✦〚輸出の滞り!、… フランスワインの最大の輸入国である
 米国では、トランプ大統領(当時)が2019年10月に25%の
   関税導入を決めたことから、ほぼ15ヶ月間市場が
     閉じた状態になってしまった!〛、・・・

✦〚フランスワイン輸入額第2位の支那では、2018年に
  オーストラリアと結んだ貿易協定が理由で、
   オーストラリアワインの輸入が盛んになった。
  故にフランスから支那へのワイン輸出は急激に減少〛、・・・

その後支那とオーストラリアの関係は2020年に悪化し支那はオーストラリアワインに200%の関税を導入したが、… フランスワインにとってチャンスとなるべきこの年、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生し支那市場は長く閉鎖されてしまった。

■ ワインを飲まなくなったフランス人:

一方フランス国内では!〜、
ワインの消費量が減少の一途をたどっている!・・・
 1960年には1人あたりの1年のワイン消費量が平均120リットルだったのに対し、2020年には40リットル強まで落ち込んでいる。

特に消費量の減少が目立つのは赤ワイン!〜、
    過去10年で30%減少している!・・・
産地ごとに見ると、ボルドーが35%、コート・デュ・ローヌが31%、ペイドックのIGPワインが29%と、2016年以来、消費量の減少が加速している20minutes紙、2/21)

フランス人のワイン離れの根底にあるのは!〜、
      家庭の食生活の変化!・・・
ワインは基本的に食事と合わせて飲むものだが、選ぶには最低限のコツがあり、… 特にワインのなかでも赤ワインがそうである。

 一人で気軽に飲めるビールと比べると、その違いが際立つ。
離婚や非婚で一人親家庭が増えたし、二人親家庭であっても共働きで忙しいため、家族そろって時間をかけて食事をとる機会はめっきり減った。それは、若者がワインに親しむ機会も減ったことを意味する。これを裏付けるように、赤と比べて比較的気軽に飲めるロゼや白は消費量にそれほど変化がない。

■ 最初に打撃を受けたボルドー地方:

ワイン産地の一つ南西部のボルドーにはブドウ園が11万ヘクタールあり、製造ワインの85%が赤ワインだ。そのため、ボルドーは最初に余剰ワイン問題の打撃を被る事になった。

           ベルナール・ファルジュ:
     ボルドーワイン専門家間協議会(CIVB)の副会長

ボルドーワイン業者委員会のファルジュ副会長の見積もりによれば、ボルドーにある約5000のワイナリーのうち、700~1200社が苦境に陥っており、300社が閉業を希望しているという(20minutes紙)。ロシアのウクライナ攻撃などを背景に現在進行形で進むインフレも影響している。

■ ワインを蒸留し、ブドウの木を抜く:

          マーク・フェスノー:
          フランス農業大臣

このワイン生産者の窮状を打開するため、
     フェスノー農業・食料主権大臣は!〜、
2月6日、1億6000万ユーロのワイン蒸留キャンペーンを発表!・・・    これは余剰ワインを蒸留して、バイオエタノールや、香水に使うアルコールに変化させるというものだ。
 パンデミックが理由で世界中のバーやレストランが閉鎖された時にも、同様のキャンペーンが行われ、蒸留されたフランスワインはアルコールジェルの原料に用いられた。
(農業情報サイトプランシャン、2/7)

 だが、ワイン業者らは、ワイン蒸留キャンペーンだけでは不十分だと考え、ブドウの木の根こそぎキャンペーンへの国の援助を求めて運動してきた。
 手入されなくなったブドウの木は、フラヴサンス・ドレ病蔓延の原因になりかねない為だ。これを受け、フェノー大臣は3月1日、ブドウの木を抜くために数千万ユーロの援助を行うと発表した。
20minutes紙、3/1)

 ファルジュ副会長によれば、11万ヘクタールのボルドーのブドウ園のうち、20~30%を根こそぎにするべきだという意見もあるという。だが、そこまで思い切るのは容易ではないた為、… ファルジュ氏はとりあえず10%にあたる約1万ヘクタールを対象にしたいと考えている。(20minutes紙、2/21)

■ 必要なチャレンジと転換:

ボルドーは、タンニンの多い重めの赤ワインを特徴とするが、その消費が減っている今、ワイン自体のバラエティを増やすことも一案だ。 実際、この10年でボルドーのクレマン(発泡酒)の生産量は4倍になっている。また、ボルドーにおいても、開けてすぐ飲めるような渋みの少ないフレッシュな軽い赤ワインや、ノンアルコールあるいは低アルコールのワイン製造を視野に入れ始めている。(同)

 いずれも簡単な挑戦ではない。
しかし、このまま手をこまねいていては、この先10年で約10~15万人が職を失う事態になるというのがワイン製造業者らによる予測。
フランス・アンフォ、2/13)。

 ワイン余剰の問題はボルドー地方だけの問題ではない。
ファルジュ副会長によれば!〜、
ローヌ渓谷などでも、同じ理由でブドウの木を
      根こそぎにすることが検討されている!・・・
長らくフランスの代名詞のように見られてきたワインだが、その結びつきは徐々に堅固さを失いつつあるようだ。

食糧危機が叫ばれている昨今!〜、
 フランスのワインが、支那や米国の関税措置に
  相俟って、コロナパンデミックの余波を受けて
     消費量が大激減!・・・

葡萄の木々が根こそぎ伐採される危機に面している。
問題解決は容易ではない!。
残る手段は葡萄の生産を続け、葡萄のミを乾燥させ、
干し葡萄とした販売するか?
干し葡萄では、利益が上がらずこれも解決にならないでしょう。
結局は時代の流れ、なるようにしかならない!、… 
他の農業産物へと模索するのが最善の方策かも知れません!。


参考文献:

■【ボルドーのブドウを根こそぎにしなければならない理由 

       フランスワインの危機】:

https://newsphere.jp/economy/20230303-2/