日本の宇宙開発再開へ】:
日本経済新聞(2023年9月7日配信) (7日午前、種子島宇宙センター)
H2Aは7日午前8時42分、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から定刻通りに打ち上げられた。ロケットは所定の軌道まで上昇し、搭載していた天文衛星「XRISM(クリズム)」と月面着陸を目指す小型探査機「SLIM(スリム)」の分離に成功した。
H2Aは大型ロケット「H2」の後継機として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工が共同開発した。2001年から運用され、07年に打ち上げ業務をJAXAから三菱重工に移管した。打ち上げ成功率は世界最高水準の約98%で、23年1月には46号機も成功していた。
ただ、47号機の打ち上げは、当初計画の5月から延期していた。原因はJAXAが22年10月に小型ロケット「イプシロン」6号機、23年3月にH3初号機の打ち上げにそれぞれ失敗したためだ。特にH3とH2Aは共通する部品が多く、H3の失敗原因を絞り込み、H2Aに追加の安全対策をした。
打ち上げ日は8月26日に設定していたが、天候を理由に3度延期した。気象条件を慎重に判断し、万全を期して打ち上げた。
今回、宇宙空間に運んだスリムは24年1〜2月ごろ、月面着陸に挑む。成功すれば日本初となる。従来の探査機の着陸誤差は数キロメートルレベルだったが、これを100メートル以内に抑えた「ピンポイント着陸」に挑戦する。
クリズムは地球を周回しながら、銀河やブラックホールから放たれるX線を観測する。宇宙空間の高温ガスをみることで、宇宙の構造が形成された過程や、物質が宇宙に広がる仕組みを明らかにする。
通信衛星の利用の拡大や安全保障上の観点などから、ロケットの打ち上げ需要は高まっている。22年の世界の打ち上げ回数は過去最高の178回となり、21年比で約3割増えた。
日本はH3の失敗以降、自前の宇宙輸送手段を確保できていない状況だった。今回の成功で日本の宇宙開発は再開するが、H2Aの打ち上げは残り3基で終了する。国際的な競争力を向上するには、低コスト化を目指すH3の打ち上げを早期に成功させる必要がある。
大朗報が飛び込んできました!・・・
打ち上げ失敗が続いていた事もあり、今回の成功は嬉しさ一杯です。
まずは、打ち上げ成功の記事をお届けいたしました!。
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