2016年4月14日木曜日

【日の丸技術】JAXA 13年前に世界に先駆けて再使用可能なロケット軟着陸を成功させていた!・・・

スペースXの12年前に垂直着陸 国産ロケットの実力 
日経新聞 (2016/4/6 )

 米国の宇宙ベンチャーがロケットの軟着陸実験に相次いで成功し、再使用できるロケットへの期待が高まっている。ところが日本では、これより12年も前に同じ実験が成功裏に行われていた。飛行した高さこそ低いものの、打ち上げたロケットがエンジンを噴射して無事に着地していたのだ。それから10年あまり、日本の研究者たちは地道に要素技術を積み上げて、再び、再使用ロケットの打ち上げに挑もうとしている。

■ 2003年、秋田で着陸実験に成功

 円すい形のロケットが一筋の炎をはきながらゆっくりと上昇していく。上空でエンジンをいったん止めて降下しながら、地面に近づくと再び炎をはき出し、姿勢を保ちながら垂直に着陸した。この映像は、最近撮影したものでもCGで合成したものでもない。2003年に日本海に面した秋田県能代市のロケット実験場で実際に行われた実験を記録したものだ。

 米国ではアマゾン・ドット・コムの創業者、ジェフ・ベゾス氏が設立したブルー・オリジンが昨年11月に打ち上げた「ニューシェパード」ロケットの着陸に成功。さらに1月には着陸したロケットを再度打ち上げた。電気自動車メーカー、テスラの創業者として知られるイーロン・マスク氏のスペースXも昨年12月、「ファルコン9」ロケットを打ち上げたあとに1段目を着陸させた。その後の実験では着陸に失敗するなど確実性はまだ十分でないが、実験の成功を伝える映像に世界がわいたことは記憶に新しい。


13年も前に打ちあげたロケットを着陸させ、再使用する実験が行われていた(JAXA提供)!〜、


 ところが飛んだ高さこそ約50メートルと低いが、日本では10年以上前に再使用ロケットの着陸実験に成功していたのだ。03年の実験に使われた再使用ロケット「RVT―9」は高さが3.5メートルで重さは約500キログラム。水素燃料を使うエンジン1基で高度約50メートルまで上昇したあとにエンジンを切って降下、再びエンジンに点火して着陸する実験を実施した。当時を知る宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の稲谷芳文教授は「風の影響などのデータが蓄積できた」と振り返る。

13年前の実験では、ロケットが地面に近づくとエンジンを噴射して無事に着地した(JAXA提供)!〜、




■ 飛行機と同じぐらいの安全性が必要

 実際にロケットを打ち上げる実験は、その後、行われていないが、再使用ロケットの開発に向けた技術開発は地道に続けられてきた。大きなテーマは安全性の確立だ。

「飛行機は故障しても安全に降りる仕組みがある。再使用ロケットは飛行機と同じくらい安全でないといけない」と稲谷教授は強調する。現代の飛行機が墜落などの死亡事故を起こす確率は100万便に0.4回程度とされ、日本人が交通事故にあう確率より低い。そこまで安全性が高くなければ、繰り返しロケットを打ち上げてコストを下げることは難しいと考えるからだ。

 スペースシャトルは繰り返し使うことで大幅に打ち上げコストを引き下げると期待されたが、実際には従来の使い捨てロケットより高くついた。当初計画では1週間に1回の頻度で打ち上げる予定だったが、メンテナンスに時間がかかるなどして年間に3、4回程度しか打ち上げられないこともあった。安全を確保した上で、短期間に再使用できるようメンテナンスなどの手間も抑えなければ、実用的な再使用ロケットにはならない。


■ ベゾス氏の飛行計画と同じ規模




高さ100キロメートル以上の宇宙へ打ちあげて着陸、再使用できる観測ロケットの開発が計画されている(JAXA提供)




 このため、複数のエンジンを搭載して一部が止まっても安全に降下できる機体のデザインや、繰り返し使える材料、燃料漏れを検知するシステムなど開発に取り組んだ。昨年6月には、大きなメンテナンスなどしなくても100回以上繰り返して使えるロケットエンジンを開発、燃焼試験に成功した。「個々の技術はできてきた。実際にシステムを作ってロケットを打ち上げる段階に進む準備はできた」と稲谷教授は説明する。

 稲谷教授らはこれまでの蓄積をもとに、まず何度も再利用できる観測用ロケットの開発を目指している。高度100~150キロメートルまで到達して発射地点に帰還、短期間に繰り返し打ち上げるというものだ。実現すれば有人と無人の違いはあるが、ベゾス氏のブルーオリジンが描いている飛行計画とほぼ同じ規模になる。
 まず、より小型の機体での実証実験に着手したい考えで、3年程度で繰り返し打ち上げられるロケットを開発できると見込んでいる。再使用ロケットでは米国勢がウサギのように勢いよく飛び出しているが、カメのように地道に技術を蓄積してきた日本が追いつき、リードする日が来るかもしれない。科学技術部シニアエディター 小玉祥司)



                                                 

ブログ管理人考:

◼︎【再利用ロケット実験、ライバルも着陸成功 宇宙旅行競争過熱】:


上空に打ち上げた無人ロケットを降下させ、直立した状態で地上に着陸させることに、米国の宇宙ベンチャー2社が昨年に相次いで成功した。宇宙ビジネスの変革につながり、機体の再利用によるコスト削減の期待と、将来の宇宙旅行時代に向けた展望が見えてきた。(SANKEI EXPRESS)スペースX、昨年末に 米スペースXは昨年12月、衛星を積んだファルコン9ロケットを米フロリダ州から打ち上げ、大西洋の上空約80キロで分離した1段目の機体を、エンジン噴射しながら陸地に戻して着陸させた。

米ベンチャー企業!〜、

✦  米スペースXは昨年12月、衛星を積んだファルコン9ロケットを米フロリダ州から打ち上げ、大西洋の上空約80キロで分離した1段目の機体を、エンジン噴射しながら陸地に戻して着陸させた。SF映画のような光景に世界中が驚いた!・・・

✦ ブルーオリジンは昨年11月、テキサス州から高度100キロまで垂直に打ち上げたロケットを降下させ、エンジン噴射でスピードを落とし着陸させた。 スペースXより上昇速度が遅く、まっすぐ降りてくるため難易度は低いが、着陸では一歩先行した形。人を乗せたカプセルを打ち上げる宇宙旅行ビジネスを構想しており、カプセルの落下テストも実施した!・・・

成功で国際社会は湧いているが!〜、
驚くべき事には、日本では既にJAXA『国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace eXploration Agency/愛称 ❝ジャクサ❞)』が13年前に再使用可能なロケットの軟着陸を成功せていた!・・・



     ◼︎【科学映像館(宇宙) RVT-9 JAXA フライト実験成功!】:

❝誇れる日の丸技術❞ 世界に羽ばたく!〜、
江戸時代に花開いた町人文化で培われた日本人の特性である職人気質が時代と共に
昇華して、世界が瞠目する勤勉さ!、発想力!、完璧さを飽くなき追求!、・・・この特質が平成の世に大輪の花を咲かせた!。

大輪の花は、RTV:(Reusable Vehicle Testing=実験用機体)!〜


国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構宇宙開発が抱える最大の問題は、・・・地球から宇宙へ人や物を運ぶのに要する費用が巨額であり、此れは輸送手段であるロケットを使い捨てにしている事に起因する。
宇宙ロケットの製造費用は数十〜数百億円であり、輸送費用の過半を占めている現状で、・・・ロケットが航空機のように帰還し、整備と燃料補給を受けて繰り返し飛行が可能になれば、飛行1回あたりの減価償却費と運送費用は驚くほどに低く抑えられる。
 このような観点から様々な再使用ロケット(RLV)が検討され、アメリカではスペースシャトルが実用化されたが、実際には整備に莫大な費用を要し、かえって使い捨てロケットより高くつく結果に終わった。

現在、宇宙輸送機は使い捨てロケットが主流でとなっている。
高価なロケットを使い捨てにしている限り、輸送費用の低減には限度があり、・・・打ち上げのたびにロケットを投棄するため、安全上の問題や環境保全、資源節約の観点からも好ましいものではないが、使い捨てロケットは、経済的な再使用ロケットが実現できない時点での、次善の策と言える。

再使用ロケットには様々な形態が検討されている!〜、

✦ 1段式で衛星軌道に達する(SSTO)、垂直離着陸式(VTOL)のロケットがある。この形態は1970年代にアメリカで発案され、太陽発電衛星の建設や宇宙観光旅行を可能にすると考えられた。

✦ 1990年代にはマクドネル・ダグラス社によりデルタクリッパーが設計され、垂直離着陸技術を確認するための実験機DC-Xが飛行に成功した。

✦ 日本では、、技術のみならず経済性やインフラストラクチャーなど、実際の運行を想定した検討が行われたが、いずれも当時の技術では衛星軌道に達することは不可能で、実現には至らなかったが、・・・将来の再使用ロケット実現に向け、要素技術の開発は必要と考えられた。そこで1998年、日本の宇宙科学研究所は、衛星軌道に達する能力はないが小型・安価で繰り返し飛行することができるロケットを開発・運用し、技術の蓄積を図ることを計画した。これがRVTである。

✦ JAXA任意の高度で空中停止することも可能であり、高層大気観測などで従来不可能だったことが可能になり、此れに依って従来型の海面に着水、過酷な気象条件での回収作業費用が嵩む事を回避出来る。

✦ 2015年6月15日、JAXA(❝ジャクサ❞)は再使用ロケット・エンジンの技術実証試験が完了したことを受け、報道関係者向けに説明会を実施。 試験では今年2月までに、エンジンの起動と停止の累積回数は142回を記録、累積燃焼時間は3785秒にも達し、・・・これにより、100回の打ち上げに相当する負荷に耐えられることが実証された。

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JAXAの優れた技術者の方々は、少ない予算のハンデを背負いながらも、地道に『研究・開発』に全知全能を傾けて邁進して、世界が瞠目する再使用可能なロケットの実証機を13年前に開発した!・・・。

再使用ロケットでは米国勢がウサギのように勢いよく飛び出しているが、カメのように地道に技術を蓄積してきた日本が追いつき、リードする日が来る可能性は非常に高い!。





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