2024年12月7日土曜日

『在職老齢年金』基準引き上げ 恩恵を受けるのは2%のエリート老人だけ! …

一定の収入がある高齢者の厚生年金減額する!〜、
      『在職老齢年金』制度!・・・
現行では、60歳以上で、毎月の賃金と厚生年金の合計額が50万円を超えると、受け取る厚生年金が半額になり、さらに一定額を超えると全額カットされる仕組み。

この制度の改正を巡り!〜、
   巷間では非難の声が相次いでいる!・・・

11月25日、厚生労働省は同制度の
     適用基準額を月50万円から!〜、
①  62万円に引き上げる案!・・・
②  71万円に引き上げる案!・・・
③  制度そのものを廃止する案!・・・
3案を、社会保障審議会・年金部会に提示した!・・・

   “サラリーマンいじめ” が進む年金部会(写真・時事通信)


➤ 改正案の目的について、
       経済担当記者がこう話す:
         ⬇︎⬇︎⬇︎
基準見直しには、高齢者の働き控えを防ぐ狙いがあります。
 然し、試算によると、基準額を62万円に引き上げた場合、およそ
 20万人の年金給付が増え、年間1600億円の財源が必要となります。
 また、71万円に引き上げた場合、給付はさらに7万人増の27万人と
 なり、年間2700億円の追加財源(合計で4300億円)が必要で、…
 高給を得ている高齢者にとって今回の引き上げは朗報ですが、
 そのぶんの負担をかぶることになる現役世代にとっては “いい迷惑”
  でしょうね。給料は上がらず、税金や社会保険料の負担に苦しむ若
 い世代の反発は必至でしょう】、…

➤ 専門家は、今回の見直し案をどう見ているのか:

           加谷珪一

経済評論家の加谷珪一氏は!〜、
払ったぶんの年金を受け取る権利は誰にでもあるので、減額基準額
 の引き上げそのものは検討してもよいでしょうと前置きしつつ、
結論から言うと、“金持ち優遇” になる】、・・・

60歳をすぎて高額所得を得ている人のほとんどは、学者や経営者、
 専門家などいわゆるエリートで、この人たちは、わずかな年金の為
 に仕事をやめる可能性は低いでしょう。
 今回の制度改変の対象となる年金受給者は、こうした上位2%弱の
 高額所得者のみで、98%の国民には関係ありません。
 従って、働き控えの解消にはつながらないでしょう】、・・・
             
と指摘する。

在職老齢年金が廃止された場合、年間4300億円の財源が必要になる。この財源を誰が負担するのかという問題もある。考えられるのは2つのパターンだ。

4300億円を既存の年金会計から拠出する場合、一般年金受給者の
 年金が減ることになります。一方、年金会計ではなく税金で負担す
 る場合は、現役世代の負担となります。
 おそらくですが、既存の年金会計から拠出することになると思われ
 ますから、現役世代ではなく、一般年金受給者が負担する事になり
 ます。この人たちは、制度改変のメリットがないにもかかわらず、
 単純に受給が減る事になるのです】、…(加谷氏談)




 慶應義塾大学大学院教授・岸博幸氏の見立ては少々異なり!〜、
       『現役サラリーマン世代』が
      負担増の憂き目にあうと言う!・・・
             ⬇︎⬇︎⬇︎       
《今回の対象者は、厚生年金の保険料を払ってきた人たちですから、
 増額された年金を受け取ることはなんの問題もありません。
 ただ、基準額の上限を上げれば、当然のことながら、
 そのぶん年金の財源は減ります。
 この負担を現役世代に押しつける可能性は高いでしょう》、…

 《厚労省は、今回、国民年金の水準を3割底上げする案も示しました
 が、そちらの財源はサラリーマンが加入する厚生年金の積立金。
 つまり、現役世代と企業の負担を増やすことによって、
 財源不足を補う目論見です。この理由は簡単で、厚生年金に入って
 いるサラリーマンは源泉徴収で年金保険料を必ず納めています。
 つまり、『取りやすいところから取って、それで赤字をまかなう』
 ことがいちばんの問題なんです》、…

《自営業の人は、自分で年金保険料を払わなくてはいけませんが、
 さまざまな免除も多いですし、そもそも年金保険料を払っていない
 人も多いのです。加えて言うと、専業主婦の人は『第3号被保険者』
 といって、保険料を払わなくても国民年金をもらえますから、
 国民年金はずっと赤字でした。
 そして、その赤字も厚生年金でまかなってきたわけです》、…

《サラリーマンと企業の負担で国民年金の赤字をまかない、
 その上、国民年金の水準を上げた結果、裕福な高齢者には
      年金が目一杯支払われています》、…

《いまのままでは若年層の不公平感は収まらないでしょうから、
 負担と給付が見合った形に、年金制度を抜本的に
         改革しないといけません》、…

日本は『シルバー民主主義』と言われるように、政策の多くが老人向けで動いている。その為、いくら現役世代が怒ろうと、老人優遇は粛々と進んでしまう。しかし、本当にサラリーマン世代の味方となる政党はないのだろうか。

《ないんですよ。それも問題の一つです。
 国民民主党は『103万円の壁』の問題で、税金については一生懸命
 やっていますよね。ただ、この年金問題については何も言わないん
 です。立憲民主党も同じ。
 石破自民党も厚労省の言いなりでだんまり。
 その理由は、年金の話を言い出したら、
        必ずどこかに痛みをともなうからです》、…

《例えば、『第3号被保険者』つまり専業主婦も保険料を払わないと
 おかしいよね!と言ったら、当然、専業主婦が損をして、
 痛みをともなうことになるじゃないですか。
 年金は制度を変えると、必ずどこかに痛みが来るわけです》、…

《ということで、年金改革では野党も足並みを揃えるんですね。
 本来、国民の将来の話なんだから、与党にしても野党にしても耳の
    痛い話ですが、負担と給付の話をしっかりして、
       持続できる制度にすることが大事なんです》、…

《でも、結局、自民党はじめ、どの政党も『将来これだけ年金が増え
 ますよ』と耳ざわりのいいことしか言わないんです。
 与野党が言わない結果として、
    制度がどんどん悪くなっているんです》、…
(岸氏談)

                                           



その弊害は、いつも現役世代を直撃する。
またも『負担ましまし』となる現役世代のサラリーマンからすれば、『ふざけるな!』、…という話担って仕舞いますね!。

あちらを立てればこちらが立たず、両方立たねば身(日本政府の)の破滅!・・・

年金問題の解決は名案がなく!〜、
何もせず、成り行きに任せせる!が良いのかも
知れません!・・・

参考文献:

■【トクをするのは「上位2%」のエリート老人だけ…「在職老齢年金」基準引き上げで「サラリーマンの負担ましまし」専門家が警鐘】:

https://smart-flash.jp/sociopolitics/320219/#google_vignette



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