2016年6月20日月曜日

日本企業の『就職難の南鮮人学生、来て来て!のエール』・・・

就職難の韓国人学生、来て! 日本企業、グローバル人材魅力
朝日新聞デジタル(2016年6月18日)



就職相談会で日本企業の面談を受ける韓国人の男性=5月19日、ソウル、東岡徹撮影        ☛ ☛ ☛ 

日本企業が韓国の学生への関心を高めている。日本の学生が「内向き志向」と指摘されるなか、韓国学生の語学力は高く、「グローバル人材」と映るからだ。韓国では就職は超氷河期。双方のニーズがマッチしている。

 日産自動車、楽天、東レ……。
。ソウルで5月に開かれた「グロログイン前の続きーバル就職相談会」。日米豪やシンガポールなど121社が参加。うち57社は日本企業だった。開場と同時に学生らはブースに向かい、面談を受けていった。


 参加した農業機械大手クボタの担当課長、沢淳さんは「事業もグローバル化し、社内に多様な価値観を取り入れたい。韓国の学生は日本語も英語も堪能。注目している」と言う。日立国際電気の担当の古屋一光さんは韓国人学生について「語学力に強い。バイタリティーもある」と評価する。すでに韓国人を含め十数人の外国人社員が営業職や技術職として働いているという。

 日本企業の関係者からは、韓国人社員と働いていると「違い」を感じることもあるといい、「それぞれの『違い』を認め合いながら同じ目標に取り組むことで、会社のダイバーシティー(多様性)も進んでいく」との声が出ていた。

 
韓国人学生が、語学力が高く、海外留学の経験者が多いのは、厳しい競争が背景にある。韓国では大手企業を希望する学生が多く、就職には語学留学や資格が重視される。よりよい企業への就職をめざし、英語も含めた教育熱も高い。輸出産業を主力とする韓国経済の事情から、そもそも高い語学力が求められている。

 「語学力の強さ」は留学生の数にもあらわれている。文部科学省が経済協力開発機構(OECD)などの統計をもとに調べたところ、2012年の日本の海外留学生は約6万人。韓国は約13万4千人と2倍以上だ。

 韓国人学生の就職セミナーを韓国貿易投資振興公社(KOTRA)と開くコンサル会社デロイトトーマツコンサルティングの國分俊史・執行役員は、「日本企業では、外国人採用がようやく動き出したところ。米国はすでに戦略的に韓国人を採用しており、人材競争が始まっている」。

 韓国人学生にとっても、日本企業への門戸が広がっているのは魅力だ。韓国統計庁によると5月の若年層(15~29歳)の失業率は9・7%。大学生の就職難は社会問題化しており、若者は恋愛、結婚、出産を放棄せざるを得ない「3放世代」とも言われる。

 就職相談会に来ていた韓国人男性、文昌煥(ムンチャンファン)さん(25)は今年2月に大学を卒業。第1希望の韓国大手は不採用だった。日本に留学経験があるため参加した。「賃金は韓国大手の方が高いが、日本は夜勤などが少ない。日本で働きたい気持ちが高くなった」と言う。

 日本企業でインターンシップをしているというイ・ギウンさん(26)は「子育てしながら働くなら、日本がいいと思う」と話した。日韓では歴史認識の問題が横たわる。ただ、学生も企業も「まったく関係ない」と口をそろえる。


 就職相談会は韓国雇用労働省が主催した。今回で4回目。就職難を背景に海外への就職の機会を広げる狙いだ。運営に当たったKOTRAの鄭ヒョク(チョンヒョク)・日本地域本部長は「日本企業で成長すれば、本人も企業も相手国のことをより考えるようになる。韓日の橋渡しになる新しい人材になるのではないか」と期待する。


(ソウル=東岡徹)