2013年7月24日水曜日

民主化に逆行?ミャンマーで仏教徒女性の異教徒との結婚を制限する法案が波紋を呼ぶ

民主化と経済開放が続くミャンマーで、議会に提出が予定されているある法案をめぐって内外から懸念の声が高まっている。
 提出が検討されているのは、仏教徒の女性の婚姻を制限する法律案。内容は仏教徒の女性が異教徒と結婚する場合、相手方の男性が仏教に改宗しなければならないというもの。事実上、仏教徒の女性を他の宗教に改宗させないための法案といえる。
 ミャンマーは国民の9割が仏教徒だが、イスラム系少数民族との根強い対立がある。最近はイスラム教に改宗する若い女性が増えてきていることから仏教界側が危機感を募らせていた。今回の法案提出も、一部の強硬な仏教界側の強い要請があったといわれている。
 ミャンマーでは、経済開放と民主化が進んでいるが、軍事政権による弾圧的な政治が後退すると、今度は民族的な対立が顕在化するという事態になっている。
 昨年10月には、ミャンマー西部 のアラカン州で、仏教徒であるアラカン民族が少数派でイスラム教徒のロヒンギャ族の集落を焼き討ちし、多数の死者を出すという事件が発生した。ロヒンギャ民族はミャンマー政府からは正式な国民として認められておらず、大量の難民が発生している。
 実際に法案が提出されるのか、また提出された場合に可決されるかは流動的だが、もし可決された場合には、国内の宗教対立が激化することは間違いない。また婚姻を制限されるのが女性だけであるという点から、先進国から女性差別であるとして非難される可能性もある。
ミャンマーは弾圧的な軍事政権と、アウン・サン・スー・チー氏をリーダーとする民主化運動グループが対立するという図式であったが、欧米からの圧力によって軍事政権側が譲歩し、民主化がスタートした。憲法上の制約など課題はあるが、アウン・サン・スー・チー氏は大統領選挙への出馬を目指して準備を開始している。
 これまでは軍事政権の独裁的な政治によって民族対立は封じ込められてきたが、民主化と経済開放が進んだ今、こうした問題が全面に出てきている。アウン・サン・スー・チー氏は大統領選への出馬を意識し、民族問題についてはあいまいな態度に終始している(本誌記事「民主活動家から権力者へ。とうとう大統領への野心を表明したアウン・サン・スー・チー氏」参照)。
 ミャンマーは最後の経済フロンティアとして、欧米企業や日本企業が熱い視線を送っている。だが軍事政権からの解放は始まったばかりであり、今後こうした内政上の問題は次々に噴出してくる可能性が高い。今回の法難提出をめぐる騒動は、アジア最後のフロンティアには相応のリスクが存在することをあらためて示している。

                                                                                                                                                                   

筆者考:

ミャンマー

ミャンマーの国旗ミャンマーの国章




             国旗             国章

                国歌我、ミャンマーを愛さん


ミャンマーの位置



公用語 ビルマ語

首都 ネピドー

最大の都市 ヤンゴン
政府

大統領 テイン・セイン
首相 なし

面積
総計 676,578km2(40位)

水面積率 3.06%

人口
総計(2008年) 50,020,000人(25位)

人口密度 75人/km2

GDP(自国通貨表示)
合計(2008年) 29兆9,766億[1]チャット

GDP(MER)
合計(2008年) 271億[1]ドル(108位)
GDP(PPP)
合計(2008年) 682億[1]ドル(57位)
1人あたり 1,159[1]ドル

独立
 - 日付 イギリスより
1948年1月4日

通貨 チャット(MMK)
                   

                   国際電話番号 95 




  • アウンサンスーチー
    Aung San Suu Kyi ノーベル賞受賞者
    Aung San Suu Kyi 17 November 2011.jpg
    生年:1945年6月19日(68歳)
    生地:British Burma 1937 flag.svg 英領ビルマラングーン管区ラングーン都
    活動:ミャンマーの非暴力民主化運動
    所属:Flag of National League for Democracy.svg国民民主連盟
    投獄:自宅軟禁3回 合計約14年9か月(現在は解除)
    受賞:ノーベル平和賞1991年
    議会名誉黄金勲章2008年
    レジオン・ドヌール勲章コマンドゥール(2012年

    アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi1945年6月19日 - )は、ミャンマーにおける非暴力民主化運動の指導者、政治家。現在、連邦議会議員、国民民主連盟中央執行委員会議長。京都大学名誉フェロー2013年)。 オックスフォード大学名誉博士1993年)。ノーベル平和賞受賞(1991年)。
    ビルマの独立運動を主導し、その達成を目前にして暗殺された「ビルマ建国の父」ことアウンサン将軍の娘である。

    民主化と経済開放が続くミャンマーで、議会に提出が予定されているある法案(仏教徒の女性の婚姻を制限する法律案)をめぐって内外から懸念の声が高まっている。事実上、仏教徒の女性を他の宗教に改宗させないための法案といえる。
  •  ミャンマーは国民の9割が仏教徒だが、イスラム系少数民族との根強い対立があり、・・・此れが原因で提出された法案と言える。

    ミャンマーでは、経済開放と民主化が進んでいるが、軍事政権による弾圧的な政治が後退すると、今度は民族的な対立が顕在化する!・・・鼬ごっこ!が繰り返されている。

    地政学的・経済的利益の追求を求める為にミャンマーを支援している国々はミャンマーの動向が気掛かり!となるは当然です。
    「事実上、ミャンマーは、東アジアにおける中国の経済活動の支柱のひとつなのである。ミャンマーのインフラ整備を手伝いながら、中国は、石油やガスを狙っているのだ。
     米国の管理下にあるマラッカ海峡越しでなく、ミャンマーの大陸部分で資源を採掘する可能性を手に入れようとしているのだ。さらに中国はミャンマーに港湾を建設しているが!・・・中国が海洋大国に変るために、戦略的観点から非常に重要な施設と言えるでしょう。


       日本の大資本による強力な政治的支援がミャンマーに流入しようとしているが・・・ミャンマーは深刻な地政学的「戦場」になりつつある様相を呈している。莫大な利益をめぐる闘争! と言っても決して過言ではない!と筆者は思います。巨大な天然資源、巨大な消費市場、そしてアジアの地図の中にミャンマーが占める、そのユニークな位置では当然です。
     
    ミャンマー東南アジアの最後のフロンティアと言われるミャンマーの動向は、例え内政問題であるとは言え提出された法案(仏教徒の女性の婚姻を制限する法律案)の影響は?、今後の展開を日本政府は最大限の注意を払う必要がある。
     虎視眈々!と支那共産党政府がインド洋への進出を拡大させる為に既に港湾施設建設への巨額な投資と戦略的な価値を決して放棄する筈がなく!、・・・ミャンマーの動向周辺国、ミャンマーへの巨額な経済援助を約束した安倍政権、米国、欧州(特に英国)等の国々から一層の注目を集めるでしょう。

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