2024年8月13日火曜日

新説‼ 古代プラミッド建設に『水圧エレベーター』巨石を運び上げていた


✺  古代エジプト人は!〜、
  どうやって巨大ピラミッドを建てたのか?
これは今日も議論がつづいている歴史上のミステリーの一つ。

そんな中、仏パレオテクニック(Paleotechnic)らの研究チームが大胆な新説を提唱した
‼・・・
それによると、建設中のピラミッドの中央に『シャフト(縦穴)』を設け、そこに注水したり排水することで、巨石を昇降したとの事。
 これは古代エジプト人たちが『水圧エレベーター』を使っていた事を主張する史上初の説になる。

研究の詳細は2024年8月5日付で科学雑誌『PLOS One』に掲載された。

■ 新説が浮上したのは『エジプト最古のピラミッド』:
この斬新な仮説が浮上したのは、研究チームが!〜、
    『ジェセル王のピラミッド』を調査した時!・・・

    エジプト最古の
ジェセル王ピラミッド

ジェセル王のピラミッドは!〜、
古代エジプト第3王朝のファラオ・ジェセル
  (在位:BC2668〜2649年)の命令で建設された!・・・
 今から4500年以上も前の事であり、… 古代エジプトで建設された最初のピラミッドといわれている。

場所は現在のエジプトの首都カイロから南に約30キロ離れた古代の埋葬地サッカラに建てられた。

典型的な階段ピラミッドであり、高さ62メートル、南北109メートル、東西125メートルの長方形の底面を持つ。

ピラミッドの周辺に未だ用途のよくわかっていない古代の建造物がいくつかある事が注目されている。

研究チームは今回、これらの建造物も合わせて!〜、
水力を利用したピラミッド建設のための複合施設になっている〙、
と提唱した!・・・
 それには大きく分けて3つの施設が関わっているという。
    では、それらを一つずつ順に見ていきましょう。

■ ピラミッドに備わった『水圧エレベーター』とは?:
研究チームが第一に発見したのは『巨大ダム』!〜、
 これはジェセル王のピラミッドから数百メートル離れた場所に
 あり、『ギスル・エル=ムディル(Gisr el-Mudir)』と呼ばれる
          巨大な石垣を指す!・・・

この遺構は以前から見つかっていたが!〜、
  その本来の用途については
      専門家の見解が一致していなかった!・・・

然し研究チームは今回、この遺構を含むサッカラ台地が水が流れてくる流域より下に位置することに注目しました。

過去の気象データをもとに、4500年以上前のサッカラ台地に流れ込んだであろう水量を試算した結果、ギスル・エル=ムディルが水を引き入れる巨大ダムとして機能するのに適していた事が判明した。
 そこでギスル・エル=ムディルはピラミッドへ水を供給する入り口として機能していたと考察された。

   3つの施設の復元イメージと位置関係。
      一番左が『巨大ダム』
第二の発見は『水処理施設』!〜、
 この水処理施設ジェセル王の
     ピラミッドの外側に位置している!・・・
研究チームは『深い溝(Deep Trench)』と呼んでいる。

現在は長さ400メートル、深さ27メートルの遺構が残っており、…
こちらも用途は不明だった。
然し、研究チームは深い溝の構造から水の貯留や浄水システムとして機能した可能性が高いと考えている。

具体的には、前述の巨大ダムから送られてきた水から堆積物をろ過して、水の純度を高め、流量を調節しながらピラミッドの方へと水を供給するシステムを備えていた事が推測できる。

     『深い溝』を上から見た全体図。
 ピラミッドに供給される水は中央(ピンク)から

そして第三の発見が『水圧エレベーター』!〜、
   こ『水圧エレベーター』
    ジェセル王のピラミッド自体に備わっていいる!・・・
(下図を参照)。
先ず、ピラミッドの地下28メートル付近に通路が南北にまっすぐ通っており、ここに水が供給されたと見られる。
 この通路は200メートルほどの長さがあり、北と南に一つずつあるシャフト(縦穴)を繋いでいた。
ジェセル王のピラミッドの中心部を通っているのは北側のシャフト。

  ピラミッドの地下に2つのシャフトがあり、…
      その間を水路が繋いでいる。

これらのシャフトには必要に応じて水を引き入れたり抜いたりする
システムが備わっており、… それによって水圧を変えながら水の高さを自由にコントロールできたと考えられる。

そしてシャフト内に容器を浮かべておき、その上に石材を置くことでピラミッド内部をエレベーターのように昇降させられたという原理である。
 もしこの説が正しければ、当時の労働者にかかる負担を大幅に削減できたでしょう。

また研究主任のグザヴィエ・ランドロー(Xavier Landreau)氏は、この水圧エレベーターが本当に使われていたとしたら、古代エジプトの工学に関する従来の理解が劇的に変わるだろうと語っている。

■ 反論の声が強い:
然し、ランドロー氏らの発表に対して!〜、
エジプト学(古代エジプトとその遺跡や遺物についての研究分野)の著名な学者たちの大方は強く反論している!・・・

エジプト学の大家であるザヒ・ハワス(Zahi Hawass)氏も‼…
シャフトが水路として使われていたというなら、水が通った痕跡を見るべきですが、そんな証拠はまったくありません。
 加えて、シャフトも水を通していた場所ではなく、ファラオを埋葬した玄室(石棺を収める場所)と考えるのが妥当です。
それから今日まで残っている史料を読んでも、ジェセル王のピラミッドの建設中にそのような水力を用いた施設が使われた記述はありません。更にエジプト第26王朝(BC664〜525年)の時代に、ピラミッド内部の玄室を修復した旨の記述がありますが、水力に関するものは一切ない
〙、…と指摘している。

     水力を使った記録はない

大方のエジプト学の著名な考古学者が反駁しており、…
ランドロー氏率いる研究チームの新説は分が悪く、何れは淡雪の様に溶けて消えて仕舞うかもしれません!。

また、そもそも石材を上下に昇降するだけのために、ピラミッド周辺を含め、これだけ大規模な治水工事が必要なシステムは割りに合わないようにも思えます。
つまり、今回の説は理論的には興味深い主張ですが、物証は少なく可能性としては薄いと見られても仕方がありませんね。

ただ当のランドロー氏は!〜、
私たちの説を水力技術者に聞いて貰えば、
    必ず同意してくれると信じています〙、…
まだ諦めていない様子です。
果たしてどちらに軍配があがるか?

何れにしても、古代考古学は浪漫があり、考える(推測)だけで胸が踊ります。

参考文献:
■【ピラミッド建設に新説!「水圧エレベーター」で巨石を運び上げていた!】:

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