2024年2月20日火曜日

前代未聞‼、… 和歌山の杜撰なトンネル工事の後始末!・・・

和歌山県串本町と同県那智勝浦町を結ぶ八郎山トンネル(全長約710メートル)の県発注工事で!〜、
      異例の事態が発生した!・・・

 大規模な施工不良が判明し、県が設置した『八郎山トンネル技術検討委員会』の意見は『掘削以外の工事を全面的にやり直す‼、…全国的にも『前例がない』と言えるほぼ全面的な工事のやり直しが現在、行われている。
開通予定は2年も延期された。
なぜ前代未聞の施工不良は起こったのか!。


➤ まるで昭和30年代の工法:

照明器具の設置のために穴を開けたら、コンクリート壁を貫通し、空洞が見つかった。施工不良の発覚は令和4年12月(西暦2022年)、照明工事を担当した事業者からの県への報告が始まりだった。

 同トンネルは、南海トラフ巨大地震などの災害時に通行を確保する目的で県が発注。5年12月(西暦2023年)の開通を目指し、…
県内建設大手の浅川組(和歌山市)や堀組(和歌山県田辺市)の共同企業体が約20億3800万円で受注した。
2年9月(2016年)に工事が始まり、トンネル本体は4年9月(2022年)に完成していた。

 県がトンネル天井部分(幅8メートル)のコンクリート壁をレーダー調査した処、… 規定では30センチの厚みが必要だが、調査範囲の約7割で基準を満たさず、最も薄いところの厚みはたったの10分の1(約3センチ)だった。50カ所以上で壁面に空洞もみつかった。事業者側が工事完成時に県へ提出した書類では、規定通りの厚さを確保したと虚偽の報告がされていた。県は5年7月(2023年)、浅川組と堀組を6カ月の入札参加資格停止とした。

 その後の調査で、トンネル内部を支えるために一定間隔で取り付けられるアーチ状の鋼材『支保工』(約700カ所)のほとんどが設計位置とずれていることも判明。更にトンネル空間の中心線は、通常は設計図からプラスマイナス5センチの誤差に収まるはずが、最大約14センチもずれていた。

         大西有三・京都大名誉教授

レーザースキャナーや写真測量などの最新機器が十分に活用されておらず、まるで昭和30年代の工法のようだ〛、… 現地調査を行った検討委委員長の大西有三・京都大名誉教授は驚きの声をあげた。

➤ 権限集中の現場所長『叱責される』:


 検討委は、測量段階でずれが生じていたほか、コンクリート壁の厚みの管理不足、支保工の設置位置の不良などがあったと指摘。「測量機械などの使用方法を理解していない技術力不足があり、コンクリートを設計通りの厚さにしていないなど倫理観の欠如がある」(大西名誉教授)とした。

検討委が示した補修方針は『内部のコンクリートを剝がし、新しい支保工を所定の位置に正確に設置し直す」』と、ほぼ全面的な工事のやり直しだった。

事業者側は全面的に非を認めた。浅川組は今年1月に会見し、社内調査の結果、工事当初から施工不良と虚偽報告が重ねられていた事実を確認したと報告。報道陣から『(壁面崩落など)開通後の利用者の安全に対する意識はなかったのか』と問われると、同社社長らは『おっしゃる通りです』とうなだれた

なぜ防げなかったのか。社内調査によると、現場所長には、県内のトンネル工事17件を手掛けた実績があり、権限が集中していた。
掘削後に厳密な計測を行わず、現場所長の目視だけで工事を進めた。コンクリートの厚み不足などを現場所長は認識していたが、報告書には虚偽の記載を続けた。同社幹部らは『今後は〝お山の大将〟をつくらない」』と自嘲ぎみに語った。

現場所長は施工不良を重ねた理由を『叱責される』『工期が遅れる』『赤字にしたくない』『お前がなんとかしろといわれる』などと釈明。施工不良を知る現場の社員らは『内部通報制度があることを知らなかった』『現場所長の判断が絶対である』『現場所長を超えて通報できない』と述べたという。同社幹部は『内部通報制度がほこりを被っていた』と反省の言葉を口にした。

同社は昨年8月、西口伸社長と池内茂雄会長を役員報酬20%減額(3カ月)、現場所長の降格など計8人を懲戒処分とした。補修工事の費用約20億円は同社が負担する。

➤ 施行中の行政確認もほとんどなく:


一方、県の監督にも問題があった。県の『土木工事共通仕様書』ではトンネル工事の際、コンクリートの厚みを検査すると規定。
 同トンネルでは68カ所で計136回の検査が必要だったが、県は『要請がなかった』として、6回しか検査していなかった。

県の担当者は要請がなかったことを『(業者側が)コンクリートの厚み不足を隠すためだった』としながら、『要請がないことに気付いていなかった。施行途中の確認が行われていれば、このような事態に至らなかった。責任を重く受け止める』と謝罪。昨年の12月議会で、…岸本周平知事は『大変遺憾。施工途中の確認が不十分であったというので、再発防止策の検討を指示している』と述べた。

現在進行中の補修工事の工期は2年間。『全国的にも異例』(県)という施工不良のトンネルは、ずさん工事と虚偽報告のうえ、行政による監督不十分という不祥事も重なった末の構造物だった。

参考文献:

【「厚さ30cm必要なのに3cm」…和歌山の施工不良トンネル、前代未聞の原因と後始末】:

https://www.sankei.com/article/20240219XOUHD3AVIJIGVN3E5UAVHRKV7E/utm_source=newsletter&utm_medium=evening&utm_campaign=20240219&utm_content=news


余りにも杜撰な施工不良には!〜
     只々に驚くばかりです!・・・
この様は事が起きると、和歌山県内で過去の公共事業で建設された他のトンネルや、橋などは大丈夫なのか?
心配です。
日本人の劣化が進んでいる証ではないか?と不安に駆られて仕舞います。

産経新聞が配信した記事はネット空間(ヤフー・ジャパン)のニュース掲示板にスレ立てされ多くのコメントが寄せられています。
それらを抜粋して以下に列記致します。


■ こうした大型の公共工事の場合はベテランの監督員が担当するはず。工事は工程表に基づいて施工されるはずで、その工程表も請負業者から提出されているのでいつ何を施工するのかどこ時点で何を検査するべきかは重々承知していたはず。
 その検査や段階確認をしないと次の工程に進めないのも重々承知していたはず。なのに、殆どの工程を検査しなかったのは別に理由があったからでは。単に業者から検査の要請が無かったとの弁解は通用しないと思うよ

 当然ながらこの会社が手掛けた他のトンネルも気になるし、監督官庁がこれなんだから建造物全体に疑問がつくと思うんだが、誰も追及しないのかな?そりゃ立件だって相当に大変だけど、そもそも利用者の安全を考慮しない工事ができちゃったんだから、根深く偽装をやっていそうだよね。

■ 「トンネル空間の中心線は、通常は設計図からプラスマイナス5センチの誤差に収まるはずが、最大約14センチずれていた」のであるなら、トンネル天井部分のコンクリート壁の施工厚さは、30‐14=16cmしかないのかと思ったら、最も薄いところの厚みは10分の1(約3センチ)しかなかったとのこと。
 という事は、16-3=13cmほど掘削が不足していたことになる。
規定で30センチの厚みが必要なのに調査範囲の約7割で基準を満たさず、というのなら、ほぼ全区間で掘削が不足していたのだろう。
どうしてそうなったのかも調べてほしい。

■ 不幸中の幸いなのは実際に開通し例えば通行中に崩壊…等、人的被害がなかったことかな。にしても決して許される問題ではないし施工業者には最悪人的被害が出るようなずさんな工事であった事を深く反省し2度とないようお願いしたい限り。
  正直罰則等温く感じますが社会的制裁は今からなのかもしれませんね。

■ 串本から那智勝浦というのは台風が上陸することで有名な潮岬があるところです。この地域は国道の片側が海、もう一方が急峻な山に挟まれた場所が多いため、津波が来れば逃げるところがありませんし、がけ崩れがあれば能登半島と同じく通行止めとなります。
 現在は山の上にトンネルと橋脚を建てて伊勢自動車道路の延伸工事が進められており、やっと災害道路の整備が実現するかと思った矢先でのこの始末です。全線徹底的に手抜きがないか調査して欲しいと思います。

■ こんな大きな公共事業の施工下請け(またはJV)としてこんな会社が入れたのは、何か目に見えない力や政治的圧力でもかかっていたのかな。元請けにしたら迷惑な話だな。 
 和歌山県の有力代議士のパーティ券や後援会・寄付金などとしての支出記録がないかを過去にさかのぼりぜひ調べてほしい。

■ 覆工コンクリートの厚さは設計以上に確保されていたと書類を提出していたのがバレて調査をしてみればアーチ状の鋼材約700箇所の殆どが設計位置とずれていたことなどは南海地震が来れば天井どころかトンネル自体が崩落することもあるでしょう.
 この施工業者の測量技術が疑われます. 行政も検査を136回のところ要請がなかって6回しか行っていないなど怠慢でしょう.
  今回は照明工事を担当した事業者からの報告で発覚してよかったですけど,もし発覚しなければ南海地震が来たときの迂回道路としての役目も果たさないでしょうね. 
 人の命より己の利益を優先させたのでしょうね. 
このような業者に2度と工事をさせないでもらいたいですね. 
まだ表にでないで他にもありそうですね.

 『現場所長の降格など計8人を懲戒処分とした』 現場所長と不正を行った当事者は、殺人未遂と言ってもいいようなことをしたのに懲戒で済むのか。 少なくとも和歌山大手の土建業者のコンプラ意識は政界のそれとほとんど同じと見える。 
 業界全体が同じであるとしたら絶望的な気持ちになるので、ぜひ、業界を挙げてこの問題は徹底して改善していってほしい。

 山梨県笹子トンネル事故の記憶が頭をよぎります。
確か設計でミスがあったかと。あの事故からしばらくはトンネル内を走る時は不安でした。 土木工事は優秀な国と思っていましたが今は昔、人手不足や人材育成や技術継承がうまくいっていないのでしょうか。 再発防止を祈りたいです。

■ この事案はかなりの部分で監督監督官庁の責任を感じる。
施工責任は一番重要だが、業者も官庁もこの工事を行なう能力に欠けた状況だった様に見える。 常々自分が言っている事、この規模の工事なら監督者も施工管理技術者以上の能力を持って、指導出来る能力が無くては笹子トンネルの様に人命に関わる事故が起きかねない。
 人材不足で済まさず。行政も管理監督体制を考える時期なのかと。


引用元:

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