2025年1月10日金曜日

日本と米国の関係は契約的起点ではなく無条件降伏に基づくもの!⋯

■ 日米『力の不均衡』の現実:

日本製鉄によるUSスチール買収の『失敗の本質』は、冷厳な国際政治の力学を無視した《日米は対等な関係であるはず(べき)だ、自由経済の原則は両国に平等に適用される》という、お花畑的でナイーブな考えにも起因している。

何故なら、1945年8月の日本によるポツダム宣言受諾に際して、トルーマン大統領からマッカーサー元帥に対し行われた通達は、⋯
《日本との関係は契約的基礎に立つのでなく、無条件降伏に基づくものである》と規定しており、これは1952年の日本『独立』後も基本的に変わっていないからである。
日米はけっして対等ではない Photo/gettyimages
            村田 良平:
1929年(昭和4年)11月2日 - 2010年(平成22年)3月18日)、日本の外交官。 外務事務次官、駐アメリカ合衆国大使、駐ドイツ連邦共和国大使などを歴任。 退官後、日米核持ち込み問題について、日米核密約の存在を実名で証言した。

1980年代後半から1990年代初頭の日米貿易摩擦の最中に元駐米大使を務めた故村田良平氏が、自身の執筆した『村田良平回想録』の中でいみじくも指摘したように!〜、
《日米同盟は本来敗戦によって押し付けられた屈辱的な条約であり、現在の日米関係は良識を超えた特殊関係》なのである!・・・

日本製鉄のUSスチール買収失敗は!〜、
この『勝者の圧政』の文脈で捉えなければ理解できない!・・・

       元外交官/岡崎久彦

また、故安倍晋三元首相の外交ブレーンの一人として知られた元外交官の岡崎久彦氏(故人)が『村田良平回想録』の書評で述べたように、日米経済摩擦の際に《米国の対日交渉チームの政策の中には、日本に対する善意のかけらもなかった》。

米国が押し付けた米製品の輸入数値目標は「非合理的であり、日本が受け容れても一年経てば達成されないことが明白となると知っていたと思う。そして、目標が達成されなかったときに日本に対して破滅的な厳しい制裁を加えるのが、そもそもの目的だったと思っている。日米同盟の解体さえその視野に入っていたと思う」と岡崎氏は語る。

USスチール買収問題は!〜、
      この歴史の延長線上にある!・・・
日本製鉄が原理原則を声高に叫び、米国で 2 番目に大きいロビー活動会社であるアキン・ガンプ・ストラウス・アウアー&フェルド法律事務所から10人以上のロビイストを抱え入れようが、⋯
バイデン大統領やトランプ次期大統領との交渉円滑化の切り札として顧問にマイク・ポンペオ元国務長官を迎えようが、力関係で非対称の相手には通用しないのだ。

理不尽極まりないが、これが現実だ。大統領命令は覆らず、トランプ次期大統領の決心も変わらない。
Photo/gettyimage
            
橋本英二

日本製鉄の橋本英二会長兼CEOは1月7日の会見で!〜、
《現在の契約に基づいて買収計画を進める。現段階で代替案はない》と述べたが、現実に即したプランBを持たない経営者は株主から信頼されないだろう!・・・

現時点で日本製鉄にできるのは、望みのある対※クリフス訴訟で筋を通して勝つことくらいしかない。買収本来の目的である「世界第3位の鉄鋼メーカーとして支那との競合に対抗し、グローバルに勝負する夢」は、別の方法で実現するしかないと思われる。

※クリフス訴訟:
日本製鉄のライバル会社を買収妨害!として訴追した事案

参考文献:

【あまりに理不尽…!日本製鉄のUSスチール買収を妨害した

「ライバルの正体」と、ふたたび露わになる日本とアメリカの

          「本当の関係」】:

https://gendai.media/articles/-/144669?page=6


                                          



結局、日米関係は故村田 良平氏が
    いみじくも喝破したように!〜、
《日本との関係は契約的基礎に立つのでなく、無条件降伏に基づくものである》、・・・
どうにもならぬ峻厳にそびえ立つ歴史的事実を超えることは、現時点では不可能!と言え、日本が米国の鎖を断ち切り属国から脱却せねば、対等な、公平な関係など夢物語となるでしょう。
安倍晋三元首相(故)が戦後!〜、
戦後体制からの脱却を謳い、政権を発足した時は、これぞまさしく、日本が真の独立主権国家としてうまれかわる!と感激に浸りましたが、悲しくもこれは糠喜び!となってし仕舞ました。
日本の有権者の意識改革がなされなけらば、日本国の再生は不可能!と言わざるを得ません。

0 件のコメント: