2023年2月16日木曜日

聞くのと見るのが大違い ハーバード大の学生が訪日研修で絶賛!

 昨年、2022年12月15日~23日!〜、米ハーバードビジネススクールの学生たち135名が研修旅行、ジャパン・トレックで日本を訪れた!・・・

この研修旅行は、ハーバードビジネススクールで絶大な人気を誇っている。新型コロナウイルス感染拡大で一時中断されていたが、22年12月に再開され、学生たちは広島、京都、熱海、東京を回った。
 そもそも、ハーバードビジネススクールの学生は、日本の経済、企業、文化をどう見ているのか?。
また、どのような興味があって日本を訪れたのか。
参加者の一人であるエイミー・エジントンさんに話を聞く

 

ハーバードビジネススクールの学生たちは広島、京都、熱海、東京を訪れた
  (最前列左から2人目がエイミー・エジントンさん)
 

▶︎ 授業で学んだ『経済が停滞している日本』
      実際に見てみたら:

日本への研修旅行に参加しようと思ったのは!〜、
 何よりも子どものころから父や祖父母から
 『日本は素晴らしい国だ』と聞いていたからです!・・・

会社の国際ビジネス部門に所属していた父はよく仕事で日本に出張していましたし、… 亡くなった祖父母は沖縄県に3年ほど住んでいたことがありました。祖父は空軍のパイロットで、祖母は米軍基地のスタッフ。祖父母からは日本人の友人の話をたくさん聞いてきました。

 こうした環境で育った私は、自然と日本に興味を持ち、『ロスト・イン・トランスレーション』などの映画を見たり、『メモワール・オブ・ア・ゲイシャ』などの小説を読んだりして、日本に対するイメージを膨らませていきました。そして、いつか日本へ行って、この目で日本を見てみたいと夢見ていたのです。

 ハーバードビジネススクールの授業で日本や日本企業の事例を学んだこともまた、日本へ行きたいという思いを強めるきっかけとなりました。中でも記憶に残っているのが『日本は日の沈む国なのか?』というテーマで、日本の経済成長について議論した必修授業です。

この授業で使った教材に書かれていた日本は!〜、
『父が語ってくれた日本の姿』とは違っていたからです!・・・

父は日本には面白いテクノロジーやビジネスがたくさんあるよ、と教えてくれたけれども、経済が停滞している国だ、なんて言っていなかった。どっちが本当の日本の姿なのだろうか?…自分の目で確かめてみたいと強く思いました。

エイミー・エジントン(Amy Eginton)/米ペンシルバニア州出身。
2018年ノートルダム大学卒業。PwCにてコンサルタントとして活躍した後、
2021年ハーバードビジネススクール入学。2023年5月MBA取得予定。
 


ずっと延期されていた日本への研修旅行が2022年12月に開催されると聞いたときは本当に嬉しかったです。
この研修旅行はハーバードビジネススクールでは!〜、
        いちばんの人気ツアー!・・・
定員があっという間に埋まってしまうので、申し込みが開始されたら、誰よりも早く参加登録のボタンを押そうと思いました。

 そして当日。私と友人は、クレジットカード情報など必要な情報を
すべて入力し、5分前からパソコンの前でじっとスタンバイ。
 申込みページが開くやいなや、すぐに登録ボタンを押しました。
 これは後から聞いた話ですが、参加できなかった人が何十人もいたそうです。とにかく参加できることになって良かったです。

12月15日に成田空港に到着して、最初にびっくりしたのが!〜、
      空港がとても静かだったこと!・・・
 米国の空港ではよく大声で話している人がいたり、空港スタッフともめたりしている人がいますが、成田空港は全く逆。
乗客は皆、黙々と目的地に向かい、スタッフも穏やかにかつ効率的に仕事をこなしている。空港全体にとても平穏な空気が広がっていました。

▶︎ 整然、安全、清潔…
     これほど安心して旅行できる国はない:

旅行中は、日本の街の普段の光景を見てみたいと思い、朝はやく起きて、友人とホテルの近くを散歩やランニングをしました。
 そのときも空港と同じように駅やオフィスへ向かう人たちが整然と歩いていたのが印象的でした。
『日本の朝』の光景は圧巻だと思います!また街歩きをしながら感じたのは、何とも言えない安心感。私は世界各国を旅行してきましたが、これほど安心して旅行できる国はありませんでした。
 通常、旅行先では、『旅行者に見られないように』と身構えるものですが、日本ではそんな心配もありませんでした。

 また道にごみが落ちていなかったことにも驚きました。
ごみ箱が置いていないのになぜこんなに綺麗なんだろうと思っていたら、『日本人はごみ箱のある所までごみを持って歩いたり、自宅まで持ち帰ったりする』と聞きました。
その場ですぐに捨ててしまう米国人とは大違いです。
 また、トイレに便座除菌ディスペンサーや消毒液が備え付けてあるのも、素晴らしい心遣いだと思いました。
便座除菌ディスペンサーは珍しかったので、写真にとって母に送ったぐらいです()。看護師の母は『これは他の国も見習うべきね』と絶賛していました。

日本に数日間滞在してみて!〜、
漸く祖父母が話してくれた日本人のお互いを思いやる
    文化について深く理解することができました!・・・
なぜ日本人は列をなして整然と歩き、ごみを持って歩き、トイレに便座除菌ディスペンサーを備え付けるのかといえば、… 『周りの人を気遣う文化』が根付いているからだと思います。
 これは日本人だけではなく、外国人の私に対してもそうです。
金髪で青い目をした私は、どこから見ても『外国から来た旅行者』
なのですが、道に迷って困っていたときも通りがかった人が親切に
教えてくれましたし、『私を歓迎してくれている』という感じがひしひしと伝わってきました。

滞在中は日本の食文化の豊かさにも感動しました。
私はフーディー(食通)なので、普段から食べることが大好き。
 特に好きなのが、マグロの赤身の刺し身。
あまりにも好きすぎて旅行中はほぼ毎日食べていたほどです!
 日本で食べた刺し身は、米国で食べていたものとは全く違っていて、信じられないほどフレッシュ!中でも忘れられないのが、豊洲市場で食べたマグロの刺し身です。
『アメイジング!』と叫びたくなるほどの美味しさでした。

 研修旅行では、広島、京都、熱海、東京を訪問しましたが、日本人学生が素晴らしい旅程を組んでくれたおかげで、どの都市でも忘れられない体験をすることができました。

           写真提供:エイミー・エジントン

その中でも特に衝撃を受けたのが広島平和記念資料館です。
 ハーバードビジネススクールではリーダーの決断がどれほど世界の人々に大きな影響を及ぼすかについて学びますが、米国の政治的リーダーの決断がこれほどの惨劇をもたらしたのかと思うと、リーダーが負う責任の重さを痛感せざるを得ませんでした。
その被害の大きさが私の想像を遥かに超えるものだったからです。

広島平和記念資料館では被爆者の遺品や写真などを見学するとともに、被爆者の女性に直接、講話を聞く機会がありました。
彼女が『私が皆さんのような若い方々に被爆体験を語り続けているのは、皆さんが将来、責任ある地位に就いたとき、皆さんの決断によって大きな影響を受ける人々がいることを忘れないでほしいからです』と言っていたのが印象的でした。
この言葉は今回の旅行で最も記憶に残る言葉になりました。

     原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)を訪れた参加者たち 
   写真提供:ハーバードビジネススクール ジャパン・トレック幹事団

私たち20代にとって、1945年の原爆投下ははるか昔の出来事。
 歴史の教科書の中に書かれている出来事の一つでしかありません。でも実際に広島に来てみると、現代を生きる私たちが学ぶべき教訓をたくさん得ることができました。
 日本人学生が、私たちを広島に連れてきてくれたことに、本当に感謝しています。できるだけ多くのアメリカ人の若者がこの場所を訪れることを願っています。

▶︎ 日本から多くの画期的な
       イノベーションは生まれている:
日本に滞在中、数々のイベントにも参加しましたが、最も印象的だったのが12月22日に東京で開催されたスタートアップイベントです。
 日本人の投資家や起業家が登壇し日本経済の未来について議論するとともに、起業家が自ら創業した企業の概要を私たちにプレゼンしてくれました。

その中で特に興味を持ったのが、間葉系幹細胞を用いた再生医療製品を開発しているスタートアップ企業です。
 私自身、大学で医用生体工学を学んだ事もあり、ゆくゆくはバイオベンチャーを創業したいと思っているからです。
 このイベントでは他にも最先端のビジネスアイデアが紹介され、日本から多くのイノベーションが創出されていることを実感しました。

また日本政府がスタートアップへの投資額を増やし、本格的に起業家を支援しようとしていることも初めて知りました。
 会社を創業する際には多くの資金を必要とします。
起業を奨励するにはベンチャーキャピタルのような投資家だけではなく、公的機関の支援は不可欠です。
 こうした支援は私たちアメリカ人起業家にとってもありがたいものですし、日本での創業を後押しするものだと思います。

ところで先ほどハーバードビジネススクールの授業で『日本は日の沈む国なのか』というテーマで議論したとき違和感を感じたと申し上げましたが、このイベントに参加して、あらためて日本から多くの画期的なイノベーションが生まれていることを実感しました。
 他の参加者も同じ印象を持ったようで、イベントが終わったとき、『あら、日本は日の昇る国じゃないの?』と言っていた人もいたぐらいです。確かに昔にくらべれば停滞しているように見えるかもしれませんが、確実にイノベーションの波は起こっています。

 これは日本に来てわかったことですが、日本には周りを思いやりつつ、一つひとつの仕事をきっちり形にしていこうとする文化があるため、イノベーションを創出するのに時間がかかるのではないでしょうか。日本が『日の沈む国』ではないことを自分の目で確かめられたことは、今回の旅行での大きな収穫でした。

■ 日本では女性リーダーが活躍できるのか?:

ハーバードビジネススクール卒業後は、経営コンサルティング会社で働く予定です。そして数年後には必ず起業したいと思っています。
夢は世界各地に拠点を持つグローバルヘルスケア企業を創業すること。すでにビジネスのアイデアはあるのですが、コアとなる技術が開発されるのに、もう少し時間がかかりそうなので、技術革新や科学の進歩を見据えつつ、最も良いタイミングで起業したいと思っています。
 できれば日本にも拠点を持ちたいですね。
日本人起業家とともに共同創業するのもいいかもしれません。
 日本人の協調の精神、相互尊重の精神、そして創造性を生かせるような企業を創業したいです。

 一方、日本でビジネスを推進していく上で心配なのは、私のような女性リーダーが男性リーダーと同じように活躍できる土壌が整っているかどうか。
女性のビジネスリーダーに対する偏見はずいぶんと改善されたと聞いていますが、国全体としてスタートアップを支援するのであれば、女性起業家に対しても平等の機会を与えられるような環境を整えてほしいと思います。

 今回の日本への研修旅行では、日本は旅行で訪れるだけではなく、ビジネスを展開するにも素晴らしい国だということを知りました。
 私にとって日本は『亡き祖父母が愛した国』であり、…
『父がビジネスで深く関わった国』。近い将来、再び日本を訪れるのを楽しみにしています。



このようなハーバード大の訪日研修旅行は、大学では絶対に得られない日本についても知識(歴史、伝統、文化)などが得られ、有意義なものでね
研究熱心な!、日本が好きな!、学生が訪日して、各地を巡り日本の生活(文化、伝統、習慣)に触れる。
貴重な経験と言えるでしょう。

 記事の主役であるエイミー・エジントンさん!〜、
日本に住んだ事があり、また日本が大好き祖父母の影響もあるのでしょうが、
もともと日本に多大な興味と親近感を持っていた事で訪日研究ツアーには大感激!、帰国してもまた日本に来たい!とまで言っている。
祖父母が住んでいた当事の日本と、現今の日本は、これが同じ国か?と変貌してしていますが、それでも、嘗ての日本が辛うじて残っているせめても慰めです。

参考文献:

■【ハーバード大の学生が訪日研修で絶賛

      「整然・安心・美味・イノベーション」】:

https://diamond.jp/articles/-/317512?utm_source=daily_dol&utm_medium=email&utm_campaign=20230215


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