2014年9月29日月曜日

「新自由主義」を蛇蝎の如く嫌悪した巨星墜つ!・・・


世界的経済学者・宇沢弘文氏が蛇蝎の如く嫌った「新自由主義」


竹中平蔵 パソナ会長:
新自由主義の旗ふり役!・・・
「日本を代表する経済学者」といわれた宇沢弘文東大名誉教授が今月18日、肺炎のために死去した。大手新聞は一斉に訃報と、その業績、生きざまを書いていたが、そこにすっぽり抜け落ちていた部分がある。宇沢氏こそ、アベノミクスが推し進め、竹中平蔵慶大教授が旗を振っている「新自由主義」に真っ向から反対し、猛烈な批判を浴びせていたことだ。晩年の宇沢氏は「TPPは社会的共通資本を破壊させる」と唱え、「TPPを考える国民会議」も立ち上げた。宇沢氏の功績=アベノミクスの全否定になるのである。

 宇沢氏は1951年に東大理学部数学科を卒業した。経済学に転じたのは「世の中を救うのは経済学である」と考えたからだ。米スタンフォード大准教授、カリフォルニア大助教授、シカゴ大教授を経て、東大教授に。70年代以降は市場原理を優先する経済理論や、それを推進する学者の浅ましさを徹底批判したことで知られている。

最晩年にインタビューし、宇沢氏が2011年、脳梗塞で倒れた後も親交を結んでいたジャーナリストの佐々木実氏はこんな思い出を語ってくれた。

「宇沢氏は新自由主義者のノーベル経済学者、フリードマンとシカゴ大で一緒でした。ある日、みんなでランチを一緒にしていると、フリードマンが怒っている。ポンド切り下げを見越して、空売りをしようとしたら、銀行から断られたというのです。それで怒っているフリードマンの言動に宇沢氏は心底あきれて、このエピソードを話されていた。稼ぐが勝ちという新自由主義もおかしければ、それを唱える学者の人間性にも怒っていた。ノーベル賞クラスの学者でしたから、竹中平蔵氏を名指しで非難はしていませんが、その政策や生きざまには批判的でした。実は宇沢氏と竹中氏は日本開発銀(現・日本政策投資銀)の研究所で一緒だった時期があるのです。その時に竹中氏が共著にすべき論文を単著で出して大問題になった。それを収めたのが宇沢氏なのですが、その竹中氏が新自由主義の旗振り役となって、日本をおかしくしているのですから、皮肉なことだと思います」
宇沢氏は40年以上前、ベトナム戦争を批判された米国防長官が経済効率性を理由に胸を張ったことに愕然とし、「言葉に言い尽くせない衝撃を受けた」と語っている。以後、平等・公正・正義ではなく、「稼ぐ」ことだけを目的とした経済学に批判を投げかけてきた。人材派遣大手・パソナの会長として、巨額の報酬を得ながら、産業競争力会議のメンバーにもなって、パソナが得をする雇用改革を推し進めている竹中氏などは、宇沢氏にしてみれば論外で、蛇蝎のごとく嫌う存在だったのである。

「宇沢氏は学者が政府の会議に入ることにも批判的でした。宇沢氏の存在があったからこそ、教え子の学者たちは政府の会議で緊張していた。その重しがなくなると、どうなるのか、心配です」(佐々木実氏)


 竹中氏のようなエセ学者が跋扈しないようにメディアは宇沢氏の功績と懸念をもっと伝えなければならないが、大マスコミ自体が新自由主義に毒されているのだから、どうにもならない。

日刊ゲンダイ2014年9月28日)

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153687/1

                                           

筆者考:

宇沢(宇澤) 弘文:新古典派経済学



生誕 : 1928年7月21日 鳥取県米子市
死没 : 2014年9月18日(満86歳没)
研究機関: (機関)スタンフォード大学 / カリフォルニア大学バークレー校 / シカゴ大学   / 東京大学 / 中央大学 /  同志社大学
研究分野 : 数理経済学
母校     : 東京大学(学士)/ スタンフォード大学 / 東北大学(博士)
受賞 :    文化功労者(1983年)/  日本学士院会員(1989年)/  米国科学アカデミー客員会員                         (1995年)/  文化勲章(1997年)/  ブループラネット賞(2009年) 



2日連続で日刊ゲンダイの記事を取り有るとは筆者も気が違ったのか!と自分自身で思わずにいらませんが!、・・・
本日の記事は比較的に日刊ゲンダイにしては真っ当な物と言える!と筆者は思います。


◼︎【「日本を代表する経済学者」といわれた宇沢弘文東大名誉教授が今月18日、肺炎のために死去した。大手新聞は一斉に訃報と、その業績、生きざまを書いていたが、そこにすっぽり抜け落ちていた部分がある】:

此れは事実であり、どのメデイアも此れだけの日本国を思い、経済学の分野でも偉大なる足跡を残した宇沢弘文氏が最も生前から主張していた『原理主義、新自由経済に対する分析、批判』を暈して報道しています、。日経、産経、毎日、朝日、NHKなどの日本大手メデイアを検索しましたが、驚くべき事に日刊ゲンダイが指摘している通りでした。

➤ 竹中平蔵慶大教授が旗を振っている「新自由主義」に真っ向から反対し、猛烈な批判を浴びせていたことだ。晩年の宇沢氏は「TPPは社会的共通資本を破壊させる」と唱え、「TPPを考える国民会議」も立ち上げた!・・・

➤ 70年代以降は市場原理を優先する経済理論や、それを推進する学者の浅ましさを徹底批判したことで知られている!・・・

 新自由主義者のノーベル経済学者、フリードマンとある日、みんなでランチを一緒にしていると、ポンド切り下げを見越して、空売りをしようとしたフリードマンが銀行から断られ!、・・・それで怒っていたフリードマンの言動に宇沢氏は心底あきれて、稼ぐが勝ちという新自由主義もおかしければ、それを唱える学者の人間性にも怒っていた!・・・。

➤ ノーベル賞クラスの学者でしたから、宇沢氏は竹中平蔵氏を名指しで非難はしていませんが、その政策や生きざまには批判的でした。宇沢氏と竹中氏は日本開発銀(現・日本政策投資銀)の研究所で一緒だった時期があり、・・・その時に竹中氏が共著にすべき論文を単著で出して大問題になった。その竹中氏が新自由主義の旗振り役となって、日本をおかしくしているのですから、皮肉な事と言える!・・・


➤ 宇沢氏は40年以上前、ベトナム戦争を批判された米国防長官が経済効率性を理由に胸を張ったことに愕然とし、「言葉に言い尽くせない衝撃を受けた」と語っている!・・・

➤ 平等・公正・正義ではなく、「稼ぐ」ことだけを目的とした経済学に批判を投げかけてきた。人材派遣大手・パソナの会長として、巨額の報酬を得ながら、産業競争力会議のメンバーにもなって、パソナが得をする雇用改革を推し進めている竹中氏などは、宇沢氏にしてみれば論外で、蛇蝎のごとく嫌う存在だったのである!・・・

➤ 竹中氏のようなエセ学者が跋扈しないようにメディアは宇沢氏の功績と懸念をもっと伝えなければならないが、大マスコミ自体が新自由主義に毒されているのだから、どうにもならない!・・・
 
これら宇沢氏の主張は日本大手のメデイアは取り上げずに無視しています。特にメデイアからの民間議員の竹中平蔵の批判は意図的に封殺されているのか?、殆ど聞こえては来ません。
反日メデイアが取り上げぬのは此の侭、竹中平蔵を好きにさせて安倍政権の経済政策が失敗に終わる事を望み、其の時は一斉に砲撃する。時期を待っているのでしょう。
其れまでは竹中平蔵を泳がせておくのが最善の戦略としているのでしょう。
日刊ゲンダイが今回は真っ当な記事を発信したと驚きでしたが、此れは首相憎しが嵩じて
安倍総理、竹中平蔵の経済政策(国家観が喪失している特区など)が失敗する事を望む気持が変形したものだと筆者は思います。

日刊ゲンダイが指摘している点を裏付ける記事や動画を以下に記載致します!・・・


市場原理主義の「危険」は去っていない!】:
宇沢 弘文(東京大学名誉教授)
選択・2009年10月号 連載〈巻頭インタビュー〉


---今回の世界金融危機は経済学に対する深刻な不信と反感を招きました。

宇沢: 今日の経済学はケインズともマルクスとも違い、学問の原点を忘れてその時々の権力に迎合する考え方を持ってしまった。その根本にあるのは市場原理主義。儲けることを人生最大の目的として、倫理的、社会的、文化的な側面は無視してもよいという考え方だ。ミルトン・フリードマンの活躍以降、世界の経済学の大きな流れになってしまった。しかも本来、こうした政治・社会的な圧力や変化から自由であるべき大学もが市場原理主義の流れに巻き込まれた。知性、理性、感性を失い餓鬼道に堕ちてしまった大学人も少なくない。その結果が金融恐慌を作り出したサブプライムローンと、それを徹底的に悪用した金融工学だった。

 ---日本でもたくさんの市場原理主義「信者」が生まれました。

宇沢: 金融に限らずほとんどの分野で市場原理主義の侵略が行われたが、日本では教育、医療、環境という「社会的共通資本」の原点が壊されようとしている。特に今後、深刻化しそうな問題が二酸化炭素の排出権取引だろう。大気という大切な社会的共通資本を汚染した上で、あたかも私有財産として売買するというのは最悪の倫理崩壊につながる。それでいながら米国の提唱に対し、日本にも同調する経済学者が多数いるというのは末期的な状況だ。

 ---私欲の「手段」と化した経済学は信頼を再び回復できますか。

宇沢: ジョン・スチュアート・ミルが著した「経済学原理」(一八四八年刊)の中にヒントがあると思っている。ミルは同書の中で、マクロ経済的には国民所得や消費、投資といった経済的変数が全て一定に保たれているものの、その社会の中では華やかで活気に満ちた人間的な営みや交流、文化活動が展開されている状況を「定常状態」と名付けた。これはマルクスのように階級的思考で人間の行動を捉えるのではなく、一方で人間を経済的動機だけで動く心を持たないホモ・エコノミクスと見る新古典派の経済学とも違っている。このミルが示す社会を実現できる制度的な条件を、経済学者は求めるべきだ。この進化論的経済学の代表はソースティン・ヴェブレンだが、私の社会的共通資本という考え方も「定常状態」を実現するための具体的な道筋だと考えている。

〈インタビュアー 編集部〉

http://www.sentaku.co.jp/interview/post-96.php


TPPは壊国への道!・・・
宇沢弘文東京大学名誉教授とのBS11「田中康夫のにっぽんサイコー!」

TPPを妄信する日本の政財界を憂う碩学の卓見を御覧下さい。




国思い経済の本質とは何か?と時代の潮流『市場原理、新自由主義(グローバル化)』に背を向けて語り続けた、宇沢弘文東京大学名誉教授のご冥福を祈らせて頂きます!・・・