2023年3月18日土曜日

EV(電気自動車)は一定数の需要はあっても!〜、
現在のガソリンやディーゼルの内燃機関の自動車に
全て置き換わることはないと考えられる!・・・

現在のBEVは!〜、
 バッテリーのみをエネルギー源とする!・・・
寒冷地での使用が困難である、火力発電が主要の地域ではCO2削減に限界があり、詰まり貢献しない。


EV時代に改めて問う、安心・安全に関与する日本メーカーの強みとは


▶︎ EVが内燃機関の自動車に
      全て置き換わることはない理由:

この100年間に日本や欧米の自動車メーカーが築き上げてきた
  自動車産業の技術やノウハウの積み重ね!〜、
      そう簡単捨て去る事はできない!・・・
そもそも自動車として求められる安全性能など、連続的にこれからも生き続ける技術やノウハウが、トヨタをはじめとした既存の自動車メーカー大手には残り続けるだろう

 今日、EVブームに乗って勢いを強めている世界の2社がテスラと支那企業BYDであり、驚くほどの急成長を遂げている。
電池開発が進み、また技術革新によって、テスラ、BYDの両会社がこれまで極めて参入障壁の高かった自動車産業界にしっかりと食い込んできたことは確かだが、… テスラは自動運転の安全性で度々トラブルが指摘され、今回、BYDは日本で使用が認められていない六価クロムをボルトのさび止めなどに使用していた問題が明らかになった。

▶︎ 六価クロム問題で注目を浴びるのは
      安心・安全に関わる知識や技術:

六価クロム!〜、
    欧米でも日本でも法で禁止されてはいない!・・・
日本の自動車産業では当然のように使用が自粛されている。
その影響が大きいのは、BYDのEVバスを採用している全国のバス事業者がBYD製バスの運行を中止したり、… 3月にBYDからEVバスをOEM調達する予定であった日野自動車が予定を中断した事などからも考察できる。

 日本自動車工業会という業界団体は民間企業の集まった組織であり、企業として経済的に益が無い事は避けるの常道である。
それにも拘らず、自主規制を決める事は、…『六価クロム』の使用が市場や環境に及ぼす影響が軽視できないと考えるからであり、それには自動車産業で長くビジネスの経験を積んできた日本の自動車産業の技術と知恵が反映されている。

 内燃機関とEVは確かに異なる技術であり、絶え間ない技術革新に依って、既存のメーカーが新規参入企業に負かされる危険性はある。
然し、技術や知識だけが自動車を作る能力ではなく、そこには安心・安全に関与した精神的な能力の積み重ねがある筈だ。

 自動車産業とエレクトロニクス産業の決定的な違いは、コアとなる基幹技術の絶え間ない変化が頻繁に起きるか否かだと言える。

自動車はこの100年間!〜、
ガソリンやディーゼルを燃料とした内燃機関という基本技術は変わらず、その技術を磨き上げるように連続的に変化してきた!・・・

 その一方で、エレクトロニクス産業は頻繁に技術革新の波が起こり、音楽でいえば、蓄音機がテープレコーダーになり、コンパクトカセット、CD、MD、MP3、ストリーミングと短い期間に大きく休むこと無い技術の変化が起きてきたようなエレクトロニクス産業は、新たな技術の市場への提案が顧客価値となってきたし、この変化の流れの中では、既存メーカーが非連続な変化に対応できずに、新規参入企業に取って代わられる歴史も繰り返されてきた。詰まり淘汰である。

自動車は、HVやEVというゆっくり!、とした技術変化を特徴とした産業である。そのEVにしても、100年前に現在と同じ基本技術で米国企業が開発販売した例があり、… 当時の電池の性能の悪さで一時市場から姿を消したものの、EV自体もそれほど新しい技術ではない。

自動車は小型の家電製品などと違い!〜、
    大きなボディが高速で移動する!・・・

 自動車が衝突するときのエネルギーは速度の二乗に比例するため、少しでもスピードをオーバーすれば大事故に繋がり、人間の生命や財産に大きな危険を齎す製品でもある。

自動車の安全性能は販売時に顧客には見えにくいが、…
長年に亘って既存の自動車メーカーが築き上げてきた能力の蓄積でもある。こうした地味だが極めて重要な企業の組織能力を見落とすと、100年に一度あるかないかという自動車の大きな基幹技術の非連続な変化に際して、顧客から目に見えて目立つ基幹技術の変化にだけ目を奪われ、安心安全に関わる既存企業の能力が失われる。それは自動車産業や我々の社会にとって、大きな損失となるだろう。

▶︎ 種々の要素で差別化された
      日本車の情緒的価値:

自動車は大きな技術的な変化が!〜、
         相対的に少なかった!・・・
故に、技術でない要素で製品の違いを示す事を得意としてきた。
同じ基本車体であってもセダンやクーペー、SUVのように用途の異なる自動車を提案し、… 外装デザイン、車内のインテリアデザインなどに趣向を凝らして顧客の感性や情緒に訴えかける情緒的価値の創造を得意としてきた。

 それに加えて、自動車が安心で安全な乗り物だということを示し、顧客に安心感や信頼を与える事も、自動車メーカーが創造する大きな情緒的価値である。
それは単なるイメージではなく、安全に関わる長年の経験に基づく技術や知識の積み重ねがものをいう処であり、一朝一夕で獲得できる能力ではない。

▶︎ トヨタ生産方式が示す
  効率性だけでない多様なアイデアの有効性:

日本のメーカーはEVや自動運転の開発に!〜、
 乗り遅れているのではないか!といの指摘がある!・・・
前方の自動車を検知する仕組みも、テスラなどに比べるとトヨタは慎重に新たな技術を取り入れようとしている。

 過去の話になるが、ソニー創業者の井深大氏はテープレコーダーやトランジスタラジオの開発を振り返って、『こんなに難しいと分かっていたら手を出さなかった。
 知らなかったからこその無謀さだった』ということを述べたことがある。こうした家電製品での無謀な挑戦は、開発した初期の製品に問題があっても製品の不具合で済まされるが、自動車は搭乗者にも歩行者にも生命に関わるリスクを与える危険性がある。
即ち走る凶器にもなり得る事が、豊富な経験を持つ自動車業界を慎重にさせる。

 EVは万能な内燃機関の代替技術にはなり得ない。
だからこそ、世界で最も自動車を売っているトヨタは、様々な技術オプションを慎重に見極めようとしているのだろう。


ライカー、ワードら米国の経営学者は!〜、
『トヨタの2つの矛盾(Second Toyota Paradox)』という論文の中で、トヨタには2つの矛盾があると指摘している!・・・

★  1つは、なぜあそこまで効率的な
                                            組織運営ができるのか?・・・
★  2つめはなぜあそこまで効率的な仕事をしながら、
       新たな製品コンセプトの開発にはムダを認め
                                     多様性を確保しているのか?・・・

 不確実性が高い時は!〜、
  効率性の高さが売りのトヨタ生産システムにおいても、
     効率より無駄を許容したコンセプトの
            多様性を優先させる!・・・

それが伝統的なトヨタの両手経営であり、将来のパワートレイン(技術革新)の選択も不確実性に直面しているからこそ、… 早計に1つの技術に決め打ちしないだけである。
 なによりも、自動車には安心で安全な乗り物であってもらわなければならない。そのためには、既存企業の能力の積み重ねと、効率性だけでない多様なアイデアの活用が求められる。

参考文献:

【中国BYD「六価クロム使用問題」から考える日本車のアドバンテージ】:

https://diamond.jp/articles/-/319494?utm_source=daily_dol&utm_medium=email&utm_campaign=20230317


                                            



EUで2035年までに内燃エンジン車の新車販売を禁止する法案に対し、欧州の牽引車ドイツが見直しを要求し、採択にブレーキがかかったが、フランスはドイツに異議を唱え、独仏が真っ向から対決している。

このEU法案は!〜、
2050年までに温暖化ガス排出量を『実質ゼロ』とする目標に向け、欧州委員会が21年に発表した。

EUが電気自動車(EV)への転換で!〜、
     世界をリードする狙いがあった!・・・
 今年2月に欧州議会で承認され、今月のEU閣僚理事会で最終的に決める予定だったが、…
ドイツが土壇場になって異議を唱えたことで、採決が延期された。

ドイツは、二酸化炭素と水素で作る合成燃料『e燃料』を使うエンジン車については、35年以降も販売を認めるよう要求した。
イタリアやポルトガル、東欧チェコやポーランドも法案反対で同調。… 13日、これら7カ国の運輸相らが会合を開き、結束を示した。
ドイツのウィッシング運輸デジタル相は『政治で技術を規制するより、未来の発展に道を開くべきだ』とツイッターで発信した。e燃料も、温室効果ガスの削減に役立つと主張する。
フランスは強硬に法案を成立させようとているが、たとえ法案が成立しても、支那には太刀打ちできないでしょう。
部品も不可欠な鉱山資源をすべて支那に抑えれている現状で、どうして支那に対抗できるのか?



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